表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界還りの元聖女へのご褒美は、スパダリ元彼によるフェンリル付き甘やかされスローライフです ~ただいま、すずらん荘~  作者: 江東乃かりん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/34

3-07 収穫野菜でお昼ご飯クッキング!

 台所のテーブルにズラリと並ぶ野菜を眺めて、私は改めて呆気に取られた。


「いっぱい採れたね」

「そうですね」


 えーっと?

 ナス・トマト・キュウリにピーマン、オクラとゴーヤにミョウガ……。


「これ、よく考えてみると……苗、植えすぎだよね?」

「すみません……。白玉が美味しそうに食べてくれるので……」

「わかる。ついつい苗選びが捗っちゃったんだよね」


 尚君と一緒に買い物に行ったとき、せっかくだから色んな種類の苗を買おうか、と言う話になって。

 どんな料理作ろうかなーって言いながら選んでいたら、気づいたら色んな種類の苗を植えていたという……。


「でもそれは私のせいでもあるので……」

「詩乃ちゃんのせいじゃありません!」

「じゃあ白玉のせいってことで!」

「……まあ、せいと言うよりも、お陰と言った方が良いかと……」


 白玉が原因であることには間違いないので、尚君の回答も歯切れが悪かった。


「それにしても、こんなに食べきれ…………食べ切れるね」

「白玉にかかれば、きっと一瞬ですよ」

「冗談みたいだけど、あながち間違いじゃないところがすごいよね」


 思わず真顔になってしまった。

 食べきれないと思ったけど、うちには爆食い秘密兵器がいるので問題なかった。

 商店街の各店員さんは、うちは食べ盛りの子どもが何人いるんだ、って思われているかもしれない。


「食べ盛りがいるので、このぐらいの量が生るのは、とても助かります」


 尚君も苦笑するほどの食べっぷりを披露するのが、白玉なのであった。

 ちなみに白玉がいなかった場合は滅茶苦茶余ることになるので、お隣さんにお裾分けとかも検討しなければならない。

 この豊作具合は、白玉のお腹を満たすための神獣の祝福ってことにしておこう。うん。


「さてさて、お昼は何を作ろうね」

「鶏肉と夏野菜のおろし甘酢あんかけにしましょうか」

「えっ?」


 まさか……具材として、これをぜんぶ乗せにする気??


「さすがに、全部は使いませんよ!」


 どうも私は変顔をしていたみたいで、尚君が必死に否定した。


「びっくりした……」


 いや、でも案外ゴーヤもいけたりしない?


「冒険すると台無しになるので、やめましょう!」


 じっとゴーヤを見つめて考え込んでいたところ、私の表情から心を読んだのか、尚君が必死に縋りついた。


 ちなみに私たちが料理をしている間は、相変わらず神獣(白玉)災いを齎す者(昆虫)相手に至高なる果実(家庭菜園の野菜)を守っている。


「僕は玉ねぎを担当しますね」

「じゃあ私はオクラをやろうかな~」


 ちなみに玉ねぎは昨日買っておいた野菜。

 他は採れたての家庭菜園野菜でかさ増しする作戦!

 少しでも食費浮かせないとね!


 と言うわけで、処理したオクラを先に下茹でしておいて、その傍らで……。


「大量に採れた野菜を、ひたすら切るよー!」

「おー!」


 大量に採れたナスとピーマンとトマトを、二人がかりでひたすら切っていく。


 ちなみに私が使ってるまな板と包丁は、尚君の家で暮らすにあたって自分の部屋から持ってきたやつ。

 隣り合わせで野菜を切っていると、なんだかちょっぴり不思議だけど、暖かい気持ちにもなる。


「私たち、野菜切るマシンみたいだよね」


 ボウルに山盛りになったひとくちサイズの野菜を眺めながら、しみじみと言う。

 ちなみに野菜山盛りボウルは二つあるので、見ているとちょっとした食堂かな? と言う気持ちになる。


「でも一緒に作るのも楽しいですね」

「うん」


 前は何かと尚君が率先してやってくれようとしていたけど、私も何かしたいと言い続けた結果、色んな事を一緒にやったり分け合ったりしている。

 いまだに気遣い上手なのは変わらない尚君だけど、でも任せてくれたり頼ってくれたりするのは正直嬉しい。


 さて、いつまでも感慨にふけっている場合じゃない。

 のんびりしていると、餓えた獣が台所に突撃してくるからね。


 鶏肉もひとくちサイズに切ったら、どデカい片手中華鍋を取り出して、遂に調理開始!

 今回の中華鍋は尚君が担当で、私は助手役です。


 まずは下茹でしてないナス・ピーマン・玉ねぎを揚げ焼きして、そのあとに塩コショウと片栗粉をまぶした鶏肉も焼いていく。

 トマトは後のせ!


 尚君が野菜を焼いている間に、私は今晩のおかず作成!

 ナスとキュウリとミョウガとショウガを切って、ポリ袋に塩と一緒に入れてもみもみみ。

 夜まで置いておくと塩味が染み込んだ漬物の出来上がり! と言うわけ。

 熱中症が心配な夏にぴったりだね!

 私が夕飯のおかずの下ごしらえをしていると、コンロの方から良い香りがしてきた。


「ん~! お肉が焼ける匂いが美味しそう~!」

「まだ味付けしてませんよ」

「それはそうなんだけどね」


 こんがり焼けていくお肉を見ているだけで、よだれが出そうになる~!

 尚君が鶏肉を焼きながら、生暖かい目で私を見ているような気がした。

 ハッ!? もしかして私、白玉と同類視されている!?

 私は誤魔化すように、尚君が手にしている中華鍋を指さしした。


「この中華鍋、買って良かったね」


 鍋が大きいから、小分けに焼かなくて済むのが良いね。


「そうですね。これまでのフライパンだと二、三人前しか作れませんでしたけど、これなら一気に五、六人前くらいは作れますね」


 そう、わざわざ大きくて深さのある中華鍋を買ったのである!

 ……それにしても、すずらん荘にいるのは三人(うち1人は匹)なんだけど、三人前じゃ足りないって、どんだけなの……。


 お肉が焼けるのにもうちょっと時間がかかるので、私はその間におろし器で大根をシャコシャコおろす!

 大根おろしてると腕の筋肉がつきそうだよねえ。と思いながら、時折つりそうになる手を休めていると、尚君がちらっとこちらを見ていた。


「詩乃ちゃん、そろそろお肉も焼き終わりますし、代わ……」

「甘やかし禁止!」

「……はい」

 

 尚君の提案を退けて、私はひたすら大根をおろすのであった。


「詩乃ちゃん、お肉焼けましたよ」


 手伝いを断られてしょんぼりしていた尚君が、お肉を焼き終えたらしい。

 私もおろし終えたところだったので……。


「はーい。じゃあ調味料入れるね」


 鶏肉が焼けたら、ついに助手の私が調味料を入れる番です。


「えーっと、砂糖、醤油、お酢を混ぜてから……」


 小皿に入れた調味料を混ぜ混ぜして中華鍋に投入!

 調味料がふつふつ良い音を出して来たら、水で溶いた片栗粉を沸騰した調味料の中に入れる。


「あんかけ、とろみがつきましたね」

「じゃあ、具材どんどん入れていくよー!」

「お願いします!」


 鶏肉と野菜にとろっとしたあんかけが良い感じに馴染んだら、お皿に盛りつける。


「白玉のお皿はご飯乗せといたよー」

「はーい」


 一皿は私たちの分で、もう一皿は白玉専用大皿。

 白玉の分はご飯の上におかずを乗せる、丼スタイルなのである。


 尚君がお皿に具を乗せてくれたら、最後に私が大根おろしと賽の目切りしたトマトを乗せて……。


「出来上がり~!」


 白玉の分の「鶏肉と夏野菜のおろし甘酢あんかけ丼」をじゃじゃーん! と宙に掲げてみたけど、何気にお皿も中身も重くてずっしり来る。

 手がプルプルする……。

 落とす前にやめよう……。


 私の手が震えていたのに気づいたのか、白玉の分は何も言わずに尚君が持って行ってくれた。

 相変わらずの気遣い上手なんだなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ