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第74話 総合ランクB

 ある日の昼休み。


 直人はいつものように学食へ向かっていた。


 その時だった。


 ポケットのスマートフォンが震える。


「ん?」


 画面を見る。


 ラブステータスから通知が届いていた。


『能力の再評価が完了しました。』


「再評価?」


 直人はその場でアプリを開く。


 画面が切り替わる。


 そして。


 そこには。


━━━━━━━━━━━━


東條 直人


総合ランク:B


━━━━━━━━━━━━


運動能力 B


頭脳   C


センス  B


ルックス B


経済力  C


━━━━━━━━━━━━


「……」


 直人は目を見開く。


「B……?」


 思わず二度見した。


 本当に。


 Bになっている。


(上がった……)


(やっと)


 ボイストレーニング。


 服装。


 バーでの接客。


 カクテル作り。


 努力してきたことが頭をよぎる。


 その時。


「先輩!」


 結衣が後ろから覗き込んできた。


「何見てるんですか?」


「うわっ!」


 直人は慌ててスマホを隠す。


「えー!」


「怪しい!」


 そこへ。


 葵と栞もやって来る。


「どうしたの?」


「先輩がスマホ隠しました!」


「別に隠してない」


「見せてくださいよー!」


 結衣はぴょんぴょん跳ねる。


 直人は苦笑しながら画面を見せた。


「ほら」


 結衣が固まる。


「えっ……」


 葵も目を丸くした。


「Bランク?」


 栞も驚く。


「本当ですね」


「すごい……」


 結衣は直人を見上げた。


「先輩!」


「おめでとうございます!」


「ありがとう」


 直人も素直に笑う。


「でも」


 結衣は首を傾げた。


「Bランクになると何が変わるんですか?」


「Aランクともマッチングできるようになる」


「えぇーー!」


 結衣が大きな声を上げた。


「じゃあ美人ばっかりじゃないですか!」


「声が大きい」


「だって!」


 葵も笑う。


「確かに気になるね」


 栞も頷く。


「どんな人が表示されるんでしょう」


 直人は少しだけ笑う。


「俺も気になる」


 そう言いながら。


 もう一度スマホへ視線を落とした。


(レナは……)


 ふと。


 そんな考えが頭をよぎる。


 けれど。


 学食へ向かう途中だったため。


「後で見ればいいか」


 そう呟いて。


 スマホをポケットへしまった。

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