16: 初めてのコルセット
仕立て屋に行ってから1週間が経った。
今日もいいお天気。
ロックも元気を取り戻していた。
「かすみ、行こうぜ!」
今日のロックは帯剣している。
先週の事が頭をよぎる……
気を取り直して王都に向かう。
仕立て屋に着くと、待ってましたとばかりに店主が駆け寄って来た。
「お待ちしておりました!」
「出来はどうだ?」
ロックがドレスをじっと見つめる。
真紅のドレスは、綺麗なレースをふんだんに使っているのにどこか上品。
さっそく試着する事になった。
ドレスを着る時にはコルセットなる物を着けるらしい。
されるがままに裸になった。
「慣れないと窮屈かも知れませんが頑張って!」
頑張って?何を?笑
その意味は直ぐにわかった。
胸から腰にかけてコルセットが付けられていく。
苦しい……!
これでもかと言うくらい紐が締められる。
胸は強調され、ウエストは一回り細く感じる!
貴族すごいなぁ……こんなの毎日つけてるなんて。
ドレスを着るとまるでお姫様になったみたいだった。
店主が手際よく髪をまとめ上げる。
試着室から出ると、ロックが驚いたように口にする。
「薔薇の妖精だ!凄く綺麗だよかすみ!これじゃあ誰にも見せたくなくなるな。」
どうやら出来栄えに満足したみたい。
それにしてもお腹が苦しい笑
当日は食事出来そうにないなぁ…なんて思いながら細かい所を詰めていく。
「アクセサリーは赤とシルバーで統一してくれ」
またロックがこだわり出した。
ロックはと言えば、黒いタキシード。
赤がよく映える。
計算しつくされたコーディネートだね。
お披露目式まで後2週間。
楽しみになってきた!
仕立て屋を後にすると、ロックが寄りたい所があると言う。
後を追うようについて行くと、そこは宝石店だった。
いつの間に注文していたのか小さい箱を受け取っている。
なんだろ?
軽くランチを済ますとまたしても寄りたい所があると言う。
手を繋ぎながらゆっくりと歩く。
着いたのは王都を見渡せる時計台だった。
ロックはいきなり膝まづくと先程の箱を開けて私をジッとみた。
「かすみ、俺と一緒に時を刻んでくれないか?」
プラチナにルビーの薔薇をモチーフにした指輪。
プロポーズ?
私は大きく頭を縦に振った。
時計台で一緒に時を刻もうなんて、ロックってばロマンチックな1面もあるんだね。
指輪を薬指にはめると幸せの重みがした。
「ありがとう、ロック。」




