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第九章

ラヴァルンからの新しい大使は、驚くほど早く到着した。


あまりにも早く、これを偶然や、のろい外交手続きの結果として受け取ることはできなかった。サルヴェル・タロンは引き延ばさなかった。傷ついた沈黙を演出することもしなかった。間そのものに政治的意味を持たせるような真似もしなかった。ネリッサという一枚の駒を失ったその瞬間に、彼はすぐ別の駒を盤に置いた。


そのことだけでも、あの男について多くを語っていた。


だが、さらに多くを語ったのは、新しく来た大使そのものだった。


彼もまたネリッサと同じ獣人だった。

だが、まるで別の種だった。

猫ではない。

もっと熊に近かった。


それは、彼が口を開く前から分かった。首の太さ、肩の広さ、重く無駄のない動き、空間へ入るときのあの感じ。猫のように滑り込みもしないし、身体を武器みたいに使って場を撹乱もしない。ただ、そこをまるごと占める。巨大な獣が当然のように居座るみたいに。顔にも、ネリッサにあったあの尖った、ほとんど不埒なくらい生々しい躍動がない。もっと鈍く、もっと分厚く、もっと硬い。身体の形そのものが、実用と耐久に振られている感じだった。


だからこそ、エドランにはすぐ気に入られた。


個人的な意味ではない。エドランは新顔の相手に、そう簡単に好悪を見せる男ではなかった。だが、機能として、本能的に、統治者として信頼できる部品を見分ける感覚の方が先に動いた。新しい大使は、人に好かれようとしない。余計な愛想もない。自分の存在に、余計な感情の揺れを持ち込まない。言葉は短い。視線はまっすぐだ。確認すべきことだけを確認する。ラヴァルンの利害を示すときも、それを主張というより石みたいに卓上へ置く。――これがある。迂回は無駄だ。そういう置き方だった。


ヴェイルの反応も、ほとんど同じだった。


歓待ではない。だが、彼が政治の構造の中で「こういうものは使いやすい」と判断したときの、あの乾いた納得の顔になった。ヴェイルはすぐに分かったのだ。この獣人とは仕事がしやすい。自分の本性を芝居にしない。交渉に私的な熱を混ぜない。信頼できる。機能的だ。予測可能な硬さがある。


そして、それが彼にはどうしようもなく内側から拒否された。


その大使自身が嫌いだったわけではない。

別の状況なら、こういう直截さを評価したかもしれない。

だが今は違った。


ネリッサのあとでは、この重く、雄として実用に寄りすぎた真っ直ぐさが、誠実さではなく侮辱に近く感じられたのだ。ラヴァルンは一つの真実を失うや否や、すぐにもっと使いやすい別の真実を差し出してきた。生きすぎていて秩序そのものを壊しかねないものではなく、秩序の中にきちんと収まって役割を果たすものを。


ネリッサは、その新しい大使を一目で見切った。


ただ一度見ただけだった。

注意深く。

敵意も誇示もなく。

それで終わりだった。


彼女にはもう、それ以上の関心が湧かなかった。

弱いからではない。

強さには疑いようがなかった。

だが、彼の中には、ネリッサをネリッサたらしめていた、あの息苦しいほど過剰な生命の気配がない。

彼はまとまっていた。

ネリッサは、生きすぎていた。

彼は機能だった。

ネリッサは選択だった。

彼は世界にとって都合がよかった。

ネリッサは違った。


その違いが、彼には思っていた以上に強く刺さった。


新しい大使がそこに立つことで、ネリッサの異質さはさらに際立った。

さらにどうしようもなくなった。

さらに、彼が今までまともだと思っていた男と雌のあいだの秩序から、遠ざかった。


彼には、これまでずっと、自分なりの分類があった。


愛する女。

守るべき女。

やわらかく扱うべき女。

正面からぶつかっても大丈夫な女。

信じているからこそ荒さを受け入れる女。

求める女。

耐える女。

少しずつ自分をひらいていく女。


それは完全ではなかった。

だが十分に役に立っていた。

彼はそういう世界で生きていたのだ。どれほど複雑でも、どれほど濃密でも、そこにはまだ人間の軸があった。羞恥、制御、遠慮、譲歩、少しずつほどけていくこと、ようやく許される露骨さ。そういう人間の軸だ。


リラについて、彼は知っていた。

カイラについても。

アヤノについては、なおさらだ。


あの三人は、どこまで行っても雌ではあっても、なお女だった。


それぞれ違う。複雑だ。重い。貪欲だ。ときに荒く、ときに平然と卑猥ですらある。だが、それでもなお、女としての論理の中にいた。欲しがり方にも、限界にも、速度にも、受け入れ方にも、それぞれの筋がある。彼はその中で迷うことはあっても、自分が何をしているのか、どんな種類の親密さの中にいるのかは分かっていた。


ネリッサは、それを全部ぶち壊した。


彼女が「人ではない」からではない。

彼女との交わりが「強い」からでもない。


彼女という存在そのものが、彼が男として自分を保ってきた軸を、根元から壊していったのだ。


彼女の前では、彼はただの男のままではいられなかった。


彼女の中には、人間の経験や慣習を飛び越えて、もっと原始に近いところへまっすぐ届いてくるものが多すぎた。耳。尾。身体が快楽を隠せず、あまりにも速く、あまりにも露骨に反応すること。感覚と、その承認のあいだに、ほとんど隙間がないこと。その羞恥を持たないのではなく、羞恥など平然と踏み越えてしまうような剥き出しの生き方。


それが、彼の頭をおかしくしていた。


本当に。


比喩ではなく。


彼は気づき始めていた。

ネリッサの前で、自分はだんだん「男」ではなく「オス」として考えるようになっている。


安っぽい意味での荒い欲望ではない。

下劣な支配欲でもない。

もっとひどい。

もっと深い。

もっと原始的なズレだった。


**この肉は俺のものだ。

この震えは俺のものだ。

この熱くて、生きていて、脚のあいだにある暗い穴は俺のものだ。**


彼は人生で、こんなふうに考えたことがなかった。


どれだけ貪欲な夜でも、どれだけ露骨な欲し方でも、今までは人間の男が中にいた。羞恥も、躊躇も、加減も、言葉も、形も、どこかにまだ残っていた。ネリッサの前では、それが全部消えたわけではない。だが、弱すぎた。上に立ち続けるには。


なぜならネリッサは、彼を「女らしさ」で狂わせるのではなかったからだ。


彼女の中にあるのは、もっとむき出しの、もっと原始的な正直さだった。


彼は見てしまう。

耳が他人の指で揺れるところ。

尾が勝手に動くところ。

身体のすべてが、あまりにも早く「いい」「もっと」「強く」「私の」「取れ」「離すな」と白状してしまうところ。

そして、そのたびに彼の内側では何か古いものが折れていった。


かつての欲望は、女という人格に結びついていた。

だが今は、そこにもう一つ別の層がある。

縄張りだ。

捕食だ。

肉だ。


彼はまだ、自分の雌たちの指がネリッサの中に入ることは許せた。


リラが、あのやわらかく執拗なやり方で彼女をほどいていくのも。

カイラが、意地悪く、一番みっともなく崩れるところまで追い込むのも。

アヤノが、まるでネリッサの身体の方を自分より深く知りたいみたいに触れていくのも。


それらは、まだ許せた。


かろうじて。


なぜなら、あれは**彼の雌たち**だからだ。

そしてネリッサも、もう彼のものだった。


つまりその論理の中では、彼女たちはネリッサを彼から奪っているのではない。彼と一緒に、彼女を家の中へ、巣の内側へ、もっと深く引き込んでいる。


だが、そこには一つ、どうしても譲れない線があった。


硬くて、馬鹿みたいで、原始的で、どうしようもなく獣じみた線だった。


**俺の肉棒だ。**


その思考を、最初彼は自分でさえ認めたくなかった。

あまりにも獣じみていた。

あまりにも単純すぎた。

あまりにも、今まで自分がまともだと思ってきた男の理性から遠すぎた。


だが、それは消えなかった。


彼はまだ、自分の雌たちとネリッサが、その震えを共有することを許せる。

声を引き出すことも。

身体をまさぐることも。

尾を握ることも。

耳を責めることも。

彼女の羞恥――もしネリッサにそれを羞恥と呼べるものがあるなら――それを一緒に味わうことも。


だが、限界はある。


本当にネリッサの奥へ入ること。

肉の深いところを、自分のものとして押し開くこと。

そこへ本物として入れるのは、彼の肉棒だけだ。


その考えは、あまりにも獣じみていて、あまりにもみっともなかった。

だが、それがいまの彼の本音だった。


指ならいい。

口ならいい。

だが、本当にあの中へ入っていいのは自分だけだ。


それが彼の中で、いまや「男」であることよりも、「オス」であることに近かった。


エドランみたいに支配したいのではない。

ヴェイルみたいに理解したいのでもない。

まして、文化的な意味で「所有」したいわけでもない。


もっと単純だった。


**取りたい。**


勝者としてではない。

支配者としてでもない。

夫としてですらない。


ただのオスとして。

ようやく手に入れた、あまりにも生々しく、あまりにも露骨で、あまりにも嘘のつけない身体を、腹の底から欲しがるオスとして。


それが、彼には怖かった。


低いからではない。

卑しいからでもない。


ただ、それが彼の以前の人生のどこにも存在しなかったからだ。


あちら側には、こんな雌はいなかった。

こんな剥き出しの開放もなかった。

こんなふうに、欲してもすぐ罰にならない世界もなかった。

ここでは、ここまで真っ直ぐに、ここまで肉で、ここまで露骨に欲してもいい。そしてそれが即座に人を壊すわけでもない。


すべてが違っていた。


しかも、彼の雌たちもまた、ネリッサによって変わっていた。

ただ彼だけが狂っているのではなかった。


リラは、あのやわらかさのまま、前よりずっと肉の深いところで欲するようになった。

カイラは、笑っているくせに前よりもっと貪欲だった。

アヤノは、新しい命を抱いたその身体で、かつてよりいっそう重く、いっそう濃く欲するようになった。


三人とも、ネリッサといることで、以前の羞恥の軸を脱ぎ捨てていた。


それが彼をさらに壊した。


なぜなら、もはやこれは「一匹の雌に男が狂う話」ではなかったからだ。

家そのものが、もっと古く、もっと肉で、もっと羞恥を知らない生の形式へずれていっていた。


ネリッサは、その触媒だった。


恋人ではない。

飾りでもない。

象徴ですらない。


家の中にあるすべてを、もっと正直に、もっと貪欲に、もっと危険にしてしまう肉そのものだった。


彼は気づくと、もうネリッサのことを言葉ではなく感覚で考えていた。

首の後ろ――あの後頸、掴みたくなる場所。

尾を握って、その反応が奥まで走るのを感じたいという欲。

眠りのあとの濃い匂い。

寝台の下に座り、もう分かりきった顔で見上げてくる目。

今から彼が彼女と「話す」のではなく、ただ取るのだと知っている目。

そして、その目に応えるみたいに、最初から飢えている身体。


そういうものの重なりが、彼自身をほとんど嫌になるほど露骨にしていった。


なぜなら、そこで立っているのはもう「男」ではなかったからだ。


オスだった。


比喩ではなく。

内側から。


そこでは大事なのは感情だけではない。

匂いも、入口も、肉も、震えも、自分の肉を一番深く差し込める権利も、大事だった。


そして何より厄介だったのは、ネリッサがそれを感じ取っていることだった。


しかも、怯えない。


むしろ逆だった。


その日の夕方、新しい大使が初めて正式に宮廷へ顔を出したあと、彼は重いまま家へ戻った。怒っていたのではない。苛立っていたのでもない。もっと悪い。自分の中で何が起きているかを理解しすぎていて、だからこそ、それをただの一時的な欲望だとは誤魔化せなかった。


部屋に入ると、ネリッサが一匹でいた。


他の三人も家の中にはいた。

子もいた。

サレットの動きも、あの家の呼吸も、すべて近くにあった。

だが、今この部屋には、ネリッサしかいなかった。


彼女は床に座り、片脚を折っていた。

尾が絨毯の上に流れている。

耳は立っている。

静かすぎた。

本物すぎた。


彼女は、どうだったかとも訊かなかった。


ただ彼を見て、言った。


「すごい顔。まるで私が存在してること自体が気に食わないみたい」


彼は近づいた。


「ほとんどそうだ」


ネリッサは笑った。


「それはいい」


「何がだ」


彼女はゆっくり立ち上がった。

彼に退く時間ではなく、自分の中のことを認める時間を与えるみたいに。


「ようやく礼儀と正直さを取り違えなくなったってこと」


その一言が、あまりにも正確だった。


彼はずっとそうしていた。

人間らしくいようとしていた。

礼儀正しく、理性的で、形のある男でいようとしていた。

そのくせ、もうとっくに自分の内側で働いているものは、それよりずっと古くて、もっと肉に近いものだった。


彼は彼女の前に立った。


ネリッサは逃げなかった。


そこで彼はさらに一つ、分かってしまった。

確かに、彼を狂わせているのは彼女の肉だ。耳、尾、匂い、反応の速さ、あまりにも剥き出しの正直さ。

だが、本当に恐ろしいのはそこではない。


ネリッサが、その中で立ち上がってくる彼の“オス”を、恐れず、そのまま受け取っていることだ。


彼女は、彼の中にもう「男」だけを見ていない。

そして、それでは足りない。


彼女が欲しているのは、オスだった。


文化的な男でもなく、

きれいな手順を知っている男でもなく、

「上手く扱える」男でもなく、


取ることを止めないオスだ。


そこで彼は、ついに認めざるを得なかった。

もう、とっくに戻れないところまで来ていたのだと。


かつてネリッサは、彼にとって“ありえないもの”だった。

今では、彼の中のありえなかったものを許す側に回っていた。


彼はもう、育てられた通りの男でいる必要はない。

理性も、経験も、あちらの世界の習俗も、羞恥の残骸も、まだ自分の中にある。

だがそれらの奥に、もっと重く、もっと肉で、もっと貪欲なものがあることを、ネリッサは認めさせてしまった。


飾りではない。

観念でもない。

ただの欲望ですらない。


**自分の肉だ。**


そう感じてしまうほど、彼女はもう深く家の内側にいた。


そして、それは彼の知っているどんなものにも似ていなかった。

あまりにも。


だから、本当に頭が壊れそうになっていた。


彼はもう、それを別の言葉では呼ばなかった。

呼べなかった。

それ以外の名では、嘘になるからだ。


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