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ラチサ  作者: 藤ノスエ
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25/33

25. 中学2年 7月 夏休み前

 市内巡り以降、毎月の面談以外、登校していない。中間テストも受けなかったし、行事にも不参加。

 モモミもまったく来てなくて、面談も家庭訪問だとか。

 “俊爽”に行ってるらしいから、ちょっと様子でも聞いてみようかなとも思うけど、三保ちゃんたちがメールしても、既読もつかないとか…そうなったら、嫌だしできない。


 コースターを仕上げて、面談の時、持って行き、志賀先生に託した。

 猫と猫ジャラシをモチーフにしてみた。よくありがちだけど自分でもうまくいったなあーと思った。母も気に入ったみたいで、戻ってきたら飾ろうと言ってくれた。


 もう夏休みになっちゃうから、2学期から“爽涼”に行ってみようと思う。学校行かないのは楽だけど、やっぱりこのままというわけにはいかない。

 受験だってあるし…相変わらず、実感ないけど。母なんて、私立を何校か調べてる。

 小学校の時、同じクラスだった子のお兄さんが、部活ばっかりで部活やりに学校に行ってるようなものだったらしく、中3の1学期に、このままだと行ける高校ないと言われてしまった。ご両親はまさかそこまでとは思ってなかったらしく、大慌てで塾を探したが、あまりにもできなさすぎて、塾から断られ続けてしまったそうだ。

 受け入れてくれる塾が見つかり、部活引退後から通い始めて、なんとか私立高校にギリギリ滑り込めたとか。母はその話を聞いて

『ゾッとした』

と言っていた。

 そのお母さんは笑って話してたけど、高校に入学できたからよかったものの、けっこう大変だっただろうなと想像すると、他人事ではないと思ったようだ。

 その頃は、不登校になるなどと思ってなかっただろうけど、今になると現実味を帯びてくる。


 不登校になって、市の学外支援学級があると知る前は、民間のフリースクールを探していた。ムツキ市に何校かあって、小中学生を受け入れてくれる。

 フリースクールなら行けるかなと母は真剣に考えていた。

 というのは、これもわたしが小学生の時、上級生で民間のフリースクールに行っている人がいた。母は、委員会や子ども会などで、噂話として聞いていて、そのような施設がある事を知ったのだった。

 当然、民間なので、市の補助金はあるが、多少は利用料はかかる。学外支援学級は無料なので、安心したんじゃない? フリースクールに行った人は、ご両親が学校を(市?教育委員会?)を信用してなくて、民間を選んだとか。

 いや、それにしても噂話って、怖いね。


 まあ、それで、いろいろ調べてくれてる。

 母も父も他県の出身で、この辺の受験事情や高校もよく知らないので、そういった、委員会や子ども会や授業参観時のおしゃべりなんかで、情報を得ているのだ。

 塾は小4の頃、体験授業に参加した事あって、その時に、幼稚園で通ってた私立大学の附属中学を、このまま行けば絶対大丈夫と言われ、ちょっとその気になったことがある。

 今更だけど、もしそっちに行ってたらどうだったかな…でも、多かれ少なかれ同じようなことはありそう。ないってことはないよ。


 ルカンシシーにもありそう。今のところそういう場面に出くわしたことないけどね。

 いや、いや! 魔法使いの学園にあるはずないじゃん! そんなこと考えてたら、楽しくなくなっちゃうじゃん。ゲームだよ、ゲーム。

 魔法使いなんだよ! 魔法使いなんでしょ!

 あぁ、永遠に夏休みでいて欲しい…部活だけは行こうかな…7月だけしかないみたいだけど。


 小4の時の塾の体験授業の案内もご丁寧に毎月くる。行かないって! もったいないよ。はがき代、送料が。こっちはすぐ捨てちゃうんだよ。でも、今月来たのは、捨てずに置いてある。塾行くわけないけど、なんとなく…

 塾は市役所の近くなんだけど、誰か知ってる人が通ってるかもじゃん。聞いちゃダメかなぁ。曜日を変えたりできるのかな。会わないようにしてくれるとか…聞いてもらおうかな。

 とりあえず…なにになりたいかとか、ないけど。このままじゃよくないとは思う。

 モモミはどう思ってるんだろう。聞いてみたいけど…避けられてるかもだしなぁ。

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