12. 中学1年 2月 学級新聞
大塚先生は毎週水曜日の夕方6時に家庭訪問にきた。
月曜日になると憂鬱でこれには結構まいった。終われば光り輝く週末を過ごせた。
1週間分の手紙類や授業で配られたプリントなどを持ってきてくれて、前みたいに、母が取りに行くのはなくなった。
あと、休んでいいって決めたのに、毎朝欠席の連絡をするようにも言われた。もちろん母がするんだけど、何? 拷問? 母に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。母は淡々とやっていて、教頭先生だったとか、◯◯先生だったとか、今日は大塚先生いたよとか、いちいち言ってくる。それも拷問? 嫌がらせかよ。
でも、まあ、決まりなんでしょう? 不登校の生徒と定期的に面談するとかさ。学校に行かなくていいんだから、それくらいは仕方ないかなぁ。
わたしはクラスの新聞係りだったので、引き続き新聞を制作するように言われた。新聞は大体月1回で、印刷してクラス全員に配る。
幸い(?)新聞に関して、嫌な思いをしたことがない。オタクにならないように、意識してたしね。
これまでは、行事や給食のメニューのことや、羽ちゃんにイラストを描いてもらったりした。
学校やクラスの事もわからないのに、なんでよ。
「あなたの好きなこと書いていいわよ。好きな本とかゲームとか。クラスのみんなに手紙書くみたいでいいわよ」
って、なんであんなやつら(全員じゃないけど)手紙書かなきゃいけないのさ。
A4の用紙を結構の量渡され、足りなくなったら言ってね、だって。
でも、ちょっとウズウズした。魔法使いのこと書きたい。何書こうかな〜。
新聞は“セカンドタイムズ”というタイトル。
1年2組だから。
何書こうかな〜。今の1月の季節感を何かねぇ。今までなに書いてたかな。
これまでのを改めて見直してみた。5、6、7、9、10、11、12月の8枚。
季節感なんて全然なかった。12月にクリスマスツリーのことを書いてた。つい1ヶ月前なのに全然覚えてなかった。もう2月だけど1月号からって言われたから、すぐ作らなきゃ…
なにがいいかなぁ。
まさか“不登校とは”なんて書けないしね。
病気だったかも。も、よくないし…秘密にしてるけど、実は病気を隠してる、な〜んて人もいるかもだしね。
猫のこと書こうかな。今まで書いたことないし、あとは何かねぇ。
三保ちゃんに宿泊学習のこと聞いてみようかな。羽ちゃんちも猫いたな。
猫のララのことを書き出してみた。ララは男の子。弟みたいなもの。ララなんて女の子みたいな名前だけど、小さい頃は本当に可愛いらしくて、鳴き声が小鳥のようにさえずってるみたいだった。
「可愛い〜」
写真をスクロールしながら見てた。
あ、でもウチの猫のことなんか面白くもなくない? どうせバカじゃないのとか言いそう。猫なら一般的なのがいいかな。猫苦手な人もいるよね。
あー、なんでこんなのやんなきゃいけないのさ。わたしがいないんだから、他の誰かにやらせりゃいいじゃん。そうだよ、なんなんだよ、もう、なに考えてんだよ、先生。
わたしからじゃ想像できないようなものとか?
ひとつあるけど、それはダメ。魔法使いだってことも書きたい〜けど、やっぱり、オタクの妄想もここまできたかと思われそう。
「ラチサ」
呟いてみる。




