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第75話 Aランク

 昼食を食べ終えたあと。


 直人たちはそのまま席で話していた。


「先輩!」


 結衣が身を乗り出す。


「せっかくだし見てくださいよ!」


「何を?」


「Aランクの人です!」


「気になるじゃないですか!」


 直人は苦笑した。


「そんなに変わるのか?」


「絶対変わります!」


 結衣に急かされるように。


 直人はラブステータスを開いた。


 検索画面。


 これまで表示されなかった項目が追加されている。


【Aランク】


「本当だ……」


 直人は少し驚いた。


 試しに一人開いてみる。


「わぁ……」


 結衣が目を輝かせる。


「綺麗!」


「モデルさんみたいです!」


 葵も画面を覗き込む。


「本当だ」


「みんな綺麗だね」


 栞も小さく頷く。


「素敵な人ばかりですね」


 結衣は次々と画面をめくる。


「先輩!」


「この人とか!」


「この人も可愛いですよ!」


 直人は苦笑しながらスマホを閉じた。


「もういいや」


「えっ?」


 結衣が目を丸くする。


「見ないんですか?」


「別に」


「興味ない」


「えぇぇーー!?」


 結衣は大げさに頭を抱えた。


「せっかくBランクになったのに!」


 葵がクスッと笑う。


「東條くんらしいね」


 栞も微笑んだ。


「そうですね」


「東條くんらしいです」


 その時。


 結衣が何かを思いついたように笑った。


「あっ!」


「先輩!」


「レナさん検索してみてください!」


「レナ?」


「はい!」


「何ランクなんでしょう?」


 直人は少し考えてから頷いた。


「そういえば」


「気にしたことなかったな」


 検索画面を開く。


 名前。


 大学名。


 入力する。


 検索。


 画面が切り替わる。


『該当するユーザーはいません。』


「……あれ?」


 直人が首を傾げる。


 もう一度確認する。


 入力ミスはない。


 もう一度検索。


『該当するユーザーはいません。』


「えっ?」


 結衣も画面を覗き込む。


「いませんよ?」


 葵も不思議そうに首を傾げた。


「入力間違ってない?」


「いや」


「合ってる」


 栞も画面を見る。


「本当ですね」


「表示されません」


 少しだけ沈黙が流れる。


 すると。


 結衣がパッと顔を上げた。


「分かりました!」


「何が?」


「Sランクです!」


「だから検索できないんですよ!」


 葵も笑う。


「あー」


「それはありそう」


「レナさん可愛いしね」


 栞も納得したように頷く。


「可能性はありますね」


 直人は画面を閉じた。


「今度本人に聞いてみるか」


「気になります!」


 結衣は大きく頷く。


「私もです!」


 その答えが。


 まさか四人の予想とは。


 まったく違うものだとは。


 この時はまだ。


 誰も思っていなかった。

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