18. 中学1年 3月 1年の終わり
学級新聞2月号を適当に終わらせた。
スーパーボウルの結果を書いて、解説者の言葉をお借りして書いといた。
あとはカンタンスイーツレシピ。1学期にも冷たいスイーツレシピ書いたら、三保ちゃんたちだけど、作ってみてくれて、すごく美味しかったって言ってくれたから。
レシピは母に教えてもらった。夏のときは水羊羹風。今回は抹茶ういろう。
3月号は修了式前にくばりたいとかで、それまでに考えなきゃ。なにしよう…想像できないな。
もう、三保ちゃんや羽ちゃんに向かって書くみたいでいいやと思う。
三神先生じゃない、三神のこと書こうかな。
神話のこと。でも、先月の古代史がらみのこと書いたしなぁ。
ゲームのこと? オタク全開って思われちゃうのもな。
修了式頃だから、それっぽいこと? 不登校のヤツがなに言ってんだってなるよね。
1年間で印象に残ってること。
映画鑑賞会や体育祭や合唱祭はぜっんぜん楽しくなかったし、やる意味あるのって感じ。
体育祭で美術部で立て看板作ったりは楽しかったけど…
美術部といえば、夏にムツキ市の緑化公園にスケッチしに行ったこととか?
とにかく暑かったってだけで、スケッチを元に作品制作なんてなかったし、敷地内にある美術館に入って、常設展見ながら、涼んでたな…売店でアイス買ったりして。
なんか美術に関することとか? オタクの集まりじゃないよって。
どうかなぁ。みんなが知らないような画家や造形作家の紹介。
例えば、誰かな。美術の教科書を見たけど、教科書はみんな持ってるから、知ってるはずだけどね。
国語や理科の教科書も見た。教科書のイラスト描く人もいるしね。理科なんて植物や昆虫も写実的ですごくきれい。
社会の資料集も見てたら、パッと目が止まった。文明開化を題材にした滑稽本で、西洋に影響されていく食文化を描いたものだ。牛鍋を食べる男が描かれた挿し絵があり、何度か見たことあるような気がする。
そういえば、美術館で見たかも。展覧会のフライヤーがたくさん置いてあって、その中のひとつだったと思う。気になるものをいくつかもらったきて、家に帰ってから調べたんだ。
そしたら母が画集持ってたんだ!(実家にある)うちの母って何者?って感じだけど、多趣味なんだよね。
捨てちゃったかなぁと思いつつ、探したらあった! スケッチブックに挟まってた! ムツキ市美術館ではなく他の美術館だったけど、河鍋暁斎の展覧会のものだった。河鍋暁斎。いいよーっ!
ばあば(母方の祖母)に頼んで、画集を送ってもらうのも時間かかりそうだし、悪いよねぇと言ったら、文庫本サイズのを持ってた‼︎ リビングの本棚にあった! 全然知らなかったよーっ!
河鍋暁斎は江戸時代末に生まれ、浮世絵や狩野派を学んだ日本画家で、戯画、風刺画家(今で言ったら、ユニークで皮肉や洒落たっぷりなイラストレーターって感じ?)だ。
社会の資料集の文明開化の項目にあった“アングラ鍋”の挿し絵と、文庫本に載ってた戯画を紹介した。
どんな反応になるかなんて、もういいや。春休みになっちゃうし。
大塚先生が修了式後に、わたしの私物がロッカーや机にあったので、取りに来て欲しいと言われた。もちろん母に行ってもらったけど。
大塚先生は、旦那さんのお母さんの介護で退職することになった。
母が施設などに入られないのかと聞いたら、ずっと子どもたちを面倒見てくれて、文句一つも言わずに、教師として働くことを応援してくれていたそうだ。恩返ししないとと思ってと言っていったそうだ。遅刻や欠勤が多かったのもそのせいだったらしい。
いいお義母さんだったんだね、と母は言っていた。祖母のこと思い出したかな。
療養型病院にいた祖母は、転院後、2ヶ月で亡くなってしまった。一周忌やったばかりだ。
祖母は認知症がひどくなってしまって、手に負えず、医師やケアマネジャーが介護施設への入所を勧めた経緯がある。
大塚先生のお義母さんは、頭はハッキリしているが体力的に限界みたい。
それぞれだけど、いろいろあるよね。
最後に会いたかったです、と言われたそうだが、毎週会ってたから、もういいよって感じ。だけど、そんな状況でも来てくれてたんだなぁとは思う。




