抜け殻
牢の中、大量の札が体に貼られていた、その札はあらゆる力を封じる札、本来なら人ならざるものの、妖達に使われるはずの物だ、なのにそれが人間のはずの俺の体と部屋中に貼られている
「やっと起きたか諸悪の根源」
「何を言ってる、そんなことよりこれはなんだよなんで俺に妖術封じの札か、これは妖に付けるものだろ」
「妖が何を言う、人の形をした化け物が」
「何言ってやがる俺は人間で人の子だ、妖と一緒に」
俺が困惑していると、牢の外から声がするその声には聞き覚えがあった
「滑稽だな、お前が捕まるとはな、吐けお前が犯人だ、なんつってな」
このクソほど大変な時にこの人は
「この面倒な時に、ふざけてる場合じゃないでしょ、カラスさん」
このふざけた男は、俺の師匠と同じ陰陽会最高戦力、十二天将の1人朱雀の名を冠する、黒羽鴉その人である
「お前が、酒呑童子の器だったとは知らなかった、おかげでお前、虎丸の奴、上から大目玉上層部のじい様方に喧嘩してる最中、出てこい叶芽、上層部のじい様方がお前を見たいんだよと」
そう言い鴉は扉を開ける、体にはまだ札が貼られたままだが先程まで倦怠感はない、長い廊下を歩いていくと先の方から光が見えてくる、その光の先に行くと開けた場所に出る、その場所で虎丸が大声を出して荒らげている、その部屋に入ろうとすると、鴉から止められる
「一旦ここで隠れているんだ、今入ったら面倒だから」
「何度も言ってるが、あいつは人間だ、何をビビってんだよ、ガキ1人に」
「警戒せざるおえんのだよ、相手は800年前の世を蹂躙した百鬼の王、酒呑童子その器たる者を生かしておくなど危険すぎる」
「だから、やばそうになったら俺が何とかするって言ってんだろ、あいつの霊力は人より遥かに少ないんだぞ、そんな奴に代の大人がビクビクしやがって」
「もしもが起こってからでは困るのだよ、そのもしもがあった時は我々どころか一般人にも被害が及ぶ、そうなる前に火種は消すべきだ、これはもう決定したことであり、貴様を抜いた十二天将の半数以上賛同している」
「腰抜け連中が、何が陰陽会の最大戦力だ、叶芽が何をした、ただ酒呑童子の器だっただけだろ、お前たちはあいつかは誇りを奪い親を奪いあまつさえ今度はあいつ自身を奪う気か」
「多く者の命と人に仇なす妖の命どちらが重いなどと火を見るより明らかだ」
「だから妖じゃねぇて言ってんだろクソジジイ」
虎丸の手に霊気か集まっていく、言葉で分からない者には実力行使を使うつもりのようだ、その時虎丸の体から鮮血が舞う
「最長老様への愚行そして侮辱は決して許しはしない」
咄嗟のことで虎丸は膝を着く、虎丸の周りには彼の流した血が溜まりができる
「ハチ公、そんなに怖いかよあのジジイから見限られるのが、ハチ公はハチ公らしくご主人様にしっぽ振ってろ」
手の甲に霊気を貯めその霊気が刃の形に変わっていく
「刻め七星剣」
「顕現そして我が厄災を噛み殺せ、天空」
その詠唱を終えると周りに大犬の姿をあらわす、その大犬と虎丸の七つの剣がぶつかり合う
「ハチ公、式神まで使って本気みたいだな、顕現しろそして我が敵を食いつき殺せ、白虎」
虎丸が詠唱を終え白く神々しい白い虎が姿を表す
その虎と犬はお互いの首に噛みつき暴れ出す、あまりに強い力で部屋が崩壊していく、
「そこまでだよ、天空、白虎伏せ」
2体の式神は地面に強く叩きつけられる
「全く熱くなりすぎだよ、わんちゃんそれと虎丸君、虎丸君はどれだけ吐くほどおじいちゃんたちが嫌いでも、白虎出すのはやりすぎ、僕まで出てこなきゃならなくなったじゃないか、仕事増やさないで」
「拓斗、何のつもりだお前もそっち側って言うなら、十二天将のリーダーでも敵なんだよ」
「僕にまで噛みつかないでよ、僕はあくまで中立、おじいちゃん僕から提案があるんだけど、仮にこのまま虎丸君の弟子を殺したら、虎丸君ここで大暴れだよ、虎丸君が暴れたら僕でも止めるの一苦労だよ仕事増やされるのはごめんだからさ、その弟子に酒呑童子倒させようよ、まがいなりにも元は酒呑童子の半分あばよくば両方死ぬよ、仮に酒呑童子が勝ってもこの子は死ぬだろうし、おじいちゃん達には損のない話だけどね、それと酒呑童子を殺したあと彼が生きていたら、僕が彼を殺してあげるから安心しなよ、十二天将のリーダーの僕じゃ不服かい?おじいちゃん」
彼のその凍りついた笑顔に場はも一緒に凍りつく、急に出てきたこの飄々とた男がこの場を完全に支配している
「よかろう、ならば今すぐにでも酒呑童子への討伐に向かわせろ」
「おじいちゃんそんな事したら酒呑童子の神経逆撫でするみたいなもんだも今のままじゃ裸んぼで、虎の小屋に放り込むみたいなものだよ、彼は八雲学園に入学させる、その十二天将の推薦生徒のクラスに入学させる、推薦生にもいい刺激になるしね、異論は無いよね、おじいちゃん」
「…いいだろう、だが保険をかける」
1人の老人が手を前にかざすと紫色の鎖が俺の首に伸びる、それと同時に首に圧迫していく
「その首輪は呪縛の首輪その男が私たちに牙剥いたのならば即座にその首は飛ぶ、その男の生殺与奪は私が今握った、せいぜい励め己の死に怯えながら」
そう言い残し老人は姿を消す
「急に呼ばれて、急にこんなの付けられて全くもって話が見えない、先生一旦は俺生き残ったてことであってる?」
「あのたぬきじじい最初からこうなる事狙ってやがったな、お前らの思いどうりにことが進むと思うなよ」
「虎丸なにはともあれ一旦はこのことは片付いた、叶芽を家に返してやろう、八雲殿が心配なさっているから」
一旦は俺のことは片付いたらしい、色々なことがありまだ気持ちの整理も付かぬまま俺は一度で家に帰った




