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二人の魔法師と五つの魔導書  作者: 手鞠 凌成
一章 戦闘訓練
11/23

戦闘訓練 最終決戦 1

時間をかけてしまって申し訳ありません。

最終決戦と行った所ですが、これもそれぞれパートを分けて執筆していこうと思います

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・。止まれ!」


 クロネスの一言により、全員の足は止まる。山頂まであと数百メルトと言った所だ。


 すぐさま木の影に隠れると、クロネスはキャロスの方を見る。そしてくいっと無言で人差し指を曲げた。

 すると、キャロスは無言で頷き。その瞬間、霞に消える。

 指を曲げる動作は「GO」のサインである。


 キャロスは山頂の様子を偵察しに行ったのだ。キャロスのポテンシャルは()()()()()()()()。身体強化しなくとも、身体の柔軟性、瞬発性、反射性で言えば、クロネスよりも勝っているだろう。


 木の枝という枝を伝い、目的の場所へと近づいていく。


 両手で枝を掴むと、それを軸にし回転。

 一回転するかしないかの所で手を離す。すると、遠心力により体は勢いに乗ったまま前方へと高くとび、そのあとは重力に従って弧を描きながら落下していくのみだ。

 そして、目の前に木の枝がまたあったら今度はその上に足を付け、すぐさま次の枝目掛けて跳び移る。


 ミシッと木が軋んだ。


 流れるように行う動作はまるで猿のようでもあり一種の芸当みたいなものでもあった。体躯を活かしきれている。


 目を周辺に滑らせれば木々が延々と立ち並び、最奥は見えない。薄暗い中に差し込む弱い陽の光だけが頼りだ。


 少しでも闇を弱めてくれる。


 ――キャロスはひたすら前進し続ける。

 実際、一旦森に入り込んでしまったら羅針盤(コンパス)

 か何か場所を示すようなものがない限り遭難してしまうのがオチだ。

 模擬戦闘なのでチームのリーダーやそのクラスの担任が居場所を(地図上の)ポイントで表しているので、そんなことは無いが、森の中だと方向感覚を失ってしまい左右する分からなくなってしまう。ので、慎重に進む必要があるのだが、キャロスはそんな事など気にもとめずにぴょんぴょんと、迷うことなく突き進んでいる。

 キャロスの装備には場所を知らせてくれる道具はない。

 彼の“感覚"と“勘“が突き動かしているのだ。


 場所なんてしらない、何処かなんて不明。しかし、キャロスはこの行き先が正解だと無意識に判断している。


 山は山頂へ登る度に気圧が低下していく。

 本当に極多少な気圧の変化。それこそ一hPaにも満たないような誤差を、肌で感じとっている。

 その敏感な感性が彼に正解の道だと導いてくれるのだ。


 すると、小さながらもドーン、ドーンと爆発音が前方から耳に届いてきた。徐々に大きさは増していく。大地と空気の振動も伝わってきた。


 もうすぐ山頂だ。


 キャロスはならべく高い位置に着く。

 ここならば葉や細い枝が重なり、相手からしたら自分の姿はみえにくくなる。


 視線を落とし、眼下に広がる景色を見た。


「な・・・・っ!!」


 途端――絶句した。衝撃的な光景に目をひん剥く。


 キャロスは口をぽかんと開け、呆然と眺め、その場から動けなくなってしまった。


(・・・・・・そうだ! 早くクロネスに知らせないと!)


 はっと自分の使命を思い出したキャロスは、この戦況を脳に灼き付けると、クロネスの許へ戻るべく急いでこの場から離れた。


 □□□□


「……キャロスくん、だいじょうぶかな……?」


 しゅんと肩を縮ませるクリス。顔は俯き、キャロスに対し懸念を抱いてるようだ。


「心配は不要だと思うけとな」


「そうなの? クロネス?」


「あー。問題ない」


 そうクロネスは頷き、静かに言い切る。


 その確信するような口振りに「うん、そうだよね」とクリスは不安を滲ませていた表情にぱっと笑顔を咲かせた。


 ――と、ガサガサと葉が揺れる音が聞こえた。


 クリス、ドゴルは【土の巨兵(ゴーレム)】が出たのだと思い、咄嗟に立ち上がり戦闘の構えをする。


 ガサ、ガサ、ガサガサガサガサッ!!


「クロネスヤバいって!!」


 そんな焦燥に満ちた言葉とともに藪から飛び出てきたのは――キャロスだった。

 髪の毛はボサボサで、葉やら小さな枝などが刺さっている。

 どこか切羽詰っていて、今にも泣きそう・・・・否、泣く寸前の所まで達していた。

 クロネスの前に立ち、両手を肩に乗せると「やばい!やばいよーーー!!!」と大声で喚きながら激しくクロネスをシェイクする。


「おおおおお、おちつけっててててて・・・・・・」


「どうしようどうしようーーーーーっ!!!」


「おい、キャロス・・・・どうしたんだ?」


「聞いてよドゴル!! 実は――」



「「「はーっ!?巨大ゴーレムがいたー!?」」」


 クロネス、ドゴル、クリスの全員の驚いた声が合わさった。


「う、うん・・・・」


「どういう事だ、キャロス。詳しく話訊いてもいいか」


 クロネスに説明を求められたキャロスはこくっと力なく首を縦に動かすと口を開いた。


「さっき放送でフラグ取ったら勝ちってルールあったじゃん。でも、いたのはフラッグじゃ無くて代わりに三对の腕を持った巨大【土の巨兵(ゴーレム)】がいたの。

 しかも、大きさが通常の【土の巨兵(ゴーレム)】比じゃない・・・・二倍位はあったと思う・・・」


「二倍ということは・・・・十メートルか」


「うん。あと、周りにフラッグを狙おうとしに来た他のチームが集まってたんだけど、ほぼなすすべなく皆散ってったの。魔法、魔術、剣撃、弾撃・・・・色んな攻撃を仕掛けてたけど全部効いてないし・・・・どうしようクロネス。これじゃあ、僕達一位になれないよ!!」


(まじか・・・・何仕込んでんだよ学校側は・・・・!)


 苛立ちが込み上げてきたクロネスはガリッと奥歯を噛み締めた。



 一方、校長室では。


「はーはっはっはっはっ!!苦戦しておるようじゃの〜」


 全ての戦況の一部始終を見ていたラルネス。生徒たちの奮闘ぶりに大いに喜んでいるようで、高笑いを響かせていた。


「はぁー・・・・校長、相変わらず鬼畜ですね。ほんとうに訓練させる気あるんですか」


 額に手を当て、疲れたような表情を見せる。


「いいじゃないか、いいじゃないか!!」


「・・・・にしても、【巨対神の六手(レディエト・ゴーレム)】を出すなんて前代未聞ですよ!? いままで一度もなかったじゃないですか!! なんで今回に限って・・・・生徒たちにどんな不評をかうことか・・・・」


 顔色がどんどんと悪くなってくる。少しでも力を抜こうもんならすぐに倒れそうな程に。


 視界が歪んだような気がする。


 ラルネスはふぅーと一息つくと、二つのモニターを睨みつけた。それはとても鋭く、脅威だった。


「・・・・さて、どんな力を見せてくれるのかのー」





読んで頂きありがございます!!

不定期ですがどうか、よろしくお願いします!!

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