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異世界還りの元聖女へのご褒美は、スパダリ元彼によるフェンリル付き甘やかされスローライフです ~ただいま、すずらん荘~  作者: 江東乃かりん


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3-05 しらたまのしろくまアイス

 みんなして起きてしまったので、無自覚イチャイチャタイムは終了しました!

 はい、解散解散!


「き、気を取り直して、アイスを作りましょう」

「寝起きで料理して大丈夫? まだ寝ぼけてない?」


 寝ぼけて怪我でもしたら大変だと思って、まだ少し顔が赤くてぎこちない尚君の顔を覗き込もうとすると、目をそらされた。

 そんな恥ずかしかったのかな。


「だっ、大丈夫です。バッチリ目が覚めました」


 両手でパチン! と頬を軽く叩くと、尚君は台所に向かって午前中に買ってきた材料を取り出す。


「結局何を作るの?」

「白玉の白くまアイスです」

「しらたまのしろくまアイス」


 じゃじゃーん! と得意げに白玉粉を見せびらかす尚君に、私は思わずオウム返しした。


 白玉は白いけどクマではないので、白くまではない。

 時折忘れそうになるけど、フェンリルであって犬でもない。


「白くまはアイスのことだよね? 白玉を乗せるの?」

「俺をアイスに乗せてどうするんだ!」


 白玉を話題にしたせいか、名前が同じフェンリルの白玉さんが尻尾をフリフリして台所までやってきた。


「呼んでない呼んでない。乗せるって言ったのは、フェンリルの白玉じゃなくて、食べ物の白玉のことね」

「ほう。俺の名前の由来になったやつか! ずっと気になっていたんだが、ついに食えるのか!」


 そうだねー。食べさせてあげたかったから、丁度良い機会だね。


「でも白玉を白くまに乗せちゃうんだ? あんこを乗せて食べるとかじゃなくて」

「白玉と白くまって似てるじゃないですか。ちょっと面白いかなって思ったんですけど、ダメですかね」

「ううん、良いと思うよ。絵面的にも楽しそうだもんね」


 あと「白玉」って言うたびに、白玉の耳がピクピクするので面白い。

 内容的に呼ばれていないことを把握したみたいだけど、名前が同じだから反応しちゃうよね。


「と言うか、そっか白くまを作るんだね。アイスキャンディじゃなかったかー」


 予想が当たってたら尚君の家事は一日お休みしてもらえたけど、外れちゃったな。


「まあまあ、始めましょうか」

「料理の前にオーヤ、お前大丈夫なのか?」

「えっ? 僕ですか?」


 白玉が珍しく尚君を気遣っている……!

 しかも食い意地より身体の心配を優先している!?

 これが餌付けパワー!?

 そして白玉から気遣われると思わなかったのか、尚君が戸惑っている……!


「調子が悪いんじゃないのか?」

「え? 尚君、調子が悪いの?」


 尚君をじーっと観察してみる。

 顔色もポーズも表情も、いつもとあんまり変わらない……気がする。

 違うというと、まだ目が赤くなっているくらいかな。


「す、少し目がかゆいだけですよ」

「白くまアイスは私が作るよ?」


 白玉が気付いて、恋人の私が気付かないのって、ダメダメすぎる。


「……そうですね、お願いしても良いですか?」

「任せて! じゃあ早速、白玉の白くまアイスの作成に取りかかります!」


 私はエプロンを装着して腕まくり! さて、何から取りかかるかな!


「と言いたいところなんですが、今日はかき氷の部分だけ作りましょう」


 気合をいれかけていたところだったけど、尚君の予想外のひとことによって思わずずっこけそうになった。


「そっか、氷が固まるのに時間かかるもんね」

「はい。なので、続きは明日ですね」


 折角出したばかりの白玉粉の袋がしまわれていく。

 見せびらかせたいだけだったらしい。気持ちは分かるけど、気が抜けるー!


「なんだ! 今日は食えんのか!」


 遠くからやじが飛んできましたよー。


「口は白玉になっていたんだがな」

「白玉食べたことないのに何言ってんだろうね?」

「今日は別のアイスを買ってきましたから、それを食べましょう」


 製氷皿に牛乳と練乳をまぜまぜした液体を入れながら苦笑する私の隣で、尚君が冷凍庫からアイスキャンディを取り出した。

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