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記者が群がり、フラッシュライトが盛んに焚かれシャッターの音が響いている。
誇らしげな企業の代表が居並び、式典がいよいよ佳境に入るところだった。
「皆さん、今日から日本はエネルギー問題を永遠に解決することになりました!」
代表は力強い声で、マイクに向かって第一声を発した。さらにたくさんのフラッシュが焚かれ、カメラのシャッター音が重なる。まぶしさに、代表はちょっと目をしばたかせた。
記者のひとりが代表して質問に立った。
「エネルギー問題を永遠に解決とは、どのようなことですか? ここは原子力発電ではないとおっしゃいましたが」
代表は大きくうなずいた。
「そうです! われわれが開発したのは、従来の原発とは一線を画す方式なのです。もちろん核融合とも違います」
会場がざわついた。
記者は用心深く質問を重ねた。
「たしか従来の原発は核分裂の熱をつかって発電するんでしたね。核融合も熱を利用することは同じですが……」
代表はまたうなずいた。
「そうです。原発も核融合炉も、その熱を使って蒸気を作りタービンを回して発電します。しかしわれわれの方式は全く違います!」
代表は背後の巨大な装置に向かい、大きく手を動かして示した。
装置は巨大だったが、突起物があまりなく、まるで大きなタンクのように見えた。そのタンクの下部に申し訳程度の計器といくつかのスイッチが見えるだけの、シンプルなデザインだった。
代表はゆっくりと説明を開始した。
「いままでの原発ではどうしても核廃棄物が出てしまいます。核融合炉も理論上は出ないとされますが、やはり中性子による被爆があって完全にクリーンとは言えません。われわれは原子核そのものから、直接電力を取り出すことに成功しました」
記者は質問をした。
「たしか以前の説明では、日本各地にある核廃棄物を利用するとおっしゃいましたね」
代表の口許がさらに笑いにおおきくなった。
「はい、わたしどもが開発したシステムであらゆる核廃棄物から出る放射線を直接電力に変換できるようになりました。放射線を発する物質すべてです! これにより、日本は無限のエネルギーを得ることができるようになったのです!」
誇らしげな声で一同に向き直った代表は、語り終えて厳粛な顔つきになった。
「では、これより火入れ式を執り行います!」
代表の指先が、スイッチに触れた。




