オリーブちゃんは無敵
コポコポ……という心地よいお茶を注ぐ音。
「はい、どうぞ」ときれいなティーカップ。紅茶もマダム手作りのアップルパイもおいしい。
窓辺にはオリーブちゃん。…かわいい。
道を尋ねられたのをきっかけに、マダムと友達になりました。
新しい街でお友達が増えるのはうれしい。
時々、パンを買いに来てくれたりしていたけど、今日は紹介したい子がいるとのことで、お茶のお誘いをうけて、ぐりちゃんと遊びにきている。
おみやげに、マダムお気に入りのメロンパンと採集してきたラピアケの実。
街の中心からちょっと離れた高級住宅街にある集合住宅。三階建ての建物の二階がマダムの家。
中庭があって、お花も緑もきれいに手入れされていて、とっても素敵。
お部屋も柔らかいクリーム色のトーンでやさしい。でも、ところどころに変わった置物が置いてあるのが、マダムの遊び心。
カラフルでデフォルメされた動物の置物がおもしろい。
こういうお部屋に住みたいな。わたしは離れを使っていて、おばさんの家の母屋にも部屋をもらっているが、離れは正直、なんにもない。整理整頓がめんどくさいからという理由なんだけどね。
こういう部屋を見るともう少しどうにかしようという気になるね。
紹介したい子って? と気になっていると、マダムはいたずらっぽく微笑みながら
「相棒ができたの」といい、わたしを窓際に誘う。
窓辺にはグリーンと小さなクッション、そしてケージ。
ケージには小さな緑色のトカゲちゃんがいた。
つるんとしていて、ぷにぷに。目がつぶらで口がわらってるみたい。
「かわいい!」と思わず、声を出すと
「かわいいでしょ。オリーブちゃんっていうの」
「オリーブちゃん。名前もかわいい!」
「ふふふ。相棒がいるのもいいなと思って。ヴェルディグアナ種なの。わたし、爬虫類好きなのよ。
この子、草食だし」
「あ〜、草食いいですね。 餌が虫とかだとわたしも嫌だな」
「でしょ。今は赤ちゃんだから手に乗るくらいだけど、半年くらいで倍以上になるのよ」
「大きくなるのが早い!」
「ね。孫も爬虫類好きで相談したら、大賛成。お世話できなかったら僕が飼うって」
「オリーブちゃん、人気者。かわいいって無敵っ」
「よかったらオリーブちゃん、触る?」といってもらえたので、オリーブちゃんを手のひらにのせてみる。かわいい〜。ぷにぷに。マシュマロみたい。かわいい〜。
草食で果物も食べる子らしい。
というわけで、二人と一羽と一匹でお茶をすることに。
おっと、ぐりちゃんは窓辺や棚をのぞいて、ひとり探検中。
楽しそうだ。
ぐりちゃんの探検も終わったところで、わたしのおみやげのラピアケもみんなで食べましょう。
オリーブちゃんもぐりちゃんも小さいから、一房をわけっこで大丈夫。
小さく切って口に近づけると、オリーブちゃんはもむっと口に入れた。気に入ってくれたみたい。
小さな舌がちろりと出る。……ほんと、かわいい。
オリーブちゃん、無敵だ。




