## 番外編 「りさ vs ひなた(決着しない戦い)」
## 番外編 「りさ vs ひなた(決着しない戦い)」
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翌朝。
陽太は、ついに学習していた。
(静かな朝は危険)
だから起きる前から身構えていた。
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そしてリビングへ行く。
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予想通り。
テーブルに“戦闘準備”が整っている。
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・りさ(母)=コーヒー構え済み
・ひなた(娘)=腕組み待機
・陽太=巻き込まれる役
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ひなたが言う。
「今日の勝負は新ルールです」
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りさ
「なにその嫌な予感」
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ひなた
「“どっちがパパの未来を決めるか”」
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陽太「やめろそのスケール上げるな」
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りさは冷静にコーヒーを一口飲む。
「つまり?」
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ひなた
「パパは将来どっちの言うことを聞くか」
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りさ
「即却下」
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ひなた
「理由は?」
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りさ
「結婚してるから」
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ひなた
「法的には母も同じ立場」
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陽太
「お前らいつの間に法律戦争してんだ」
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その瞬間。
ひなたが一言。
「じゃあ、パパに聞く」
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陽太「え?」
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ひなた
「ママと私、どっちの未来が正しい?」
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沈黙。
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りさがゆっくり言う。
「陽太、逃げる?」
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陽太
「逃げたら終わるタイプの質問やめろ」
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ひなたは真剣な顔。
りさも真剣な顔。
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完全に“人生の二択”みたいになっている。
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陽太はため息をつく。
そして言う。
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「どっちも正しいに決まってんだろ」
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沈黙。
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ひなた
「ズルい」
りさ
「正解」
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ひなたは納得していない顔。
「それは答えじゃない」
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りさは笑う。
「でも一番逃げてない答え」
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陽太は続ける。
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「いいか」
「お前は“未来のりさ”だろ」
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ひなたが固まる。
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陽太
「りさは“今のりさ”だろ」
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「どっちも俺にとっては大事な時間だ」
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りさの表情が少しだけ変わる。
ひなたも黙る。
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陽太は少しだけ笑う。
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「だから勝ち負けとかやめろ」
「俺が壊れる」
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ひなた
「壊れないよ」
りさ
「もう壊れてるようなもんよ」
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陽太
「うるせえ」
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その日の夜。
三人で布団。
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ひなたが小声で言う。
「ねえパパ」
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「ん」
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「ママ好き?」
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りさ即反応。
「聞く必要ある?」
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陽太即答。
「好きだよ」
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沈黙。
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ひなたが満足そうに言う。
「よし」
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りさが小さく言う。
「敗北認定された気がする」
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ひなた
「勝敗じゃないよ」
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「確認」
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陽太は天井を見る。
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(この家、永遠に終わらない確認作業してる)
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でも気づく。
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その“確認”がある限り、
この家は壊れない。
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りさが小さく言う。
「ねえ陽太」
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「ん」
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「幸せだね」
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陽太は即答する。
「うるさいくらいにな」
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ひなたも小声で言う。
「うん」
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