28: 治癒院開始
鳥の声……もう朝か。
ロックがイタズラしてくるから寝た気がしない。
嬉しいけどね。
さて今日から治癒院開始だ!
ロックを送り出して治癒院のドアに開業の札を掛ける。
チラチラと覗き込む人は居るけど、入っては来ない。
暇だなぁ…
子供の風邪薬用に飴を作ることにした。
飴の作り方なら動画で見てたから知ってる!笑
シャンプーやトリートメントの作り方も知ってれば良かったのにな……
石鹸で洗うから髪がゴワゴワしている。
あ、いい事思いついた!ヒールすればいいんじゃない?
自分にヒールをかけてみる。
ゴワゴワ髪が、サラサラになった!
やったね!
それにしても暇。
初日ってそんな物かな?
治癒院で客引きってのも変だしね。
飴つくろ……
あっという間にお昼を過ぎてしまった。
夕飯の仕込みでもしようかな。
鴨肉のソテーをつくりアイテムボックスへ。
お風呂も今の内に沸かしてしまう。
チリンチリンと音がする。
初患者さん?
急いで治癒院に戻ると、初老の男性がいた。
まずは問診だよね?
「今日はどうされましたか?」
男性は水虫に悩まされていて、病院に通っても治らないそう。
「では見せてください」
ポーションを湿らせた綿で患部を丁寧に拭いていく。
「えっ?」
男性が驚いた声を出す。
「どうしましたか?」
「痒みがない!こんなに直ぐに治るもんだったのか?」
「四葉治癒院では特別な薬をつかってますから!でも、水虫は伝染る病気ですからまた感染する事もありますから気をつけて下さいね。」
「こんなに直ぐに治して貰える薬はお高いんでしょうか?」
男性がオズオズと聞く。
「銅貨2枚ですよ。」
「そりゃ良心的だね!ありがとうございました!」
「お大事に!」
患者さん第1号は水虫だった笑
噂を聞いたのか、午後は水虫の患者さんばかりやって来た。
とほほ……
夕方になり、閉業しようとすると1人の男の子がハアハアと息を切らせてやって来た。
「安く診てくれるって本当に?」
「どうしたの?」
そう聞くと、母親が病気みたい。
往診バックにポーションを入れてついて行く。
住居はくたびれた集合住宅でお金は無さそう。
家の中に入ると、高熱を出した妊婦さんが居た。
このままじゃ赤ちゃんに影響があるかも知れない。
「こんばんは、四葉治癒院の者です。妊娠されて居ますよね?高熱は赤ちゃんによくありません、この薬を飲んで下さい。」
「でも、家にはそんなお金は……」
そう言って涙ぐむ。
旦那さんは亡くなって息子と二人暮しとか。
「大丈夫ですよ、治療費は息子さんから貰います。
僕の大切なものを1つちょうだい?」
「僕の宝物のコマをあげるよ!それでお母さんをみて!」
「了解だよ!さあ、お母さん支払いは終わりましたよ?飲んで下さいね。」
ポーションを飲んだ妊婦のお母さんはみるみると熱が下がって行った。
「ありがとうございます、ありがとうございます。」
「先生ありがとう!」
「お大事にしてくださいね。」
やっと医者らしい事が出来て誇らしい。
宝物のコマを握りしめ家に帰った。
閉業の看板を掛け、ロックの帰りを待つ。
看板に急患は何時でも診ますと付け加えておいた。
出だしはまずまずかな?




