55: ローザの街
新居で一緒に迎える朝。
幸せ……。
こんな日がずっと続けばいいね。
ロックを起こし朝食をたべる。
料理人達は明日から来る予定になっていたっけかな?
スラム街の人達の住居も大分出来上がった。
私は今日もポーションを作る。
これからはアンが来なくてもこちらから届けられるから便利になったね!
それはそうと治癒院作らなくちゃね?
自宅近くに物件を探す事にした。
歩いて5分程の所に病院跡地を見つけそこを使う事にする。
2号店だから、名前はそのまま四葉治癒院に。
考えるのが面倒とかじゃないからね?笑
中に入り掃除をしていく。
ずっと放置されていたのか、随分と汚れている。
綺麗になったら、中身は十分使えそう!
私は看板を作り店舗に掲げた。
ローザの住人は無料で診てあげようかなぁ?
主婦達の調味料作りも、もはや手馴れたもの。
売れ行きも上々で手が足りない位。
年寄り達も瓶詰めを手伝っている程だよ。
でも、何か楽しそうに仕事しているみたいに見える。
小鳩急便も始動し出して王都近辺や西側を担っている。
滑り出しは好調だね!
後は皆んなに頑張って貰うしかないよね。
子供用飴薬を作っていると扉が開く音がする。
急いで向かうと怪我をした冒険者が5人。
「ここは治療にいくらかかる?」
うめきながらガタイのいい男性が聞いてくる。
「ローザの住人ですか?」
「そうだ」
「なら、無料で診ましょう!」
怪我の1番酷い人からポーションを飲ませていく。
皆んなポカンとしている。
だって全回復だからね?
「傷は薬で治りますが失った血は戻りません、無理せず安静にして下さいね!」
「わかった!ありがとうよ!」
そう言って冒険者達は出ていった。
人の噂は早いもの。
ローザの住人は無料で診て貰えると言う話は直ぐに広がった。
午後からは行列が出来てしまった。
1人1人みあったポーションを与えていく。
嘘のような回復具合に皆んな驚きを隠せない。
私は看板に-急患は領主邸へ-と書き足した。
患者さんが笑顔で帰る姿はやっぱり嬉しい。
おじいちゃんこの力をありがとう!
私は治癒院でナプキンや生理用ショーツ、オムツ等も分ける事にした。
これで生活も少し改善されるといいけど。
ロックの納める街だもん!
王都で1番豊かな街にしてやるぞー!
突然下腹部がシクシク痛む……あぁ、また生理きちゃうんだな。
自分にヒールをかける。
何時になったら赤ちゃん出来るんだろ。
ロックを喜ばせてあげたいのに……。
妊娠って簡単なようで実際は凄い偶然の積み重なり。
少し気分が落ち込む。
患者さんも落ち着いたので家に帰る事にした。
今は早くロックの笑顔が見たい。
「おかえり!かすみ」
ロックが優しく微笑む。
「今月もだめだったよぉ…赤ちゃん」
ロックは優しく抱きしめ頭を撫でる。
「大丈夫!まだ夫婦で仲良くしなさいって事なんだよ。」
「うわぁぁん……」
泣き疲れてロックの膝の上で寝てしまった。
目を覚ますとまだロックは私を抱きしめていてくれた。
優しいロック……
「ごめんね……泣いたりして。夕食作ってくる!」
「いいさ!美味いの期待してるぜ!」
「任せて!」
お醤油が出来たので今日はすき焼きを作る。
ロック気に入ってくれるかな?
出来上がったすき焼きをテーブルに並べる。
生卵をかき混ぜてロックに渡すとまた不思議そうに見ている。
「玉子は生で食べれるのか?」
「うん、新鮮ならね?」
「お肉を玉子に付けて食べてみて?」
「いただきます!」
ロックはすき焼き気に入ってくれたみたい!
美味い美味いと連発している。
その夜はロックとピッタリくっついて眠った。




