シャッフルしないデッキなんてかき混ぜない納豆みたいなもの
「とりあえず、イオリV3って名前はやめよう?」
「えー、蜘蛛でイオリを十分に表現できたと思うんだけどな。もう死んだ人の名前だし大丈夫でしょ?」
「うーむ…でも、まだ現実で召喚はまだできなそうだし、それまで名前は保留しよう。」
あの決闘盤が作り出した固有結界は、想像力を魔法に変換する上で補佐してくれる雰囲気があった。
これを作った人(恐らく転生者)はカードバトル仲間を増やしたかったんだろうな。
だからあんな簡単にカードが作成できたんだと思う。
「えーと、ジャンさん…でしたっけ?」
「…今日は厄日だ。こんな子供みたいな奴らに手も足も出ずに負けるなんて…」
「そこに関してお話があります。貴方、デッキのカード順を完全に固定化してますね?」
「ああそうだ、よく分かったな。あれは私が練りに練ったカード順だったのだ。それがああも簡単に粉砕されるとは…」
やっぱり…
「よし、それじゃ今度は僕と戦いましょう。今度は全く同じデッキでカードバトルです。」
ジャンさんに決闘用固有結界を出してもらい、デッキをコピーと念ずると、案の定手の平の上にデッキが出現した。
「な、何ぃ!?そんな事ができるならアレを2枚にしてあっちのカードを4枚入れて…」
「いや、どう見ても結界を解いたら消えちゃうでしょ。」
デッキをよくシャッフルしながら声をかける。
「このデッキはシャッフルなどしたらまともに戦えないぞ?」
「良いから良いから。それじゃ…」
「「決闘開始!!」」
…
相手の場には4体の魔物が召喚されている、その中には先程のコスモドラゴンノヴァも肩を並べている。
こちらはついさっき0匹になった所だ。
コスモドラゴンに一掃されてしまった。
「シャッフルしたデッキよくここまで耐えたものだ。しかし、次のターンで終わりだ。ターンエン。」
「いいや、まだだ。トラップカード発動!『裏切りの密談』、既に攻撃し終わった魔物でも再び攻撃する事ができる!コスモドラゴンの直接攻撃!」
コスモドラゴンノヴァのブレスが直撃、こっちのライフは虫の息状態になった。
「な、何をやっているんだ?自分で自分を更に窮地に追い込むとは…」
「ジャンさん、『裏切りの密談』の効果は、それだけではないでしょう?」
「ま、まさか!?」
「そうです、次の1ターンだけ、このカードの効果で再攻撃した魔物がこっちの味方になるんです。」
「ば、馬鹿な、あのカードはトドメのダメ押しに自分が使うカードだろう?」
先入観って恐ろしいよね。
「というわけで俺のターン!このターンのみコスモドラゴンがこちらの陣営に来る。ドロー!!魔法カード『類友』発動!場に出ている魔物と同じ魔物がデッキに存在する場合に限り、その魔物を特殊召喚する!『コスモドラゴンノヴァ』召喚!」
「こ、コスモドラゴンが2体並ぶだと!?」
「更に、『強化合成』発動!2体のコスモドラゴンを合成し、更に強力な魔物を召喚する!『コスモドラゴンスーパーノヴァ』!!」
さっきまでのドラゴンよりもひと回り大きく、更に複雑な紋様が刻まれたドラゴンが召喚された。
「な、なんなんだそれは?コスモドラゴンの上位種など、聞いた事が無い。」
「自分の世界だけで最強のデッキなんかを考えてるからそんな事になるのさ。」
相手あってこそのデッキであり、相手あってこそ新しいコンボが浮かぶんだよね。
「と言うわけで、死ぬがよい。」
「え、あ、ちょ、待っ!」
ブレスで一掃&プレイヤーにも大ダメージを与え、戦闘は終了。
カジノのボスことジャンさんは、再び気絶。
…
「ドローカード、『栄光のかけ橋』発動!」
「そんなカード無かったはず…グワー!」
…
「1ターンキル!」
「な、なんだって!?ゲェー!」
…
「ごめんごめん、久々のバトルで調子に乗りすぎちゃった。」
「一回も勝てなかった…」
「これならおいしい。」
「気に入って頂けたなら良かったです。実家で作っているお菓子なのですが、こちらの人達には不評だったので。」
三角座りでメソメソしているジャンさん。
ふ菓子(毒無し)をパクつくソフィーと退魔忍お姉さんことアズミさん。
「アズミさんの実家ってどこなんですか?」
「ここからずっと東のにあるヒノデという国です。」
わぉ、日の出ずる国か…
そう言えば、外国の事は全然知らないなぁ。
家には資料も少なかったし。
ふ菓子なんて作ってるし、忍者みたいなのもいるみたいだし、いわゆる和風の国なんかな?
聞けばジャンさんもそこの出身で、決闘盤も代々伝わっている武器だそうな。
「ローガン!」
ソフィが目をキラキラさせてこっちを見ている。
次の目的地はヒノデかな?




