第8章:灰の亡霊
カエルは息を殺し、骨がきしむほど筋肉を緊張させた。
前方で避難所の入り口を塞いでいる生物は、単なる番兵ではない。『生きた城塞』だった。
亀の獣人は、第7区画で死んだベアの記憶を即座に呼び起こすほどの威圧的な巨体を持っていた。
皮膚は石灰化した石のように見え、古代の傷跡が刻まれた灰色の鎧のようだ。その濁った目は、世界が終わるのを何度も見てきた者の冷たさで暗闇をスキャンしている。
天井からキチン質のガーゴイルのようにぶら下がっていたローチ・マンが、攻撃の準備を整え、神経質な摩擦音を立てて振動し始めた。
カエルのブーツの下では、地面が微かに揺れている。グロムがそこに埋まって待機しているのだ。わずかな兆候で大地から爆発する準備ができた無音の武器として。
しかし、ヴェインは一歩前へ出た。
いつもは分析的で氷のように鋭い彼の視線に、純粋な認識の閃きが交差した。フォックス・マンはその巨大な生物から数メートルのところで立ち止まった。彼の細身のシルエットは、相手の石灰化の装甲とはグロテスクなほどに対照的だった。
「ポール……」ヴェインは呟いた。初めて、彼の声に信じられないという揺らぎが混ざった。「お前か。こんな第6区画の底で、一体何をしている?」
タートル・マンは瞬き一つしなかった。
「お前を探していたんだ、ヴェイン」
緊張は瞬時に溶け去った。
ヴェインが鋭い口笛を吹くと、ローチが無音の着地で天井から滑空してきた。続いて、彼はコンクリートにブーツの踵を三回打ち付ける――モグラを地中から呼び戻す振動コードだ。
「戦う必要はない」狐はカエルの方を振り向き、隠れ場所から出るように合図しながら宣言した。
ポールは疲れたような笑みを浮かべた。石のように硬い皮膚にゆっくりとしたシワが寄る。
「お前はいつも準備がいいな、ヴェイン。決して失望させない」
彼は重々しい仕草で横に退き、溶接された金属板の避難所へのアクセスを許可した。「入れ。話がある。この地獄の土台が崩れようとしている」
避難所の内部は、金属と後悔の洞窟だった。
凍てつく隙間風とトンネルの囁きから彼らを隔離するドアが密閉されると、ポールは時間を無駄にしなかった。いつもは微動だにしない彼の姿勢はわずかに前かがみになっており、まるで第3階層全体の重みが彼の甲羅に圧し掛かっているかのようだった。
「状況が変わった」前置きなしにポールは始めた。「ミュータントたちがやって来た。俺たちが今まで見てきたどんな忌まわしい化け物とも全く違う。奴らは疫病のように第2区画に降り立ち、指揮権を奪った。奴らを率いているのは、前代未聞の怪物だ。虎と隼の捕食特性を融合させたハイブリッドだ」
ヴェインは体を強張らせた。彼の興味がトーチのように燃え上がる。
「指揮権を奪ったとはどういう意味だ?」
「奴らはすべてを燃やした」タートル・マンは続け、その声はかろうじて抑え込んだ怒りに震えていた。「何年も前にお前に見せた、あの放棄された小さな記録保管所……奴らはあれを灰に変えた。あの区画で俺たちが守ってきた記憶の痕跡を一つ残らず破壊した。奴らは食うために狩りをするんじゃない、ヴェイン。消去するために狩りをするんだ。奴らは設計された機械だ。人間の身体を、二つの致命的な獣のDNAを融合させた器に変えられた存在なんだ」
後に続く沈黙は、建物の崩落よりも重かった。
カエルは背筋を冷たい悪寒が滑り落ちるのを感じた。
もし第2区画が陥落し、ポールのような巨大なボスでさえ逃亡を余儀なくされたのなら、彼らの第2階層への登攀計画は単に困難なだけではない……ほぼ不可能に近い。
ヴェインの頭脳はすでに油の乗った歯車のように猛回転していた。
「誰かが歴史を消し去りたがっている」狐は目を細め、囁いた。「お前の区画の記録保管所は、戦前の文書を保管している唯一の場所だった。日記、本、古い軍の報告書……」ヴェインは言葉を切り、ポールの視線と交差した。「何年も前、お前が私をあそこに連れて行った時、私は一つのファイルを読んだ。断片的な技術報告書だ。それは『プロジェクト・キメラ』について語っていた」
ポールは首をこわばらせた。ゆっくりとした、意図的な動きだった。
「俺も読んだ。だが、あれはただの古い兵器、核戦争の遺物で、埋もれて忘れ去られたものだとばかり思っていた」
カエルの心臓が、檻の中の動物のように肋骨を叩き始めた。
彼はヴェインの方を向き、その目をまっすぐに見つめた。
「プロジェクト・キメラ……ヴェイン、それは俺のことか? 俺がその実験の結果だとでも言うのか?」
ヴェインはゆっくりと首を横に振った。
「あの時は気にも留めなかった。だが、君と出会ってから……君が他の捕食者のDNAを吸収し、合成する能力をこの目で見てから……」狐は口ごもり、入り口の方へ神経質な視線を投げた。「あの怪物たちが記録保管所を燃やした後では、もう疑いの余地はない。標的は一般的な知識なんかじゃない。標的は君だ、カエル」
ポールの目が見開かれ、石の装甲に震えが走った。
「あのおぞましい化け物どもが第3階層に降りてきたのは……このネズミのためだと言うのか?」
ヴェインは刃のように鋭い視線をカエルに向けた。
「見せてやれ。君が何者なのか、彼に見せてやれ」
カエルは躊躇した。
痛みはすでに予感として、骨の中に不吉な振動をもたらしている。彼は目を閉じ、純粋で倒錯した意志の力で、血の中に潜む獣への扉をこじ開けた。
それは変異ではなかった。解体だ。
カエルは膝から崩れ落ち、息を詰まらせたうめき声は即座に純粋な苦痛の絶叫へと変わった。
胸の皮膚が引き伸ばされ、赤紫の色合いを帯びる。筋繊維が引き裂かれては、狂乱した不自然なダンスの中で縫い合わされていく。限界まで引っ張られた鋼のケーブルが切れるような、腱が弾ける乾いた音が部屋を満たした。
カエルは現実をつなぎ止めようと顔を掻きむしったが、指は伸び、手の構造全体が鱗とキチン質の塊へと変形していく。
ポールは後ずさりし、装甲板越しに荒い息を漏らした。
「こいつ……自らを破壊している」タートル・マンは唸った。同族に対して滅多に抱くことのない嫌悪感に声が震えている。
カエルの背中が、濡れたような、内臓を抉るような音と共に引き裂かれた。
熱い血が金属の床に飛び散り、ヴェインのブーツを汚す。だがヴェインは動かず、深い不安を隠した臨床的な執着をもってそのプロセスを観察し続けていた。
血塗られた羽毛の渦の中で、肩甲骨からフクロウの翼が芽生える。骨盤が砕け、数秒のうちに強力で俊敏な野ウサギの形に再構成される。
同時に、カエルの顔の皮膚が引き伸ばされて鱗に覆われ、瞳孔は冷たく氷のような縦の切れ長へと変化した。紛れもない毒蛇の刻印。
カエルは痙攣の塊だった。生きたいのか死にたいのかも分からない肉の絡み合い。あり得ないハイブリッド。あらゆる自然の法則に逆らう捕食者。
避難所の静寂が、乾いたギザギザの亀裂音によって打ち砕かれた。
ポールの目はもはやカエルを見ていなかった。炎、悲鳴、そして彼の第2区画を灰に変えた破壊の光景を見ていた。
侵略のトラウマが暴力的かつフィルターなしに浮上し、原始的な激怒を引きずり出す。
「お前も奴らの仲間か!」
ポールは咆哮した。石をすり潰すような声が振動する。
「俺の家を燃やした奴らと、全く同じ存在か!」
ポールの重量で床板がうめき声を上げた。
亀の巨大な巨体が暴力的な速度で前進する。カエルの胸を真っ直ぐに狙った、装甲の破城槌。それは警告ではなく、処刑だった。
カエルはまだ歪んだキメラの形態に包まれており、同時多発的な交雑の緊張下で骨をきしませていたが、動物的な本能が叫ぶのを感じた。
思考はしない。ただ反応した。
強力な野ウサギの足が超人的な力で収縮する。
毛皮、羽毛、そして鱗が閃光のように交錯し、カエルは横へ跳躍した。ポールの拳が、背後の金属の壁を鈍い轟音と共に粉砕する。
ポールの攻撃が残した空白の後に、どんな刃よりも鋭い冷たい疑念が押し寄せてきた。
カエルは自身の爪の生えた手を見た。不自然な変異の余韻で、皮膚はまだ震えている。
『もし、彼の言う通りだとしたら? 俺が単なる破壊のためにプログラムされた敵の兵器で、今まさにカウントダウンを始めた時限爆弾だとしたら?』
ヴェインとグロムは動かず、傷物の価値を測るスカベンジャーのような目でその光景を見ていた。彼らの目に彼を守ろうとする意志はなく、あるのは冷たい戦術的計算だけだ。
カエルは戦いたくなかった。ポールを殺したくもなかった。
だが、そこに留まって裁きを受けるわけにもいかない。
振り返ることなく、心臓を軍太鼓のように肋骨に打ち付けながら、カエルは驚異的な跳躍で出口に向かって身を投げ出した。敷居を飛び越え、トンネルの深淵へと姿を消す。
彼は内に抱える暗闇への恐怖に引きずられ、答えを得る唯一のチャンスをそこに置き去りにした。
カエルの現実は粉々に砕けた鏡となり、彼はそれをつなぎ止めるギザギザの破片でしかなかった。
自分が避難所から逃げているのか、それとも自分自身の皮膚から逃げているのかも分からない。
トンネルの壁がぼやけて通り過ぎていく。それはもはやコンクリートと錆ではなく、息の詰まるような灰色の筋だった。
心音はもはやリズムではない。自分の思考すらかき消すほどの音量で胸に鳴り響く戦太鼓だった。
アナベル。
その名前は祈りだった。内なる崩壊の嵐の中の、絶望的な錨だった。
戻りたかった。あの光り輝く庭へと這い戻り、彼女の存在の安全性に触れ、自分がまだ幼虫を探し求め、空を夢見るネズミのままであることを自分に証明したかった。
だが、ポールの咆哮の記憶が――『お前も奴らの仲間か!』――焼き印のような熱さで彼の心に焼き付いていた。
カエルは立ち止まり、膝から崩れ落ちた。
錆びた通気口の端にしがみつき、血が出るまで金属に爪を立てる。
理性の部分では、自分が何者か分かっている。だが、妄想がその歴史を層ごとに引き剥がし、喰らってきた怪物たちの冷たく異質な本能に置き換えようとしていた。
頭の中で、声が囁き始めた。
ベアの本能が金属を引き裂きたがり、ヴァイパーが影に噛みつきたがり、フクロウが空を要求する。それは悪夢のモザイクだった。
もし彼女の元へ戻れば、自分は救いをもたらすどころか、疫病をもたらすことになるだろう。
「俺は……俺はカエルだ」
彼は嗄れた声で言ったが、出てきた声は彼自身の声と獣の唸り声が混ざった不協和音だった。
どれだけの時間が経ったのか分からない。
秒は数時間に引き延ばされ、数時間は熱病の夢へと溶けていく。
まるで内臓が変異DNAを永久に収容するために再編成しようとしているかのように、筋肉が全身的な苦痛で脈打っていた。
時を刻む時計。彼の意識は急上昇と急降下を繰り返し、恐ろしいほどの明晰さの瞬間の中で、限界に達したことを悟った。
5分。
キメラの形態が彼を内側から引き裂くか、あるいは意識が虚無に降伏するまでに残された時間は、それだけだった。
スカベンジャーが骨の髄まで漁るようなトンネルの床で死ぬわけにはいかない。怪物たちが手の届かない場所が必要だった。
彼は上を見上げた。
換気シャフトの暗闇が、あり得ない虚無へと伸びている。40メートルの、純粋に錆びついた垂直の空間。
喉を切り裂くような嗄れた悲鳴と共に、カエルは最後の変異を呼び起こした。
痛みは、肩甲骨の間に打ち込まれた白熱のスパイクだった。肉が割れ、巨大な革のような翼が凍てつく空気の中に爆発する。
彼には飛行をコントロールする力はなく、ただ逃げたいという絶望的な衝動だけがあった。無秩序なリズムで狂ったように翼を羽ばたかせ、暗黒の中へと身を投じる。
そこにあった。
壁から突き出た巨大な排気パイプ。地上の捕食者の手は遠く及ばない場所。広く、静かで、完璧だった。
彼はパイプの縁に激突し、コンクリートに翼を擦りつけながら、暗い内部へと転がり込んだ。
外界から隔離された瞬間、キメラの形態が、彼には払いきれない代償を要求した。体がギブアップしたのだ。
巨大な翼が崩れ落ち、骨を揺るがすような音と共に縮み、ウサギの足が痙攣しながら短くなっていく。
退行は暴力的だった。
強制的に元のネズミの形態に戻されたが、疲労感は絶対的だった。誰かに骨の髄液を抜かれたような感覚。
彼はパイプの冷たく湿った鋼鉄の上で丸く縮こまった。暗闇はもはや聖域ではなく、墓のように感じられた。
目が裏返る中、彼が最後に見たものは、彼自身の内なる騒乱の、微かな、脈打つような光だった。
その後、完全な黒が彼を飲み込んだ。




