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二人の魔法師と五つの魔導書  作者: 手鞠 凌成
一章 戦闘訓練
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戦闘訓練 最終決戦7

「あーくそっ、負けちゃったーー!」

「そうですね……ケレスさん……」

「う~ん。シュライ、も少しやりたかったよー」


 リスポーン地――最初の集合場所へと戻されたケレス、テスラ、シュライは、各々にぼやいていた。

 ケレスは芝生の上に仰向けになって寝転がり、悔しさを露わにする。

 その傍らに座るテスラも、はぁーと深いため息を吐く。

 シュライもシュライで、心残りがあるような、残念そうに天を仰いでいた。


 ヒュ~ヒョロヒョロ。雲一つな澄んだ青空に、一羽の鳥がぐるぐると旋回していた。


 日も傾き始め、段々と山へ接しようとしている。


 シュライがぼーっとそんな青空を眺めていると、はっと思い前を向く。

 その反応にテスラは怪訝な目を向け、ケレスもうんしょっと身を起こす。


「どうしたんだ? シュライ?」

「どうしましたか?」

「今ここにいる人数って、何人?」


 不意の問いかけにふたりははてな? と一瞬疑問を抱いたが、すぐに質問の意図を読み取ると

「あーそれは――」とケレスがしなやかな首をひねり、後ろを向く。

 そこには、四角形の大きなスクリーンが空中に投射されており、そのスクリーンには『現在参加中の人数』と表示されている。数字を見てみると、五人と示されいた。

 数字を確認したシュライは、くりっとした瞳を上げ、人差し指を顎に当てる。


「えっと、つまり――レスティアちゃんと、他に四人がまださんかしてっるってことだよね」

「まぁーそうだな。いいよなーまだ残ってて」

「凄いですね……その方たち……」


 沈黙が落ち、


「「「はぁーーーーーー」」」


 三人同時に深く盛大なため息を吐いた。


 力ない眼でシュライが周辺を見渡す。チームが各々にお互いを健闘しあったり、褒め合ったり、最後まで生きのこれなかったと泣き合ったり、この訓練を考えた奴に対して文句……愚痴を言い合ったりとそれぞれの時間を過ごしている。


 ぐるっと見回しているとあの〝存在感を放つ〟者がまだいないことに気が付いた。


「そういえば、まだクロネスさんたち、いないね」

「そりゃあそうだろうな。なんたってあいつ、主席だし」

「え、えー……たしかにお姿がお見えになりませんね……ですが、あの方と私たちは、まるで違いますしね……」


 とても暗い雰囲気が彼女たちを包み込もうとしていたその時。


 ドーーーーーーン!!!!!!


 突然、巨大な爆発音が彼方から鳴り響き、空気をも振動させた。


 シュライはそっとその音のした方――山頂へと目を遣ると、そこには噴煙が巻き起こっていた。


 生徒たちの視線も自然とそこへと集まる。


(何があったんだろう……)


 とシュライは一人、思うのであった。


□ □ □ □


 その頃山頂では――


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 クロネスとレスティアによる、次元を超すような攻撃の応酬が繰り広げられていた。


 明滅する光の波動に、光線、弾。暗澹とする斬撃に、鞭、打撃。


 誰もが目を見張るような超絶なる魔術・魔法の行使。


 もはや、この二人だけを世界から切り取ったようだった。


 その中心を陣取る【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】は巨木の六本の腕を大いに振るい、周囲を飛び回る二人を追い払うかのように、動かしていた。


 地面を走り遠くから攻撃を行うドゴル、クリス、キャロスも風圧に飛ばされぬよう耐えつつ、クロネスのカバーをする。


 飛来する氷槌に空気を切り裂く電撃。猿のように飛び回り、翻弄させるキャロス。


 各々がそれぞれの役割を果たしていると、唐突に【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】が動きを止める。


(これは――っ!!)


 クロネスは本能的に感じ取り、後方へと大きく下がる。眼下を見ると、それをチャンスと見たのか、ドゴル、クリス、キャロスは手に魔力込め、増大な魔法・魔術を放たとうとしていた。


 クロネスは咄嗟に魔晶石を触り、『防いで――』と伝えようとしたが、もう遅い。


 その刹那――【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】は巨躯をのけぞらせると、大きく身体を前へと折り曲げ、六つの拳を地面へと叩きつける。すると、【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】中心に大地にビキビキビキと放射状に亀裂が走ると、途端に針のように鋭利な岩が爆発的に隆起する。


 クロネスは防御魔術を展開する。だが、発せられた絶大な威力を落とすことはできずに吹き飛ばされてしまった。


 レスティアも防御魔法の呪文を唱えるも、殺しきることはできず、上方へと高く昇った。


 ……………。


 クロネスは地面に着いた身体を起こした。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」


 息も切れきれで、全身が熱い。クロネスは裾を触り、HPを確認する。


 自分の体力は、残り一割。次の攻撃をまともに受けたら、死確定である。


 他のメンバーの体力を見てみるが、すでに黒く点滅。リスポーンしてしまったようだ。


 衝撃もすさまじく、魔力の消費も激しい。自分の魔術を使える回数も残り少ないだろう……

と感じ取っていた。


 それは、レスティアも同じであった。落下でダメージもかなり削られ、赤く点滅する。魔力量ももう少しでなくなりそうであった。


 クロネスは立ち上がる。肺に空気を送り込む。そして、ふーと吐くと、自分に強化魔術を付与し、

木々を蹴って駆け上がると、【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】の頭を捉えた。


 

 レスティアも呪文を紡ぐと、光の輪が頭上へ出現し、まるで天使が天へ召されるように上昇していく。


 お互いがお互い気づいていたのだ。もう、これで最後になるだろうと。


 クロネスは右掌を前と伸ばす。


 レスティアは組んだ両手を祈るように胸へ持ってくと、目を瞑った。


「《闇より蠢く一対の龍・猛き咆哮・理を崩し・無へと誘う・無し者は源へ・聖なる者は乖離せよ・崩壊せし摂理に・滅びの唄あれ》――――っ!!」


 破滅をももたらすような闇の力が集約していき――


「ふー……《神の声よ聞け・我、神の仔より遣われしもの・我、神の仔に身を捧げし者・森羅万象を超越し・災厄なる最悪を打ち砕き・邪悪なる罪人に制裁あれ》っ!!」


 

 身体には溢れんばかりの光の精霊を身にまとい、神々しい光がどんどんと膨らんでいき――


 一定量の大きさまでなった瞬間――黒と白の極太光線が放たれ――【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】をたちまち包み込み。天を衝くような黒と白の半々に分かれた光の柱が山の頂上を明滅とさせた。




先橋ちゃったような感じになっちゃいましたが、これでこの「戦闘訓練」はこれを持って終了です。

ここからも、色々な展開を混ぜたのを続けていくつもりなので、よろしくお願いします。

(実際には、もうすこしドコル、クリス、キャロスの部分を入れたかったのですが、そこはご了承ください)

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