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ただいま異世界巡回中!  作者: Riviy
二周目 悪なる正義、正義なる悪
25/116

第二十二ゲーム・新たな異世界は…?




モフ。モフモフ。


「うぷ」

「にゃー」


にゃーじゃない、にゃーじゃ。みなとはゆっくりと目を開けようとするが顔中がもふもふしていてそれどころじゃない。声からして、清光せいこうである事は間違いない。湊は腕を動かして恐らく自分の顔に乗っかているであろう清光を抱き上げた。やはりそうだったらしく、清光が不機嫌そうに前足を揺らしているのが視界一杯に広がった。


「……清光、人の顔の上に乗っちゃダメだよ?」

「……なぁ?」

「返事は?」

「にゃあ」

「よし」


湊は清光を抱き上げながら起き上がった。確かレベルアップの時と同じあの無機質な声を聞いて…それで?記憶がない。気絶していたのだろうか。湊はツキカゲを探して周囲を見渡した。そこは何処かの部屋のようであった。部屋、と云っても周りが鉄のような素材でできている事からあまり良い感じはしない。冷たい印象を与える。ツキカゲは彼女よりも早く気がついたようで部屋の中を物色していた。乱魂ではあまりこんな設備、と云うか部屋も設定もなく、先程までいた異世界とはガラリと雰囲気が違っているので興味深いのだろう。と、彼がこちらに気がついた。


「マスター!大丈夫?」

「うん、私は大丈夫。てかツキカゲ聞いた?あの声」

「声…?嗚呼、解決しましたとかなんとか言ってたあれ?」

「!そうそれ!」


ツキカゲも聞いていたようだ。自分だけじゃないことに湊は嬉しくなり、勢いよく立ち上がった。勢いよく立ち上がったせいか、態勢を崩し、先程までいたベッドに座り込んでしまったが。ん?ベッド?ってことは、も・し・や?ツキカゲがこちらへやって来ながら分析を述べる。


「多分、あの人が言ってた巡れって奴のなにかをクリアしたって事だよね。本当に意味分かんないなぁ。巡るって云ってもその基準が…って、マスター?聞いてた?」


なにも言わずに考え込んでいる湊を不審に思ったらしく、ツキカゲが彼女の前で手を上下させると湊は突然、「やっぱりな!!」と大声を上げた。ツキカゲが驚き、身を引いたのと清光が軽く飛び上がったのは同時だった。


「な、なにマスター」

「にゃぉおん?」

「あ、驚かせちゃった?ごめんね。でも、()()()()()()()()()()()()()()()のもと?って云うかゲームがわかってね!」


やった!とテンションを上げて喜ぶ湊にツキカゲは「おー」と何処なの?と目をキラキラさせて聞く。清光には既にこの話を一応で聞かせている。話し終わった途端に首を傾げていたので理解しているかどうかは不明だが。人間の言葉を理解しているような傾向はあるのだが…


「で、なんなのマスター」

「うん、私、アバター製作したゲームあるって前言ったよね?そのゲームがもとって云うかそっくりなの、此処」


自分を指差しながら湊が云うとツキカゲは軽く目を丸くした。彼女がこの異世界に溶け込めるようにアバターになっていることには理解できているようだが、そっくりなもとー…もと?ーであるゲームについてはなにもわからないらしい。清光に至っては二人の顔を交互に見ている。湊は「途中でやめちゃったから自信はないんだけど」と前置きし、早々に暇を持て余して遊び始めた清光を抱きながら言う。


「多分、〈神狩カミガリ〉って云うゲームにそっくりなんだよね。私がアバター作って最初のチュートリアル場所がこの部屋だった。だから、乱魂…と似た異世界でも森だったんだと思う」

「あーそっか、可能性はあったよね…考えてたのに見逃してた。あの人がマスターをその姿にした時点で考えられた事だよね。前の異世界(さっき)でも知ってるけど違う人いたし…やっぱり、違うよね」

「うん。でも、それさえも違うって事もあるよ。みx…あいつがそこまで同じにするとは思えない」


ぶるぶると握りしめた拳を小さく掲げながら湊が笑っていない笑みで云う。よほど脅迫されて、しかも質問を中断された事にご立腹しているらしい。しかしその湊の表情は大好きなツキカゲと、違うにしてもそっくりにしてもキャラクターに会えた喜びも混ざっており、複雑だった。嬉しいんだけど、素直に喜んだらみぃちゃん(あいつ)の思い通りになりそうでイヤだ…なんか負けな気がする……ツキカゲが「抑えて抑えて」と嗜める。


「まぁ、その〈神狩〉?ってどんなもの?部屋が同じってことは敵はそれに関係してるからね。僕にとってもなにか情報があった方が良いし」

「にゃあ」

「ほら、清光もそう言ってる」


湊はうん、と頷き、自分がやっていたスマホゲーム〈神狩〉の情報を頑張って思い出しながら話し始めた。

神狩カミガリ〉は怨念に乗っ取られ擬人化した武器を元に戻すためにプレイヤー同士で奮闘、または個人で奮闘するオンラインロールプレイングゲームである。しかし、「()()()()()」、と云うのは人間達の言い訳に過ぎない。湊のアバターはこのゲームで製作した。アバター設定で接近戦を得意とする武器をメインとしたため、装備できるのも扱えるのもそうなる。


「つまり、敵は武器の擬人化?」

「うん。後、プレイヤー(こっち側)の武器と見分けがつくように顔に布を着けて、素顔を隠してるの。確か…人間の怨念によって『本来の姿』を消されたから、醜い容姿になってるのを隠すためだったかな……」

「それって味方?は…?」

「ツキカゲが思ってる通りだよ。布なし」

「ふーん……あとは?」

「私、〈神狩それ〉さ、さっきも言ったけど途中でやめちゃったからあんまり詳しいことは…」


ごめんねと頭を下げる湊にツキカゲは「なんで謝るの」と不満げな表情だ。清光も「顔上げて」と彼女の頭を前足でペシッと叩いた。それがツボったのかは不明だが、湊は笑い出してしまった。ツキカゲもクスリと笑った。除け者にされた清光は低く「にゃあー」と鳴いた。


二周目からはゆっくり行きますー

そして、擬人化ですよ!

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