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第51話 皇邸襲撃

「丸岡殿!すぐに公安に応援要請を!」


予定通り玄武と皇が敵を引きつける。


「ここは、皇様は私が守ります。頼みます!」


「かしこまりました!!」


丸岡は老体に鞭を打ち、フィールド外を目指して駆ける。


「あのジジイを追え!」


戦闘員の1人が丸岡を追いかける。


「皇様。私から離れないようにお願いします」


「わかっている。頼むぞ。玄武」


皇は玄武の邪魔にならず、なおかつ守られやすい位置に身を置く。


玄武の正面に赤い刀を持つ男が高らかに叫ぶ。


「さて、仕上げと行くか!」


レクトルの戦闘員、そして天樹が玄武に襲いかかる。

刀やレイピアの刃は弾かれ、銃火器の弾も全てが弾かれる。


「なんなんだ…こいつは…」

「彼が鉄堂玄武です。人類最強の盾でございます」


ソルスの問いに天樹が答える。


「俺がいる限り皇様へは指一本触れさせん」


「いくらこいつとて永遠じゃないだろ!行くぞ!」


再び玄武へ攻撃が開始される。


「丸岡、玄武。頼むぞ」


皇は覚悟を決め、玄武に全てを託す。


——数時間前。


皇邸は数日前に侵入者が入ったことで警備を厳重にしていた。

人の出入りを最小限に抑え、入る者には厳しいチェックが丸岡によって行われる。

玄武は護衛として、常に皇のそばにいる。


侵入者が使った暗号に関しては、公安で解読中ではあるが、未だ解読に至っていない。

応援要請の可能性も考慮し、丸岡と玄武の携帯から公安への連絡がすぐ取れるようにしている。


今日は清掃員が2名。

その予定のみであった。


丸岡はいつも通り玄関の扉前カメラを見ていた。

使用人のような身なりをしたすらりとした男性と少し小さな背の低い少年のような2人組が玄関前に立つ。


「掃除業者です。開門をお願いします」


「今日は新人さんですか?」


カメラ越しに丸岡は問う。


「はい。以前の担当が体調を崩しておりまして…大変申し訳ございません」


謝罪で深々と頭を下げる。


「わかりました。しかし現状で新人の方をお招きできかねますので、お引き取りを願います」


プツリと通話が切れる。


丸岡はいち早く玄武に伝えるために電話をかける。


「もしもし、玄武様おそらく賊。もしかしたらレクトルかもしれません」


「やはり来ましたか…まずは丸岡殿はいつでも公安へ連絡を取れるようにしておいてください」


——門の前


「天樹さん。バレちゃった?」


エゴは通話が切れたのを確認してから話し出す。


「そうかもしれませんね。エゴさん、申し訳ありませんがここでソルスさん達に来て頂けませんか」


「分かった。」


エゴの前の空間が裂ける。

空間からソルス、そしてレクトルの工作員2人が現れる。


「やっぱ侵入は無理だったか」


ソルスが言う。


「はい。おそらく前の潜入が捕まったことで警戒レベルが上がっているようです」

「まあ、あいつの情報で正面から入っても迷いはしねぇ。おっ始めるか」


「じゃあ。私は一旦。帰るね。」


エゴは自らの空間に入り消える。


「よし、じゃあまずはこの門だな。予定通り頼むぜ」


ソルスがレクトルの工作員2人に指示すると、


空間が歪む。

一瞬遅れてフィールドが展開される。


工作員2人が同時に扉に触れる。


数秒後、音を立てて扉が開く。


「ソルス様、私たちはこれで…」


開いたと同時に再びエゴが現れる。

3名の戦闘員を引き連れている。


「ああ。エッセこの2人頼んだぞ」


「分かってる。帰り。石使うように。お父様から伝言。」


「了解だ。それじゃあな」


それを聞くとエゴは工作員2人を連れて空間に入る。


ソルス、天樹、3人の戦闘員。

計5名での奇襲作戦。


「行くぞ!」


——「まずいです。玄武様、門が突破されました」


「承知した。私は皇様のそばを離れられない。応援要請を頼めますか」


「先ほどからやっているのですが…どうも電波がフィールドの外に飛ばないようにされています…」


「なるほど…皇様!?」


電話口に皇が出る。


「丸岡、私と玄武が表で迎え撃つ。その間に丸岡はフィールドから出て連絡を取るのだ」


「危険です!私がいるとはいえ相手がどんな能力かもわかりません!」


玄武は皇へ言い放つ。


「中に篭っていても同じだ。丸岡にフィールド外に出てもらうのが一番の策。そうであろう」


「しかし…」


「玄武。私の命はお前に託している。お前が突破されれば私もおしまいだ」


「…わかりました。私は全力で貴方をお守りします」


「聞こえたな、丸岡。今奴らはどの辺りだ」


電話を聞きながら能力を発動していた丸岡はすぐに敵の位置を伝える。


「正面玄関を突破し中央階段から踊り場のあたりです。まっすぐ書斎に向かっております」


「好都合だ。2階の広間で迎え撃つ」


皇は玄武の背を叩き、


「頼んだぞ。玄武!」


「承知」


——2階広間


「この家はどんだけでかいんだ!この地図見ても分かりづらいな」


「書斎はここからまだ奥に行かねばなりません」


「金持ちは何考えてるのかわかんねぇな、ほんと」


5人はやや速い足取りで皇邸を進む。

先頭の進んでいた者が手を後ろに出し、全員を制止する。


「なんだ?」


「狼藉者達よ。何が目的で我が家に侵入したのだ」


広間の奥から皇、玄武が現れる。


「てめぇが皇成十郎か!」


ソルスは刀を抜く。


「貴様らはレクトルか?何用だ」


皇は問う。


「そんな事はどうでもいいだろ!とりあえずあんたを殺せって言われてるんでね」


ソルスが答える。


「そうか。残念だが私はまだ死ねぬ。抵抗させてもらおう」


皇の前に玄武が構える。


——カタッ。

ソルス達の後ろから物音がした。一同が振り返ると白髭に片眼鏡、丸岡がいた。


「丸岡殿!」


(私にも1人くらいは引きつけさせてください)

目でそう訴える丸岡に玄武は応える。


「丸岡殿!すぐに公安に応援要請を!」


その言葉を合図に、皇邸での戦いが始まった。




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