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ご飯会にはプロファイラーが常駐しています

イナゴ騒動も落ち着いて、受付のお姉さんたちとご飯会だ。

大皿料理が人気のお姉さんたちのおすすめのお店らしい。


「さっそくだけど、イナゴの駆除、お疲れ様でした」とねぎらってくれる。

やさしい。と思ったら、

「白目出し帽のおこじょと黒目出し帽の黒テン、しっかり二つ名ついたね〜」だって。

思わず、カヤと二人で「やめて〜」とハモる。


「いや〜、めちゃくちゃ周りはなごんだらしいよ。

二人ともほっぺたがぷくっとしてて、ガシガシ踏みつけてて」

「やめて〜」再びハモる。


「今度はルカくんにも二つ名つけないとね。やっぱり女の子の方が目立つからね」

「ルカくんは後処理まで参加したんでしょ」

「新人なのにすごいよ」

「ルカくん、応援してる」

「がんばります」

…なんだ、この会話と思ったのもつかの間だった。


「で、本題なんだけど、ガレンくんから預かった荷物は一体どういう流れ?」

「えーと、わたしがバテちゃって、ガレンが荷物預かるから身軽になって帰れって」

「なにそれ!すごいやさしくない?」

「ガレンくん、何者なの!?」

「うん、聖人かって思っちゃった」

「そうくる?」

「いやいや、そうじゃなくって」


お姉さんの言葉に続き、カヤが爆弾を投下した。


「ほんと、めちゃくちゃうらやましかった。

ヒュリ、虫大嫌いでしょ? 殲滅終わったあと、真っ青な顔でフリーズしてて、助けに行こうと思ったの。

そしたら、ガレンさんがさーっと空から天馬に乗ってきてさ。あ、降りたと思ったら、そのままヒュリのところに走っていって。帽子手にとって、おんぶして、座らせて、お水渡して。ヒュリが飲んでる間、ひざまずいてヒュリの顔みてたんだよ。王子さまかと思った」


「キャーーーー!」×4


一斉に上がった悲鳴に、すごい圧を感じる。

そして、全部本当のことだけど、なんかちょっと違う。違う。


「細かっ! 何ずっと見てたの!?」


「え〜、だってうらやましかったんだもん。

ヒュリ、落ち着いた顔になってさ、飴なめはじめたし。でも、正直、かわいかったわ。確かに。

わたしなんてさ〜、おっさんに ”大丈夫か?”って言われただけだよ?」


「なんか、ひどい!」あ、ルカくんと被った。


「そんで自分で馬車まで行ったしさ、ヒュリと扱いがぜんぜん違うんだもん。

そりゃ、うらやましいよ〜」


「あ〜、そりゃ、つらかった。がんばった! えらい!」

「次回は誰かに助けてほしいなぁ」


……今のわたしは瀕死です。


「だから、ルカくん、よろしくね」

「え、俺?」


「そうそう、ルカくん、頼んだよ!」

「カヤちゃん大事にしてあげてね〜」


なんか違う?

……いや、カヤの方が強そうだけど。


お姉さんたちがこちらに向き直る。

うわ、こっちきたー!


「ヒュリちゃん、跪かれるのってどんな感じ?」


……こわいよ、お姉さん。

想像するだけで、こわいです。


「ガレンは目線を合わせてくれただけで、他意はないかと思います」


……棒読みでした。はい。


一瞬、静かになった。


「……なるほどね」


こわいよー。

なにこの空気。こわい。


「今の情報、整理するね」


いや、しなくていい。


「まず、天馬で迎えに来て」

「おんぶして」

「座らせて」

「水飲ませて」

「ひざまずいて」

「荷物は?」

「……預かってくれました」

「はいアウト〜」

「アウトだね」

「え、なんで!?」

「だって普通さ、気になる子なら直接渡すでしょ」

「それを受付に預けるってことは」

「荷物は届けばいいってことだよね」

「つまり」


一斉にこちらを見る。


「ヒュリちゃんは妹ポジだね」


はい。もう、それでいいです。


「いやでも優しい子なのは確定だわ」

「うん、確実に優しい」

「だからさ」

「変な女に捕まらないでほしいよね」

「それな!」

「男ってあざとい女とか、計算する女に気が付かないんだよね〜」

「わかる〜!」

カヤまで参加してる。


「でも、ガレン、騙されないんじゃないかなぁ」

「甘い!」×5 で一喝された。

「ほんとにね、男ってわかんないのよ。あんなに分かりやすいのに、ホント不思議」

「バカじゃないかと思うわよね」

「ほんとほんと」


なんか、話の方向が変わってない?


ルカくんに、「そういうものなの?」と聞くと、こそっと「人によるんじゃない?」と返してきた。

そうだよね。


「はい、そこ、こそこそしない!」とビシッと指摘を受けた。


「ということで」

ぱん、と手を叩く音。


「ガレンくんを変な女から守る会、発足します」


パチパチパチ。ルカくんまで拍手してる。なぜだ。

そして、いつの間にか、王子さまから守られる立場になっていたガレンだった。


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