10: ダンの忠告
スラムで炊き出しを始めてから数週間がたっていた。
今では、材料買って置けば皆んな自ら調理してくれる様になっていた。
ロック達はずっと行ってなかった冒険者の任務に向かっている。
私は1人留守番しながらポーション作り!
そこへ仲介人のダンさんがやって来た。
「今日はお1人ですか?ちょっとお話があるんですがね」
なんだろ……改まって。
「はい、どうしました?」
「ポーションの扱い方を考え直しませんか?かすみさんのポーションは、欠損も治しますからね…このままじゃ貴族に目を付けられますよ。
実は、中には転売で稼いでる輩もいるんです。」
えっ……
転売して稼いでるなんて……
「それで、ダンさん どうしたらいいと?」
「初めからこうなる予感はしてたんですがね、このポーションは国をも動かす代物だよ。
貴族の後ろ盾をもらって治癒院でもやっちゃどうかね?」
「貴族?」
「そうさ、もう話題になっているんです、
作り手探しも時間の問題だろうね。悪人に利用される前に手を打つ方がいいと思うよ。」
「貴族ですか……つてがないんですよね」
「ロック君が居るじゃないか」
えっ?ロックって貴族だったの?
なんで冒険者してるんだろ……
「ロックに相談してみます」
「それがいい」
そう言うとダンさんは帰って行った。
何だか大事になっちゃいそう……御使いの時もそうだったけど。
夕方近くになると、ロック達が帰ってきた。
私はダンさんの話を皆んなにしてみる事にした。
「やっぱりそうなったか……」
ロックも気にして居たみたい。
部屋の中が静まり返る。
皆んな難しい顔をしながら考えてくれている様子。
ロックがポツリと話し出した…
「俺は辺境伯の息子でさ…でも貴族って柄じゃないだろ?
だから弟に家督を譲ったんだよ。
家族仲が悪いわけじゃないぜ?
冒険者が俺にはあってるんだよ」
「アタシは知ってたわよ。けど、話が話だけに迷惑なんじゃない?それをわかった上で言ってるの?」
「よせよジェシカ、かすみの力は俺達にとっては無くてはならないもんだろ?」
何だか気まずい……
「とにかくだ、明日一緒に俺の実家に行ってみるか?
父さんならいい知恵もあるかもしれんし。」
「ごめんね……迷惑かけて」
「迷惑なんかじゃない、気にすんなよ」
ロックはそう言ってニコリと微笑んだ。
人助けのつもりが、助けられてばかり……
何してるんだろな。
今日は眠れそうにないや。




