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マンションごと転生したけど、住人仲が悪いから協力できるか微妙  作者: 花房ジュリー
第六章 戦争勃発!旦那様は香辛料をご所望
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配合発見

モロアは、程なくしてやって来た。ジャスミンは、勢い込んで尋ねた。


「お守りになるという香辛料を、以前教えてくださったわね。アミュレという……。入手したいのだけれど、方法が無いの。だから自作しようと思うのだけれど、配合はご存じ?」


「いえ。そこまでは、あいにく」


モロアが、かぶりを振る。ジャスミンは、ため息をついた。


「どうしても、配合を知りたいのよ。これらの本に載っていないか、今調べているのだけれど、手伝ってくださらない?」


「今からですか。帰って読みたい本があるのですが……」


モロアが、ごにょごにょと呟く。ジャスミンは、キッとまなじりを吊り上げた。


「協力しないと、屋敷外にはみ出た本を、強制撤去するわよ!」


「それだけは、ご勘弁を!」


モロアはほうほうの体で、アミュレ捜索活動に加わったのだった。


約五時間後。ジャスミンたちは、膨大な本の山の中から、アミュレについて書かれた項目を探し当てた。これには、モロアの貢献が大きかった。どの本に掲載されているか、彼はおおむねの見当を付けてくれたのだ。おかげで無駄な労力が省けた。


「原料は……、まずは、ファリー。エピーソの原料じゃないの。これなら、いくらでもあるわ。他は、ペッパー、レモングラス、砂糖か。みんなそろっているわね」


ジャスミンは、ほうとため息をついた。ジレットからあれこれ買い付けたものが、こんな形で役立つとは。するとモロアが、隣のページを指した。


「ご夫人。こちらに載っているニフェール、ネステーの二つも、お守り効果があるのですよ。よろしければ試されては?」


「まあ、そうなの?」


ジャスミンは、ざっと目を通した。こちらはあいにく、原料は手に入りそうにない。ダメ元で、ジレットに聞いてみるか。


「モロア殿、今日は手伝ってくださってありがとう。本の撤収はしないけれど、なるべく屋敷内に収めてくださいね」


そう告げると、モロアはほっとしたような表情を浮かべた。


「すみません、気をつけます。……では、これにて失礼を」


ジャスミンの気が変わらないうちに、というつもりだろう。モロアは、転びそうなくらい足早に帰って行った。


「……さて。皆は、もう休んでいいわ。手伝ってくれて、本当にありがとう」


ゴーチェらの顔を見回して礼を述べれば、彼らは不思議そうな顔をした。


「奥様は、まだ何かなさるので?」


「何って、もちろんアミュレを作るのよ」


そう答えると、皆はあっけにとられたようだった。


「これからでございますか!?」


「何時間もぶっ通しで頑張っておられるではないですか。少し休まれては?」


皆は気遣ってくれたが、ジャスミンはやると言い張った。


「ロラン様は、ずっと戦っておられるのよ!休んでなどいられるものですか」


「では、私に手伝わせてください!」


そう言い出したのは、ウードだ。他の料理人たちも、次々に頷く。


「私どもも、ご協力します」


「何なりと、仰ってください」


「そう……?では、お願いしようかしら」


申し訳ない気もしたが、ジャスミンは彼らの好意に甘えることにした。ゴーチェが、おずおずと申し出る。


「奥様。わたくしにできることは?」


「そうね、ではジレット邸へ使いを出して、ニフェールとネステーという香辛料が手に入らないか、聞いてもらえる?あとは、屋敷内をしっかり守ってちょうだい」


「かしこまりました!」


ゴーチェが、一目散に部屋を出て行く。ジャスミンらも、厨房へと向かった。

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