15. 中学1年 2月 迷惑
大塚先生から改めて苦手な子のこと聞かれた。クラス替えの参考にしたいとか。かと言って必ず別になるとは限らない。
だいたいわかってるじゃん。この前だった言ったし。でも、確証が欲しいのかなぁ
“秋田さんたち”
と言っといた。
1年2組のヒエラルキートップの子たち。先生は大きくうなずき、メモも取らない。
先生が帰り際、母に秋田さんの話をした。母は秋田さんのことは知ってたから、ノンちゃんのことをわたしに聞いた(面談は1対1だけど、先生の出迎え、見送りに母は出てくる)
「いいよ、別に」
と答えた。だって不登校してるんだから、会わないしね。
ノンちゃんが希だとわかると先生は、はあぁと苦笑。
中学になってもなんだかんだあった。部活の先輩をバカにして、とっちめられたとか、友だちの彼氏を取ったとか…
相性が悪くって、と母が言うと、
「たくさんいますねぇ」
と言った。
わたしが、嫌な人がたくさんいるってこと?
でも、わたしは秋田さんたちのことしか言ってないから、たくさんて感じじゃない。ノンちゃんと同じになっても、こっちは不登校だしね。
ノンちゃんを嫌だって言ってる人ってことか。
ノンちゃんに限らず、同じクラスになったら嫌だな、と思うことはあったけど、学校に言おうと考えたことがなかった。不登校になったから、聞かれたんだなと思っただけ。わたしのことも嫌だなと思ってる人いるよね、きっと。
そう思った理由もある。三保ちゃんのことだ。
三保ちゃんが毎日電話をかけてきて、明日の予定を連絡してくれる。わたしは電話に出ることはない。母にお願いしちゃってる。
ほとんどが特に変更ありませんなんだけど、たまには、持ち物のことや提出物のことなんかがある。
母は三保ちゃんに心配かけてることを謝り、電話の礼を言った。そして、ずっと欠席してしまうだろうから、毎日電話をしなくていいよと言った。
三保ちゃんは先生に頼まれてるからと言ったそうだが、先生にはおばさんから伝えておくからいいよ、先生が何か言ったら、おばさんがいいって言ってたと言ってねとも。三保ちゃんに悪いようにはしないよってことだよね。
母は三保ちゃんが電話をくれるようになった時に、よくないと思ったらしい。最初、メールでいいよと言ったら、家に電話をかけるように言われたと言った。
時には10時くらいになることもあった。うっかり忘れちゃったのか、かけなきゃかけなきゃと思いつつかけづらいのかわからない。
こんなことでストレスになったり、わたしのことを嫌に思ったりすることがよくない。わたしが嫌われるのが可哀想なんじゃない。三保ちゃんの心が心配になったのだ。三保ちゃんが自身の態度で悩んだりして欲しくない。
母は先生に言って、三保ちゃんの電話をやめてもらった。先生は友だちと繋がってた方がいいと思っていたが、三保ちゃんのことまで考えていなかったと、謝られたそうだ。
特別に重要なお知らせのみ、先生から連絡することになったが、もともと週一で面談してるから、連絡はほとんどなかった。
三保ちゃんに限らず、羽ちゃんや他の誰とも連絡取ってない。メールもこないし、わたしからするのもどうかなぁ。話すこともないしね。
そんな話をしてたら
「腫れものに触られてる感じ?」
と母が言った。
わたしが不登校になったと言うことは皆わかってる。病気療養中なんて口実だってことぐらい。先生に聞く人だっているかもね。
「眞悠ちゃんがこうなって、一度でも接触、話したことあるような子は、皆、自分のせいかと思ってるんじゃないかな?堀くんや秋田さんたちは自覚があるだろうし、仲良しの子だって
『わたしなんかしちゃったかな』
『あの時、何話したっけ?』
友だちやクラスの子だけじゃないよ。先生方だってそうだと思うよ。
『わたしが原因だったらどうしよう』
とかね」
と言い
「いい気味?」
と笑った。
確かにそうだけど、素直に笑えない。
逆にわたしに対して、不登校になんてなっちゃって、こっちがいい迷惑だと思う人もいるよ。わたしは悪くなーいって人。




