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改名:黒ローブさん

「“ニーズヘッグ”」

黒ローブの足元が黒く光る。

さっきよりも大きな魔法陣が床に出来上がった。


よく見ると魔法陣の所々に魔石が置いてある。

さっき暴れ回ってた時にこっそりまいたんだろうな。

って事は自分の魔力だけでは発動できなかったやつって事か。


黒い魔法陣の中央から出て来たのはまっ黒なドラゴン………というか龍だな、東方の型のやつ。

それが一旦天井近くまで飛び上がると、一直線に忍者に向かっていった、早い。

すれすれで体を捻って避けた、龍はそのまま進んで檻にぶつかったように見えたがそのまま通り抜け、天井に抜けて行きながら黒ローブの斜め上まで帰ってきた。


幽体か?と思ったらそうじゃない。

溶けている。

ぶつかった場所が抵抗0で溶け出してたわけだ。


「この毒龍は体が毒液で構成されている。掠っても致命傷になるぞ?」

恐らく使用者自身にも影響あるんだろう、不敵に嗤っているようで、目元は苦しそうだ。


「………“サモンブルースライム”“耐物結界”」

対して、忍者はブルースライムを6体召喚して、そのスライムに物理防御の結界を施す。


「気が狂ったか………どのみちお前に未来は無い!」

黒ローブが毒龍をけしかける。


忍者は召喚したブルースライムを持ち上げ、た所で毒龍がぶつかった。

忍者はそこから後ろへ飛んだ様だが、ほぼ同じスピードで毒龍が迫る。

数秒もしない内に両者は壁に当たっていき、壁には大穴が空いた。

大穴のすぐ真下には忍者の下半身が所在なげに立っている。


「ハァ、ハァ、よし、死んだな………申し訳ありませんシスターエルザ、殺してしまいました。片付けます。」


足元の魔法陣が光を失っていく中、黒ローブは肩で息をしながらイビルプラントに足も処分してしまうように指示を出す。


「それは困るな、歩いて帰る予定なのだが………」

「!?」


黒ローブが見返すと、そこには五体満足な忍者の姿。


「中々強力な攻撃だった。私でなければただでは済まなかったな。」

「馬鹿な、あれを耐えきったのか?あれは対勇者の………い、いや、あれを喰らって無事でいられる筈が無い。痩せ我慢をしているだけだ!」


黒ローブは言いながら忍者に突っ込んで行く。

その脇を6つの影が追い越していく、イビルプラントの花だ。

さっきまでは触れたらアウトの魔法が飛んでたからな、危険を察知して隅の方で縮こまっていたんだけど、元気を取り戻したみたい。

黒ローブはもう魔力切れで根っこは動かせないみたい、そうゆう所でいくと召喚って便利よね、召喚したら消えるまで戦ってくれるし。


「“サンダーキック”」

忍者の右足が帯電しながら青白く光る。

あれでイビルプラントを何とかする気なのか?

流石に足じゃ手数が足りないよね………

と、忍者に背後から飛び出す影。


さっき召喚したブルースライムだ。

いや、ブルーって言うかブラックだ、あと若干大きくなってる。

それに気付いていたのかどうか………

イビルプラントの花達はちょうど目の前に飛んできたスライムに噛み付いていく。


イビルプラントの鋭い牙は易々とスライムの外膜を破り、スライムは呆気なく中身をイビルプラントの口内にぶちまけた。

そう、まっ黒に染まった体液を………


イビルプラントの花は苦しむ事もなく、あっという間に蒸発した。


その光景を目にして、黒ローブが一瞬呆気に取られた瞬間、

忍者の蹴りが黒ローブの腹に突き刺さった。

一瞬、カッと部屋全体が明るくなって、次の瞬間には黒ローブが吹っ飛ばされた。


吹っ飛ばされた先にはお姉さんがいたけど、お姉さんはスルッと回避、その影に立っていた人物に直撃した。

つまり俺に。

「グェ。」


2人ともそのまますっとんで行き、結果壁と黒ローブでサンドされる結果に。

黒ローブは完全に気を失ってる。

さっきの衝撃でローブのフードが外れ、素顔が見えてしまっている。

緑の髪がセミロングまである、まだあどけない顔立ち、ちょっとした胸の膨らみ………つーかこれ、男では無いのでは?


なんてこった、黒ローブくんではなく、黒ローブさんだったのか………



「凄いわね、レイも倒してしまうなんて………あの毒龍はどうやって対処したの?」

「光や闇の魔法というのは、他の属性の特性を持つものが多い。ホーリーレイなら火、ダークニードルなら地といったようにな。今回は毒液、自分でバラしてしたからな、スライムに吸わせたまでだ。」

「なるほど………光魔法で相殺する為には同じ規模の魔法を使わないといけないものね、勉強になったわ。しかもレイの事も死なないように配慮してくれたのでしょう?あのまま放っておけば、スライムの液が当たって死んでいたもの。」


忍者はそれには答えず、お姉さんの方へと踏み出していく。


「さて、オードブル(雑魚)はとんでもなく酷いものだったが、サラダ(イビルプラント)スープ(毒龍)は中々楽しめた。そろそろメインをいただくとしようか。」



聞いているお姉さんの赤い唇が綺麗な弧を描いた。

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