9. 中学1年 1月 病院後面談
整形外科に行き、前回の血液検査の結果を聞いた。
医師に
「お母さんか誰かと来てる?」
と聞かれ、母と来たというと、看護師さんに母を呼ぶように指示した。
母が診察室に入ると医師は
「血液検査の結果が、ちょっとギリギリで、微妙なところなんです」
と言い検査表を見せた。
「膠原病かも。違うかもしれないけど、ウチだと、ちょっとこれ以上詳しい検査ができないので、ミナツキ大学病院の小児外科に紹介状書くので行ってきてもらえます?」
と言った。
コウゲンビョウ?
なんかわからないけど、やばいのかな。
でも、学校休める正当な理由にならないかと思っちゃったけど、そんな考えよくない。よくないことが起こるかも。
あ、魔法使いだから平気じゃん。魔法使いも病気するんだよ。
“ラチサ”
言葉が浮かんだ。なんだ? もしかして呪文?
“ラチサ”
学校休める呪文だったりして…
診察室から出ると、父が待合室にいた。来るのはわかってたけど、早退してきたのかな。
スマホを見てて、母に声をかけられてびっくりしちゃってんの。
「驚かせんなよ」
だって。
絵に描いたように、体を”ガタつかせて“驚くので、近くの人が何人かチラチラ見てた。
恥ずかしい。こういうところもある。何かに集中してると気づかない。今みたいに、大袈裟に驚き、こっちのせいにする。
予約だったけど、急患が入ったとかで、1時間くらい待たされ、面談に遅れたらどうしようと言っていたけど、大丈夫だった。
父もいたので、大塚先生は意外だったみたい
やはり、”男親“ってやつ?
最初、わたし達と大塚先生と学年主任の白石先生で挨拶というか自己紹介みたいなことやって、父と母は白石先生と別室に言った。わたしは大塚先生とそのまま会議室で話した。
「誰かにいじめられた?」
ストレートだ。
いじめられたと言ったら、いじめなんだろうけど、多分向こうはからかってるだけかもね。
「三保さんや羽田さんが心配してたよ」
2人ともオタク仲間。同じ小学校で三保ちゃんとは同じクラスで、羽ちゃんは漫画クラブで一緒だった。三保ちゃんももちろん漫画クラブ。中学でも同じ美術。美術部はほぼほぼオタクばっかり。
2人の名前を出されて、ちょっとジーンとしてしまった。泣きそう。
「みんなには、風邪をこじらせちゃって長引いてるって言ってあるからね」
わたしが黙ってるから先生ひとりでしゃべってる。
頭ではあれも言おうこれも言おうって思ったけど、すっかり忘れて頭の中真っ白ってやつ。
魔法使いなのにね。




