ルーマの強さ その1
小鳥のさえずりが聴こえる。とんでもない夢を見た。俺がルーマさんとパーティーを組む約束をした夢だ。
コンコンとドアを叩く音が聞こえる。
「ビャクヤ~、先食堂行ってるから早く来てね~。」
……夢じゃなかった。夢じゃなかったと分かっても夢だと思いたい。このtheぼっちの称号(自称)をもつ俺に同い年の女子と一緒にパーティーを組むとか、マジで辛い。まぁ、こうなった成り行きを説明しよう。
ギルドマスターの話が終わった後、どこで待ち合わせをするか決めようと思い声を掛けたんだが。
「何言ってるの?一緒の宿に泊まるよ。だから宿はどこ?」
なんて言ってきた。当然断る勇気がない俺は宿に案内して、今に至るって誰に説明してるんだよ俺。ぼっちスキル上がり過ぎたろ。
とりあえず、食堂に行くか。
食堂に行くと既にルーマさんが見当たらない。
「ビャクヤ~、こっちこっち。」
その声に反応して、ルーマさんの方を振りかえると、既にルーマさんは呼んで満足したのか食事を始めている。代わりに男どもから殺気が向けられる。止めてくれ、俺はモテない男子代表に推薦されてもおかしくないくらいモテないのだよ。
席についてルーマさんと同じ料理を頼む。
「ルーマさん今日はどうするの?」
「ビャクヤ~、ルーマさんのさんはいらないよ。」
「いや…でも…」
「さんはいらない分かった?」
表情は変えないのに目が笑ってない。
「分かったよ。ルーマ…これでいいよな。」
「うんうん。それで今日どうするのって話しだけどお互いの力がわかってないから簡単なオークとかを倒そうと思うの。」
「分かった。その前にパーティーってどうやって組むの?」
「パーティー組むのは初めて?ちょっと待ってね。」
少し待つといきなりステータス画面が表れる。
「今ステータス画面でたでしょ。そこの右上にパーティー申請があるから承諾するとパーティーが組めるよ。」
「ありがとう。」
パーティーを承諾して改めて挨拶をする。
「俺は知ってのとうり、ビャクヤだが、これから頼む。」
「うん。私はルーマ改めてよろしくね。」
そう言って握手をする。……手を離すタイミングがわからねぇ。気まずい。ルーマを見るとルーマもどうしたらいいか分からずオロオロしている。どうしたらいいかわからないでいると頼んだ料理が運ばれてくる。
グッドタイミ~ング。料理を受けとるために手を離す。やっと手を離せた。
運ばれてきた料理はパンとスープだ。毎日これだと思うと米が恋しくなる。
「いただきます。」
「ビャクヤ、何してるの?」
「故郷の伝統で作ってくれた人に感謝を表しているんだ。」
「ふぅーん。そうなんだ。」
料理を食べ終え、オークの森に向かってるまでの間に聞きたいことを聞く。
「ルーマ、どうしたら上位スキルって手に入れるんだ?」
「上位スキル?上位スキルは元になる下位のスキルをたくさん使うことで、上位スキルになるよ。」
それを聞いて片っ端から鑑定をする。<鑑定> <鑑定> <鑑定> <鑑定> <鑑定> <鑑定> <鑑定> <鑑定> <鑑定>頭が痛くなってきた。情報量が多すぎる。しかも全然上がらない。
「ルーマ、上位スキルに上げるにはだいたい何年くらい必要なんだ?」
「だいたい20年くらいだと思うよ。」
20年……うん、めげずに頑張ろう。
おっ、気配察知に反応あり。
「ルーマ、50m先にモンスターが2体いる。」
「分かった。」
ブモォォォ!!向かった先では、オークがいた。
「ルーマ、俺が右を殺るから、左をよろしく。」
「うん。」
そう指示した瞬間左のオークに向かっていた。右のオークを相手にしながら、ルーマの方を見る。
……レイピアが見えない。実際は、あるはずだけど、動きが早過ぎて何をしているか、分からない。ほんの数秒でオークの体を無数の穴が開き、オークが倒れる。
次は俺の番だ。<身体強化>をして、隙をうかがう。オークが耐えかねて大きく殴ってくる。大きな隙ができ、殴ってくる腕の下に入り込みすれ違いざまに2回転をして横腹を斬りつける。
倒れたオークを回収する。
「やっぱりオークじゃ相手にならなかったね。だから私と手合わせしない?」
「手合わせ?」
「そう。はじめからそうしとけば良かったね。」
そう言って、ルーマは剣を抜く。




