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達成報告

「はい、取って来ましたよ。」

「あら、早かったですね。途中魔物に襲われませんでしたか?」

「スライムが何匹か来ましたけど、あれくらいなら楽勝ですよ。」

「そうですか、では確認させて頂きます。」


受付嬢は丁寧に一枚一枚チェックすると、全部OKだと言ってくれた。


「それでは、冒険者の登録をするので、こちらに記入して下さい。文字は書けますか?」

「大丈夫ですよ………こんなもんですかね?」

「はい、ローガンさんですね、戦闘スタイルは前衛と魔法の両方ですか?」

「ええ、それで大丈夫ですよ。僕は水魔法しかまともに使えないんですよ。だから魔法は補助程度で、基本はこの剣がメインです。」

「冒険者には魔法を使えない者も多いですからね。少々扱えるだけでも大したものだと思いますよ。それから、その肩に乗っているのは従魔ですか?」

「ん?ああ、この子ですか?魔物なんですかね、昔からの友達です。」

「その様子を見る限り、見境無く人を襲うという事もなさそうですし、懐いているという事であれば、従魔という事で大丈夫かと思います。それではそちらも従魔の欄に記入して下さい。」


ソフィって、見た目からすると魔物なんかな?

今タランチュラ位のサイズだけど、何て名前の魔物になるんだ?

よく分からなかったので、『闇蜘蛛(子供)』と記入してみた。


「はい、大丈夫です。」


お、大丈夫みたい。


「それではこれがあなたののギルドカードです。身分証の代わりにもなるので、無くさないようにして下さい。それから、先程の依頼達成の報酬はこちらです。」


『F』と書かれた木札と少々のお金を貰った。

流石に最低ランクのギルドカードは作りも最低ランクだな。

これなら偽造も簡単だし、これで保証できる身分なんてタカが知れてる。

恐らく、ちゃんとした冒険者として扱われるのはDかEか………まぁ今は体験コースぐらいのものなんだろうな。


「ありがとうございます。それから、駆け出しの冒険者が使うような格安の宿ってあります?」

「それならここを出て、右手にまっすぐ進んだ所にちょうど良い所がありますよ。」


よしよし、良い宿も教えてもらったし、とりあえずはそこに泊まってみようかな?





「………ですよねー。」


冒険者ギルドを出てまっすぐ進んだけど、一向に宿なんて見えてこなかった。

だんだん町並み自体がトラディッショナルというか、レトロというか………ぶっちゃけるとボロボロの貧民街になってきた辺りで宿を表す看板『INN』の文字が見えた。

そろそろ諦めようかと思った時に見つけてしまうとは………なんともタイミングが悪い。

それにしたってこのボロさ………あのお姉さん、いくらなんでも下に見過ぎじゃない?

まぁ折角紹介して貰った宿だし、一泊はしてみようか。

旅に於いては、トラブルをどれだけ楽しめるかが重要だしな。

一応中をのぞいてみたけど、カウンターには誰もいなかった。


「すいませーん、冒険者ギルドの紹介できたんですけど、一泊できますかー?」

「はいはい、今行きますよぉ。」


奥からこれまたヨボヨボのおばあさんが出て来た。


「おんやぁ、可愛いお客さんだこと。一泊だけで良いのかい?」

「ええ、それで十分です。食事は自分で何とかしますから、ただ一泊だけで。」


正直、食事は期待できそうにないな。

この町に入る前から持ってた干し肉なんかで凌いだ方がマシだろう。

明日はもうちょっと稼いでもう少しランクの高い宿を探そう。


「普通なら4人部屋なんだけどねぇ、偶然だけど一人で使える部屋があるよ。あんたは可愛い顔してるし、そっちの方が良いだろうさ。」


意外と優しいおばあさんなのかもしれない。

そんなこんなで一階の一室に通された。

言われたとおりベッドが4つ置いてあるが、他に客はいない。

部屋に鍵を掛け、一人になった所で、ソフィが肩から降り、人間形態になった。


「んー!何か肩がこった気がするー!」


言いながら背伸びをしている。


「やっぱり変化は慣れが必要なのかな………ソフィ、まずは服を着てくれ。」

「なんだ?顔を赤くして、恥ずかしいのか?」

「いいから早く。」


さっさとワンピースを着せてやる。

なんかブゥブゥ言ってるが無視だ。

それにしても服を着たまま変化出来ないのかな………。


「できるよ。」

「できるの!?」

「やらないよ。」

「なんでだよ!?」


絶対に遊ばれてる………


「それにしても、なんでさっきはあんな面倒な事をしたんだ?」

「さっき?ああ、ギルドでの事か。」

「そうそう。」

「まず、あのおっさんがギルドでランクがどんなもんなのか分からないって事。恐らくそこまで低く無いはず。だからあそこで勝つべきか負けるべきか分からなかったのさ。更に言うと、薬草を採りに行っている間もずっと誰かに見られてた。あの依頼は本当に試験を兼ねていたんだと思う。」

「確かに何かに見られている感じはあったな。殺意は感じなかったけど。」

「まぁそんなわけで、あんまり注目される要因を作らずに冒険者になるにはアレが一番かなぁってね。」

「まぁ、イオ………ローガンがそれで良いなら私は良いけどな。」


こうゆう名前問題がありそうだったからバスクに来たんだよね。


「せっかく人間形態に戻った所で悪いんだけど、少なくとも今日一晩はベッドで寝るのは我慢してもらうよ。」

「なんでよー!?」

「お金も一人分しか払ってないし。」

「そっかー………」

「もしかすると今晩何かあるかもしれない。」

「そうなの?」

「勘だけどね、で、もし何かあった時の為に、待機しておいてもらいたいのよ。」

「ああ、せっかくまともなベッドで寝られる日が来たと思ったのに………」

「それはもっと良い機会に取っておこう。」


それじゃ、おやすみ。

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