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あっさり決着

「わ、私のターン!スケルトンガードナーを召喚!そしてスケルトンソルジャーの直接攻撃!」

「糸符『縦の糸は真綿、横の糸は鋼糸』」


相手の召喚に対して、カードを掲げて魔法を発動。

真綿の糸がスケルトンに絡みつき、動きを鈍くした所を鋼糸でズタズタに切り裂いた。

この空間は自分が想像した魔法がカードになってくれるので、さっきからアイデアを考えては新しい魔法を試している。

ちなみに、魔法のイメージは最近ローガンが暇な時に魔石で作ったゲームでやらせてくれる『当方弾幕娘』でのマジックカードって奴だ。

相手の放つ美しい弾幕を避け続ける遊びなんだけれども、これもローガンの前世にあった遊びなのだと言っていた。

遊びであんなに恐ろしい量の魔法が飛び交う世界…

ローガンの前世とはどんな世界だったんだろう?

このマジックカードもさることながら、無から金を生み出す錬金術師に、太陽がある限り無敵の英雄だとか…魔王級の存在がゴロゴロ居る世界だったんだろう。

きっとこの世界の魔族将軍クラスでは、生きていけないレベルなんだろうな。


おかげで、この空間限定では色々魔法の工夫をこらせるようになってきた。

今の内に技術を上げておかないと、もし万が一、ローガンが前世の世界に帰るって言い出した場合、着いて行ったら瞬殺されてしまうかもしれない。

なんてったって年間8万人が行方不明になる世界なのだ。

私がその一人にならないよう、鍛えておかないと。


「ぐぬぬ、私のターンはこれで終了。貴女は?」

「あ、私は別に何にもしないので、たーんとやらはそちらでどうぞ。」


たーんって何なんだろ?


「またですか!?そうやって私に魔物を召喚させて魔法でそいつを潰す、って何が楽しいんですか!?しかもその見た事も聞いた事もない魔法は何なんですか!?」

「いや、今イメージトレーニング中なので。」


もし、現実に『当方弾幕娘』の鬼畜白色魔法使いが出てきた場合、どうやって対抗したら良いのか。

やはりパワーか…力こそパワーなのか?

次は極太レーザーの練習でもしようかな。

意外に均一に太いレーザーを出すというのは難しそうな気がする。


「そうですかそうですか。そんなに人をおちょくるのが好きならこちらにも考えがあります。私のターン!ドロー!『最後の戦い』これにより、双方それぞれ最強の魔物を召喚する事ができる!そして私が呼び出すのは…いでよ!『コスモドラゴンノヴァ』!」


黒くて綺麗かつスタイリッシュなドラゴンが召喚された。


「つよそう。」

「強そうどころではない!このドラゴンには魔法が一切利かないのだ!これならもう手も足もでまい!」


魔法が利かないのか、


「こっちも魔物を召喚できるんだよね?」

「そうだ。だが召喚魔法で召喚可能な魔物などたかがしれているだろう。今なら降参を受け入れてやっても良いぞ?」


ルミナスブラックを出したらローガンに怒られるだろうからなぁ。

想像力を働かせて…


「よし、いでよ!イオリV3!」


私の目の前に蜘蛛のフォルムが現れた。

洗練された漆黒のボディに青い複眼、そして輝く金髪。

前回の私の残骸を使ったイオリ2号を叩き台に、今回はデザインも刷新。

前回はセアカゴケグモベースだったのをアダンソンハエトリベースに変更して、洗練さの中にキュートさをプラス。

脚部の毛の一本一本まで緻密にデザインし、遊びも持たせたイケメンスパイダーの完成だ。

クモに寄った人間がスパイダーマンなら、さしずめこっちはマンスパイダー、と言ったところか。


「な、何だ?その魔物は!?」

「イオリ1ローガンの技と、イオリ2号(蜘蛛)の力を兼ね備えた私の考えた最強の魔物、イオリV3だよ。」


早速、イオリV3が中空に巨大な蜘蛛の巣を展開した。

これで相手のドラゴンは飛び立つ事ができない。


「そんなもの、ブレスで焼き払ってやる!コスモドラゴンの全体攻撃!トワイライトバースト!」


ドラゴンの口の前にエネルギーが収束し、真っ黒な球体が形成され、凄まじい破壊力の波が辺りを薙ぎ払った。


「これが私のコスモドラゴンノヴァのブレスだ。後に残るのは黄昏の風景だけよ!もう返事も出来ないだろうがな、ハーッハッハッハ…え?」


残念ながら私もイオリV3も傷一つ負ってない。

そもそも傷がつくイメージがわかない。


「まさか偶然外れたのか?ならば今度は空中から狙い撃ちにしてやる!」


ドラゴンが空に飛び上がり…蜘蛛の巣に引っかかった。

あのブレス如きでは、当然蜘蛛の巣にも影響は無い。

ドラゴンはジタバタもがいて余計に糸に絡まり、身動きがとれなくなってしまった。


そこへイオリV3が蜘蛛の糸を伝って近寄り、牙を光らせた。


ザクッ…ちぅ〜


体液を吸われ、ドラゴンがみるみる萎びていく。

なんだか見ていて可哀相だな、まさに黄昏。


「な、な、な…?」

「迂闊に飛び立っちゃ駄目だよ、こんな事になっちゃうから。でも、本当の絶望はこれからだよ?イオリV3のトワイライトバースト!」


イオリV3の口元に黒い光が収束し、直後黒い光の奔流が放たれた。

イオリ1号(ローガン本人)の恐ろしい所はこれ。

相手の行動とか魔法とかを即座に解析、学習してコピーしたり対抗策を打ち出してくる。


「リバースカード発動!『身代わり地蔵』!!一回だけ自分への直接攻撃を防ぐ!」


男の目の前に石像が現れ、ブレスを防いだ。


「お〜、何とか耐えられたね。」

「な、何故その蜘蛛がコスモドラゴンと同じブレスを?」

「そんな事より、こっちの攻撃はまだこれからだよ?」


あのブレスはラーニングした時の反動みたいなものだからね。


「あれは特殊能力で、攻撃ではないからね。気を取り直してイオリV3の攻撃!」

「そんな馬鹿な!?や、やめ…」


もう男を守るものは何もない。

イオリV3のスタンガンを浴びて気絶した。

男の気絶と同時に、結界も解けていく。

ちょうどローガン達の戦闘も終わった所みたい。

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