第7話 THE STRONGEST BIG BROTHER
私は、尼花駅周辺を1時間ほどウロウロしていた。
とは言え、まだ朝であるため、駅直結のペデストリアンデッキをただ往復していただけだった。
そして、入り口からある少年が出てきた。彼は私より年上かもしれない。
そして、彼の顔をよく見ると、さっきであった空音という人と顔が少し似ているかもしれない。
「新入生か?30分前やから、開場の時間やで」
その声が降ってきた。
彼の左腕には幅広のブレスレットが巻かれていた。
これは、異能を使う時に発動する補助装置であり、そして彼が付けていたのは普及型よりも大幅に薄型化されて、動きやすいように設定されたものである。
私の記憶では基本的には隊でそれを常時携行が認められるのは、隊の中でも上の位のものである。
「遅れたけど、僕は第八部隊の第三位である、風本秀空と言います。よろしくな。」
彼・・・もとい秀空さんは最後に笑顔を返された。彼は美少年らしいルックスを持っているため、あまり男には惹かれない私も思わず顔を顰めそうになった。これだからイケメンは・・・
しかし、それ以上に驚いたのは、彼の名前だった。
(四大属性用語付きの苗字・・・しかも「風本」・・・?ということはかなりこの子は位が高いの・・・?)
能力者は遺伝的素質も大きく左右されるもの・・・というものは私は6年間のニュースの知識もあり、知っていた。
そして、高い能力者を持っている一族は、慣例的に異能力に因んだ苗字が送られる。
その中でも一番位が高いのは「火」「風」「氷」「雷」のこの世界における四大属性である。
その一角である「風本家」は、風を操るのに長けた、風使いの一族であり、おそらく、少年はその風本家の直系の血を引いている、将来的に出世することが確実視されるエリート中のエリートというわけになる。
そんな、少年だが位が高そうな一族とは思えないほどのフランクな性格である。
「君が、潮見麗はんか・・・?第八部隊の間ではあなたの噂で持ちきりやで」
英空さんは何故か私を褒めてくれた。
「いや・・・私そこまで異能はそこまで強くはないので・・・」
私は思わず謙虚になってしまった。
しかし、英空さんは親しみを込めたポジティブなイメージしか表情を見ても伝わってこなかった。
「筆記試験で、文系理系ともに100点満点で、特に小論文も満点だったのは、君と僕の妹ぐらいやったは。僕、小論文には自信はある方やけども、僕でも満点は取れへんよ。」
しかし、さっき英空さんの口から「妹」というさっきあった少女の名前を口に開いていた。
そのため、私はさっき聞いた会話を思い出した。
「あの・・・英空さんの妹さんの名前は空音ですか?」
私は、英空にある疑問を聞いてみた。
ちなみに、私は既に精神年齢上は三十路を過ぎているため、これから会う人にはかなり精神年齢がかけ離れていると思うので、これからは意識してさん付けをしないといけないと思っていた。
「え・・・なんでそんなことを知って・・・?」
「私、さっきそのような名前の人と会ってしまったのです。でもまさかこんな家系だったとは・・・ご無礼申し訳ございません。」
しかし、英空は笑っていた。
「ええよ、ええよ。僕の家やって、別にそういうことは気にしないタイプやから・・・さあ、入って、入って入隊式を楽しんで。」
「はい、ありがとうございました。」
こうして私は入り口に入って、英空と別れた。
今日から私の異世界ライフの大きな第一歩が始まるのだった。
To be continued.




