表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/31

## 番外編 「三人旅行、逃げ場ゼロの幸せ」

## 番外編 「三人旅行、逃げ場ゼロの幸せ」


---


旅行前日。


陽太はスーツケースを見て、静かに悟る。


(これ、休みじゃない)


---


リビングでは、すでに会議が始まっていた。


りさ「持ち物リスト確認する」


ひなた「賛成」


陽太「反対」


---


却下された。


---


---


朝。


新幹線。


陽太は窓側に座ろうとする。


---


「そこ私」


「いや俺が取ったんだけど」


---


ひなたが即答。


「じゃんけん」


---


陽太「旅行の序盤で消耗させるな」


---


りさ「公平でしょ」


---


結果。


陽太敗北。


---


---


車内。


陽太が真ん中。


両側に“りさ系統”が配置される。


---


左:りさ(母)

右:ひなた(娘)


---


陽太

「監視席かよここ」


---


りさ

「安心席ね」


ひなた

「観察席」


---


---


出発5分。


すでに詰んでいる。


---


---


目的地到着。


海。


---


ひなたが走る。


「海だーー!!」


---


りさも普通に走る。


---


陽太

「お前も走るのかよ」


---


りさ

「テンションは合わせるもの」


---


---


砂浜。


ひなたが言う。


「ねえパパ!」


---


「ん」


---


「どっちと一緒に海入る?」


---


陽太

「またそれか」


---


りさ

「逃げる?」


---


ひなた

「逃げないで」


---


---


陽太は海を見る。


---


「じゃあ全員で入れ」


---


---


沈黙。


---


ひなた

「正解」


りさ

「妥協ね」


---


---


海。


---


ひなたが水をかける。


りさも返す。


---


結果。


陽太が一番濡れる。


---


陽太

「なんで俺が一番被害受けてんだよ」


---


りさ

「中心だから」


ひなた

「核」


---


---


夜。


旅館。


布団三つ並び。


---


陽太

「なんで一部屋なんだ」


---


りさ

「家族だから」


ひなた

「節約」


---


---


風呂上がり。


ひなたが言う。


「ねえパパ」


---


「ん」


---


「今日楽しかった?」


---


陽太は少し黙る。


---


「楽しかったよ」


---


即答。


---


ひなた満足。


「よし」


---


りさ小声。


「即答ずるい」


---


---


夜。


布団の中。


---


ひなたが真ん中に潜り込む。


---


陽太

「なんで真ん中来る」


---


ひなた

「安全地帯」


---


りさ

「どこが」


---


---


電気消灯。


静か。


でも静かじゃない。


---


ひなたが小声で言う。


「ねえパパ」


---


「ん」


---


「今幸せ?」


---


---


陽太は即答する。


---


「うるさいくらい幸せ」


---


---


りさが笑う。


「またそれ」


---


ひなたも笑う。


「採用」


---


---


翌朝。


陽太は気づく。


---


自分がほとんど寝ていない。


---


理由は簡単だ。


---


・ひなたが寝相で蹴る

・りさが無意識で寄ってくる

・結果、逃げ場ゼロ


---


---


陽太

「これ修行か?」


---


りさ

「家族旅行」


ひなた

「成功体験」


---


---


帰りの新幹線。


陽太は完全に無言。


---


りさが言う。


「疲れた?」


---


陽太

「まあな」


---


ひなた

「楽しかったでしょ?」


---


---


陽太は少し笑う。


---


「楽しかった」


---


---


りさが小さく言う。


「じゃあまた行こ」


---


ひなた

「次は海外」


---


陽太

「やめろ拡張するな」


---


---


でも。


その“やめろ”は、もう拒否じゃない。


---


ただの習慣になっていた。


---


---


陽太は窓の外を見る。


---


(うるさい)


(でも、これが一番落ち着く)


---


---


りさが隣で言う。


「ねえ陽太」


---


「ん」


---


「このままでいいね」


---


陽太は即答する。


---


「このままがいい」


---


---


ひなたも小さく言う。


「同じ」


---


---


三人の声が重なる。


---


うるさくて、逃げ場がなくて、甘すぎる。


---


でも、それで完成していた。


---


## 終


---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ