56: 晩餐会
先日王都から晩餐会の招待状が届いていた。
今日がその日。
王家主催では断れない。
憂鬱になる。
ロックも同じ感じ笑
「行かなきゃだめだよなぁ?」
「うん、やだけどね?」
顔を見合せてクスクス笑う。
「新調したドレスの出番だな!」
「ロックもね?」
昼までゆっくり過ごして念入りに支度していく。
治癒院はメグに任せておいたから安心。
まずはお風呂から。
メイド達が手馴れた手つきで髪を洗ってオイルマッサージをして行く。
あー気持ちいい♡
支度だけなら天国なんだけどなぁ…
別に悪い事してる訳じゃ無いのに憂鬱ってなんでだろ?笑
私もロックも庶民気質なんだろうな。
髪が乾くのを待ってコテで巻いていく。
イヤリングが目立つ様に髪を結って貰った。
髪も随分伸びたなぁ?
オイルを付けたせいで黒光りしてゴキブリみたい……
久しぶりのコルセット。
やっぱり苦しい……ギュッと力を入れて締め上げていく。
夕方前支度が終わった。
「ロックは楽でいいよねぇ?」
「綺麗だぜ!かすみ」
2人で馬車にのり王宮へ。
「いつものかすみも可愛いけど、着飾るとお姫様だな!」
「またまたぁ、上手いんだから。」
領地から王都までは馬車で15分くらい。
あっという間に着いてしまった。
腕を組んで城の中へ入る。
オーケストラが心地よい音を奏でている。
「陛下にご挨拶しなくちゃね!」
「家族も来てるはずだぞ?」
「見当たらないねぇ?」
陛下の元へ行くとお父様が陛下と笑いあっていた。
本当に仲が良いんだな……
「陛下、今宵はお招きに預かり恐悦至極に存じます。」
「ロック、堅苦しいのは抜きにしてくれ。」
陛下が笑う。
「陛下、お招きありがとうございます!」
「かすみはいつも元気だな、良い良い。」
挨拶を終え、家族と階下に向かう。
「かすみちゃん、元気にしてた?」
お母様が微笑んだ。
「はい、お陰様で!」
家族に囲まれていると安心するよね。
ジャンも蝶ネクタイが良く似合う。
程なくして晩餐会がスタートした。
私はファーストダンスをロックと踊り、続けてジャンと踊った。
領地を貰ったことを聞きつけたのかロックの周りが騒がしい。
私の元にはドレスを褒める人やロックとの仲を聞いてくるような人ばかり。
そこへ1人の太った男性が近づいて来た。
「君がポーションを作る者か?」
「はい、そうでございます。」
「私の領でも扱ってあげよう。」
は?何言ってるの?
「申し訳ございませんが、それは出来かねます。」
「なんだと!ワシが自ら使ってやると言っているんだぞ!これだから元平民は困る!良いから用意しなさい!無礼者が。」
辺りがザワザワして視線が痛い。
騒ぎを聞きつけたロックが急いでやってくる。
「聞き捨てなりませんね。私の妻になんの御用です?」
ロックの迫力にデブがたじろぐ。
「余り無理を言っては困ります!これ以上妻に無礼を働くなら私も黙ってはいませんよ!」
デブはぶつくさと文句を言いながら立ち去った。
「大丈夫か?かすみ」
「うん、ちょっとびっくりしたけどね?」
「かすみの力はもう知れ渡って居るからな。これからもこう言う輩は出てくるかもしれないな。」
「ロックが居れば大丈夫!」
「気分直しに風に当たるか?」
「うん!」
バルコニーに出るとそよそよと風が気持ちいい。
「ありがとう、ロック。」
「俺はかすみのナイトだからな笑」
そう言ってわははと笑った。
家族の元に戻るとロックが席を外す。
どこ行くんだろ?
帰り道に聞いてみたら、陛下に直談判したみたい。
私を脅かす存在が現れたら2人で王都を去るってね!
私の力が他国に移れば大損害だもん。
「やっぱり貴族きらぁーい!」
「俺も嫌い!」
あははは!




