40: ロックの安否
いつもなら、夕方には帰ってくるロックが帰ってこない……
何かあった?
不安がよぎる。
冒険者ギルドに行ってみようかな…
ギルドにはジェシカとダニーが居た。
「ロック知らない?一緒じゃないの?」
聞くところによるとウルフの群れに囲まれてちりじりになってしまいギルドに応援要請に来たらしい。
「早く助けに行かないと!」
「アタシだってそんな事わかってるわよ!」
ジェシカが大声を出す。
そこへケントも合流した。
ケントもロックの行方が分からないみたい。
私は居てもたってもいられずにギルドを飛び出す。
ジェシカが走って来て私の腕を掴む。
「アンタ1人行ってどうすんのよ?」
それはそうだけど……じっとなんてしていられないよ。
程なくしてギルドから冒険者達が集まってきた。
「皆さんよろしくお願いいたします!」
思い切り頭を下げる。
私も役に立つかもしれない。
付いていこう……
ロック、待っててね……どうか無事で居ますように。
最後にロックを見た場所に一行は向かう。
血溜まりが幾つもある。
「足跡はこっちだ!いくぞ!」
死なないでね、赤ちゃん出来たかも知れないのに。
森の奥に進むとまた血溜まりが……
そこから血のあとが転々と繋がっている。
「これを追っていくぞ!」
リーダー格の男に付いて私も走る。
少し奥に入るとウルフの群れを見つけた。
冒険者達は手馴れた様子で次々とウルフを倒していく。
「ロックは?」
「いねーな、もっと奥に入っちまったかもしれん。」
夜も更けて捜索が困難だとリーダー格の男が言う。
「そんな!お願い致します!見捨てないで!」
リーダー格の男は渋々たいまつを手に奥へ。
奥には滝があり、血痕はそこで途切れていた。
え、滝に落ちたの?
ロック……ロック……お願い。
「下流に行くぞ!そこに居なきゃ今日の捜索はお終いだ。」
来た道を北に向かって引き返す。
お願い、見つかって!
心の中で叫ぶ。
下流に着くと何かがうつ伏せで浮いている。
「おい、居たぞ!手伝ってくれ!」
「いちにのさんっ」
引き上げられたのはダラリとしたロックだった!
「ロック!」
皆んなを押しのけロックに駆け寄る。
身体は氷のように冷たく息もしているんだかわからない。
「エクストラヒール!」
「エクストラヒール!」
「ロック!ロック!お願い!」
ロックはピクリとも動かない……
お願い神様!おじいちゃん!ロックを連れていかないで……!
すると頭の中でモヤがかかり口から勝手に言葉が出る。
「リザレクション!」
辺りがパァッと金色に光る。
魔力をゴッソリ持っていかれたのがわかる。
「お願い!神様!」
シーンとした空気が続いた。
「ゴボッ!」
ロックが水を吐いたのを見た瞬間、私は魔力不足と安堵で気絶してしまった。
目が覚めると自宅のベッド……
ロックは?!
隣を見るとロックがスヤスヤと寝息を立てている。
本当にもぅ……心配させて。
私、蘇生魔法使えたんだ。
リザレクションがなかったら、ロックは死んでいたに違いない。
また恐怖が込み上げてきた。
冒険者辞めてくれないかな…?
お金に困ってる訳じゃないんだし……
ポーション渡してあっても、飲めない状況ならば意味がない。
ついて行く訳にもいかないしな。
ロックが目覚めたら相談してみよう……
私は寝顔を見ながらまた眠りについた。
ロックの暖かさを感じながら。




