後編
最終話です。
「セレスティア、倒せるの?」
「忘れかけてたけど…私、そもそもレベル万は優に
超えてたわ。」
「あっ!そういえばそうだね!フェンリルのレベルは1000。全然余裕で勝てるじゃん!」
(…でも、なんでここにフェンリルが?そもそも
フェンリルなんて伝説じゃん。…そもそも、倒して
いいの?)
「……テイム、できるかな。」
「は!?フェンリルだよ!?テイムって、モンスター
を手懐けるんでしょ!?相手に実力を認めさせないといけない…って、確かにテイムできる条件満たし
てるね!?」
2人は首をかしげる。
「きゃー!!!助けて!」
「…考えてる場合じゃ、ないな。」
セレスティアはフェンリルに向かって走っていき…
「はあぁ!」
フェンリルの首を叩いた。
バタンッ
「とりあえず気絶させといたけど、これも時間稼ぎ
にしかならない。これからどうしたら…。」
「う…うわーん!!」
その泣き声によりセレスティアは隣にフェンリルに
襲われていた女の子がいたことを思い出した。
「あっ忘れてた!ごめんね、大丈夫!?」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「えっなんで謝るの!?何も悪い事してない
じゃん!」
「私が…私がフェンリルを出したから…」
「え?それ、どういう…」
「ギャルルルル!!!」
気絶していたフェンリルが、目覚めたのだ。
フェンリルが2人に襲いかかる。
スキルは間に合わない。逃げる隙もない。
「氷の拘束!」
…エルサが咄嗟に魔法を使い、なんとか2人は
助かった。
「エルサ!ありがとう!」
「どーいたしまして。さ、やっちゃって!」
…それからは一方的だった。
セレスティアがフェンリルを殴りに殴って、この戦い
はセレスティアの圧勝だった。
気がつくと、セレスティアの足元に魔法陣が浮かび
上がり、光の粒子となって消えた。
「……やった!エルサ、テイムできたっぽい!」
「よかったねセレスティア!」
「おねーさんすごーい!」
「はっ、またしても忘れてた!…君、さっき何か
言ってたよね?あれ、なんなの?」
セレスティアの問いに女の子は、ゆっくりその答えを話し始めた。
「私ね、私ね、私のスキル、【おとぎ話の真実】
なの。おとぎ話に出てくるものなんでも実体化
できるスキルなの。私が、フェンリルを実体化
させちゃった…」
セレスティアもエルサも、目をこれでもかとばかりに
開いた。
しばらくの沈黙の中、最初に口を開いたのは
セレスティアだった。
「……なにそれ、すごーい!!」
「…え?怖くないの?」
「うん!だって私、世界一レベルが高いもん!いざ
となったらどうにかなるでしょ!」
「ちょっと…セレスティア…。」
キラキラしたオーラを放っているセレスティアと
女の子に、エルサは遠慮がちに声をかけた。
「え?何?」
「ほら、私一応ギルド行ってくるね。」
「なんで?」
「いやいやなんでって…フェンリルとか色々さ。」
「あーそっか!じゃ、私この子に付き添っとく。」
この件は一瞬で世界中に広まった。 …どうなった
かって?言わずともわかるかもしれないけど…
セレスティアの名がさらに広まり、セレスティアの
望むのんびりライフはさらに遠ざかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うわ〜、世間はおとぎ話のフェンリルをテイム
した少女セレスティアのスクープばっか。」
「ほんとだよエルサ…。私はのんびりしたいだけ
なのに…。」
「自分からフェンリルテイムしておいてそれ…。」
「う、あきれた?」
「あきれた自分もいるし、この非日常を楽しんでる
自分もいるね。」
「なにそれ!」
フェンリルをテイムしてから、セレスティアはさらに
有名になって、すれ違う通行人に声をかけられる
以外は、特に何もなくいつも通り過ごしていた。
…ただ、みんなを助けたと言えば助けたが、
フェンリルを従えさらに強くなったセレスティアを、
みんなはさらに怯えるなんてこともあった。
…けど、
「…うん。確かに、のんびりしたい自分とこの
非日常を楽しんでる自分がいるね。みんなに怯え
られるのも生活の一部って感じがしてきた。」
セレスティアは、悲しいような楽しんでるような笑み
を浮かべた。
ふと外を見てみたら、遠くにあの時の女の子が
いた。
こっちが手を振ると、女の子も手を振ってくれた。
「…うーん、この毎日が楽しいか楽しくないかで
言うと、楽しいかな。」
「なんで?」
「だって、出会いがあるじゃん?」
セレスティアは、今度は満面の笑顔を浮かべた。
「それ、いいね。」
2人の間には、外でもないのに、花信風が吹き抜け
た気がした。
えーっと…なんでこんなとんでもスキルを持っている女の子が国とかに管理されてないのかとかそういう
ツッコミは無しで…ファンタジーだから多少の矛盾点はスルーしといてください(=^・ω・^ =)(汗)




