81: 疑惑
執事が手紙を持ってやって来た。
送り主は、新婚旅行で滞在したダンテさん。
「ロック、なんて書いてあるの?」
「なになに?……かすみ、一大事だぞ!」
「どうしたの?」
「マゼンタ国のオークションにかすみのポーションが出品されたみたいだ。金貨6000枚で落札されたって書いてある。」
「え?」
「誰かが横流ししてるって事だな!」
私がポーションを卸してるのはシフォンのギルド、騎士団、エラさん、メグ。
メグは、数を数えて持ち帰らせている。
ギルドはその場で使う約束をしている。
「騎士団かエラさんだけど……エラさんはそんな人じゃないよ!」
「騎士団だって、数の確認や在庫の扱いはキチンとしてるはずだろ?」
「あっ!」
「どうした?」
「この前エラさんの治癒院にお邪魔した時に1本足りないって言ってた!」
「盗まれたにしろ、他国でポーションの存在がバレたら下手したら良くて暴動、悪けりゃ戦争になるぜ?」
「どうしよう……」
「とりあえず陛下に謁見しよう。」
私達は身なりを整え、王城へ向かった。
陛下はすぐに会ってくれた。
「突然の訪問をお許しください。」
ロックが頭を下げる。
「何があったんだね?」
「実は何処からかポーションが盗まれ国外に流出して、存在を知られてしまいました。」
「それは本当か?」
「はい、知人からの手紙に書いてありました。」
「出処が知れるのは時間の問題だのう。」
「このままでは、治癒院は襲われかすみにも危害がおよびます!」
「さて、どうしたものか。」
2人はうーん、と考え込んでいる。
「先ずは出品者を調べるのはどうですか?」
「他国のオークションまで口は出せまい。やぶ蛇になっても困るしのう……」
「では、私からお願いがあります。盗まれたのはエラさんの治癒院です。バレずに盗めるのは1人だけ。騎士団のサミエルさんを尋問して下さい!」
「証拠はあるのかね?」
「ありません……」
「無いのなら難しいのう。」
「でもそれしか思いつきません!」
「かすみ、無理を言ってはいけないよ。」
「暫く様子を見ようじゃないか。」
「はい、陛下。」
私達は帰りにエラさんの所へ寄った。
事のあらましを伝える。
「サミーが、嘘……」
「まだ決まった訳じゃない。ただポーションの管理をしっかりしていてくれ。」
「わかりました……」
エラさん涙目になってた。
可哀想な事言っちゃったよね……
「ロック、これからどうなるんだろ?私怖い。」
「俺が守るさ。出かける時は1人で行くなよ?」
「うん……」
「またエラさんのポーションが無くなったら、犯人は決まりだな。」
エラさん、彼の事信じてただろうに……
犯人が彼ならエラさんはどうするつもりなのかな?
私だったら……許せない。
1度の裏切りも許せないし、もう愛せない。
最初から、ポーション目当てだったのかな?
頭がぐちゃぐちゃになりそう!
「ロックは私を裏切らないでね?」
「当たり前だろ!神に誓うよ。」
「ありがとう、ロック」
後味悪いなぁ……




