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ラチサ  作者: 藤ノスエ
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24/33

24. 中学2年 6月-2 カフェにて

 ランチ兼話し合いで、すっかりカフェに居座ってしまったが、他に別のクラスの2グループがいるだけで、貸し切り状態だった。

 図書館の利用者のおじいさんとかはお茶したりしないのかな? と思ったら、外テラスがあって、皆さんそちらにおられた! 規則正しく間隔をあけて座っていて、暗黙の了解でそうしてるかのようだ。オレのテーブルだよ、とか言ってそう。


 わたしが暴言吐かれた時の話しになった。

「あれ、山田だったんだよね」

と小俣が言った。

 秋田グループの子だ。そうじゃないかと思ってたけどね。

 翌日の朝のホームルームで、先生がわたしの不登校のことを話した。

 『クラスメイトのいじりがあったりしたことと、大したことはなかったんだけど、ちょっと病気で静養したりが重なっちゃって、行きづらくなっちゃったのね。同じクラスだった人は大塚先生から聞いてたと思うけど?』

 『だけど、2年生になって、クラス替えもあったし、心機一転、頑張って来てくれて、先生も本当によかったなって思ったのね。でもね、やっぱりすっごく勇気がいって、すっごく緊張してたと思うのね。みんなだって、そんな経験あるでしょ?友だちとけんかしちゃったとか部活で怒られちゃったとか、いろいろあるよね。先生だってあるよ。だから、そういう気持ちを理解して察することができるといいと思うし、いじわるなことも言わないと思う。言えないよね』

 その辺りから、誰かが鼻をすすってる音がしてたとか。

 『ちょっとからかってみたとか、なんか気に入らないとか、そんな理由だったとしたら、そこで考えてみて欲しいな。自分が人からされて嫌だったこと思い出してみてよ。この後に及んで、まさかわたしは人と違って特別なんです、何やってもいいんですなんて思ってないでしょう?』

 そこまで言うと、山田がメソメソし出して、机に突っ伏してしまった。

 先生が何かフォローするかなと思ってたら、見て見ぬふりなのか、気づいていないのか

『そういうことしてると、いづれ自分に返ってくるからね』

というような事を言った。

 山田のことはお見通しってことなんだ。志賀先生ちょっと怖いなぁと思っちゃったけど、山田に同情してるわけじゃない。

 山田は保健室に行ってしまい、皆、戻ってこないかもと思ってたようだが、何事もなかったかのように2校時には戻ってきた。でも、その日はほとんど口を開かず、部活(バスケ)も休んだとか。

 翌日はいつもと変わらない様子で、廊下で秋田グループできゃいきゃい騒いでいたそうだ。


 「でもさぁ、山田ってなんで秋田さんたちといるんだろうね」

と下川が言った。

 山田も同じ小学校だったが、秋田みたいな、いわゆるヒエラルキー高いグループじゃなかった。かと言って、わたしみたいなオタクチームでもなく、中間層?

 「秋田さんもアレだけど」

アレって言うのは女王様みたいなこと。

「まあ、お勉強もできるし?まあ可愛いし?他の子もキレイ系が多いじゃん。椎名さんとかさ」

「椎名さん、キレイだよね。お口は汚いけど」

と飯野が言った。椎名は口が悪い。男子並み。

 秋田と椎名ともう1人の外山はカンナ小。他にわたし達と同じ小学校だった友永と安東。

 この5人は、いわゆる勉強もスポーツも習い事も凄いってヤツらです。で、もう1人の山田。こいつらが秋田グループだ(秋田グループと言っているのはわたしだけです)。


 下川が言う“なんで山田が…”と言うのは、山田が可愛いかキレイかは、人それぞれ見方が違うから、なんとも言えないけど、お勉強ができるかと言ったら…? わたしも人のこと言えないけど…わたしよりかは…

 秋田や椎名が仲良くなるような子じゃない。

小学校で友永と安東とも仲良かったという感じでもない。

「秋田さんたちも迷惑してるって感じでもないけどね」

「引き立て役とか?」

「って言うか、眼中になさそう。一緒にいるけど、勝手にどうぞって感じ」

と飯野が言うと

「秋田さんって山田のこと見てないよ、話してる時。目線合わせないって感じがする。でも、他の子にはそうじゃないの。だって、私とだって、ちゃんとこっち見てたもん」

と加島っちが言った。よく見てるな。

 加島っちは昨年度委員会が同じで何回かいっしょに活動したことがある。カンナ小の子に“top of the top”だと言われてたから、すごく緊張してたけど、案外普通の子だと思ったとか。

 「だけど、仲間といると“アレ”なんだよ。そういう時って、話しかけづらいって言うかね」

そういうのわかる。

 仲良しグループだと、気が大きくなって強いけど、1人1人だと実は普通なんだよね。休日にコミックス借りにきた子とかもそうだった。

 そういうところに、いじめとかの根幹がありそう。

 1年の時のちょっとしたからかいやいじりって、まあだいたい秋田グループだったけど、中間層、第2勢力って感じのグループもあった。

第2勢力は、目立つ子たちじゃないけど、一応秋田グループを立てていて反応を見つつ、下層(?)同級生たちをいじるって感じだったかも。

2つのグループは仲良しって感じじゃない。


 そいつら全員果てしない荒野にバラバラに置き去りにしてやればいいのにな、と清々しい外の風景を見ながら思った。

魔法世界ならできそう。あ、でも、あっちが超魔法使いだったりして…いやいや、魔法使いはわたしなんだって。

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