表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
67/75

第67話 黒雷

——雷と黒弾が衝突する。


その一撃だけで、訓練場のような空間は半壊した。


「真。お仲間はいいのか?」


インヴィクはひよりの方に目をやる。


「よそ見してんじゃねぇ」


蒼雷がインヴィクに向かって飛ぶ。

インヴィクが片手を振る。その空間は黒に塗られたように漆黒に染まる。

蒼雷が漆黒に呑まれ、消える


「以前の様には行かないよ。真」


黒弾はインヴィクの周りに浮いている。

黒弾を胸の前に置き、手で棒状に伸ばした黒弾を、二本握る。

「さて、今回はこちらから行こうか」


インヴィクの背後に黒い壁が立ち上がる。

前へ駆けた瞬間、インヴィクの身体は加速する。

真は黄電を手に掴み、剣状に変質させる。

加速し向かってくるインヴィクを迎え打つ。


黒と黄色が衝突し、凄まじい轟音と、衝撃が起こる。


「きゃ!」

離れた箇所で見ていたひよりの所まで衝撃が伝わる。

飛んでくる瓦礫などは朧により流される。

「朧さん、真くん大丈夫かな」

「真様を、信じて待つのみです」


ひよりは両手を胸の前で握りしめる。


ぶつかった棒と剣はその場で何度もぶつかる。

お互いが近距離で舞うように戦う。

インヴィクは二本の黒棒を振り、真は一本の剣で受ける。

最初は真が受けていたが、黄雷を纏い速度を増した真が、押し始める。


「近づきすぎると、私が不利か。」


インヴィクの身体が引っ張られるように、後方へ飛ぶ。元の位置に戻る。


「ドーム」


黒い壁がたちまち広がり、球状に閉じて真とインヴィクを囲う。黒いドームの中は暗くなく。中から外は見える。


「なんだ、これは」

「さあ、いくぞ」


真の問いに答えることなく、同じ様に真に向かい加速する。

黒棒を上から振り下ろす。真が受ける直前でピタリと止まり、同時にインヴィクの脚が、真の腹へ刺さる。


「っ!どうなってやがる」


真にはインヴィクが蹴ったというより、脚が勝手にこちらに伸びたように見えた。


「なんだろうな!」


至近距離では、黄雷を纏った真の方が速いはずだった。しかし、振られる黒棒が先ほどよりも速い。勝手に加速している。真は振り下ろされ、突かれる黒棒を受け、避ける。

黒棒と同時に蹴りも飛んでくる。もはや人間の動きではない。このインヴィクの動きに結論をつけた真は、インヴィクから離れる。


「まさか重力系で身体を操作できるなんてな」


「ハハハ、さすが真。その通りだ。だが分かったとてここからは出られないぞ」


真は黒壁に蒼雷を飛ばす。蒼雷は黒壁の前で速度が失われ、消える。


「面倒だな」


真は赤雷を纏い、黒壁へ突っ込む。黒壁に近づくにつれて、重力が重くなる。黒壁は破れない。


「ハハハ!!無理だと言っているだろう」


「やり方を変えるか…」


そう言うと、真は赤雷を纏ったまま、インヴィクに突っ込む。インヴィクは赤雷の手刀を黒棒にて、受け止める。


「この中では、私に勝つことはできんよ。真」


「この中は、お前しか動かせないんだな」


「ふん!それでも私の動きには勝てないだろう」


真の言う通り、このドームの中では、相手の重力を操作したり、黒弾を飛ばしたりはできない。しかし自身に重力と引力をかけ、細かく操作する。


「ふん、笑わせるな」


真は赤雷に紫電を纏い、インヴィクへ向かう。

真の猛攻は目にも止まらない速さだ。その全てをインヴィクは受け切り、真の右肩へ黒棒がめり込む。


「ぐっ。」


勢いの止まった真を黒棒が何度も打ち付ける。

かろうじてガードはしているが、真の口からは血が流れる。


「真くん!!」


ドームの外で、ひよりが叫ぶ。

真の元へ駆け出そうとした身体を、朧が静かに押さえた。


「朧さん!離して!真くんが!」

「真様を信じてください。あの方なら大丈夫です」


「真。お仲間も心配しているぞ?そろそろ終わらせようか?」

二本の黒棒は先端が鋭く尖り、真の右胸を突く。


「うるせぇんだよ」

真は黒棒を掴み、インヴィクを投げ飛ばす。

口から垂れる血を腕で拭い取る。


「まだそんな元気があったのか!素直に死ね!真!」


「てめぇが死ね」


真は切り札である白雷を生み出す。

その周囲に赤、蒼、黄、紫の雷を重ねる。

異なる雷が混ざり合い、黒に近い雷へと変貌していく。黒雷を持つ真の手はズタボロになっていく。


「爆ぜろ」


真の手から離れた黒雷は轟音と、衝撃と共に、真、インヴィクを呑み込み、ドームを埋め尽くす。


「ぐぁぁぁぁ!」


インヴィクの悲鳴と共にドームが上から徐々に崩れていく。

崩れゆくドームを呑み込みながら、黒雷はさらに巨大化していく。


「まずいですね…ひより様、失礼します」

朧はひよりを抱えてすぐさまその場を離れる。

「ちょっと、朧さん!?」

抱えられて、かなり離れた位置で止まる。


黒雷は全てを呑み込み、巨大化する。


「真くん…真くん!!!」


ひよりの声だけが、黒雷の轟音に呑まれていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ