↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
68/79

第68話 土曜日、空いてる?

 翌週。


 昼休み。


 直人は一人で学食へ向かっていた。


「なおくん」


 聞き慣れた声に振り向く。


「レナ」


「一人?」


「ああ」


「私も」


「じゃあ一緒に食べよ」


 二人は向かい合って座る。


 最近では、この時間も少しずつ当たり前になってきていた。


「そういえば」


 レナが笑う。


「最近二人でご飯食べること増えたね」


「そうだな」


「なんか落ち着く」


「俺も」


 レナは少し照れたように笑った。


 他愛もない話をしながら昼食を食べる。


 しばらくして。


 直人が箸を置いた。


「レナ」


「ん?」


「土曜日って空いてる?」


 レナの動きが止まる。


「土曜日?」


「ああ」


「予定ある?」


「ううん」


「空いてるけど」


 レナは不思議そうに首を傾げた。


「どうしたの?」


 直人は少しだけ照れくさそうに笑う。


「この前」


「服選んでもらっただろ?」


「うん」


「ちゃんとお礼してなかったなって思って」


 レナは目を丸くした。


「お礼?」


「ああ」


 一呼吸置いて。


「よかったら」


「飲みに行かない?」


 一瞬。


 レナの頭が真っ白になる。


(えっ……)


(なおくんと……)


(二人で飲みに?)


 胸が大きく高鳴る。


 こんな風に。


 なおくんから誘われるなんて。


 思ってもいなかった。


「い、行く!」


 思わず声が大きくなる。


 レナは慌てて口を押さえた。


「あっ……」


「ご、ごめん」


 直人は思わず笑った。


「そんなに驚くとは思わなかった」


「だって……」


 レナは恥ずかしそうに笑う。


「なおくんから誘ってくれるなんて」


「初めてだったから」


 その言葉に。


 直人も少し照れたように笑う。


「そうだったな」


「今まで誘ったことなかった」


「うん」


 レナは嬉しそうに頷く。


「すごく嬉しい」


 その一言に。


 今度は直人の方が少し照れた。


「じゃあ」


「土曜日の夕方」


「駅前で待ち合わせでいい?」


「うん!」


 レナは笑顔で頷く。


「楽しみにしてる」


「ああ」


「俺も」


 二人は顔を見合わせて笑った。


 昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。


「じゃあ」


「午後も頑張ろう」


「うん」


 二人は食器を返却し。


 並んで教室へ戻っていった。


 土曜日。


 二人にとって初めての。


 “約束をして会う日”が決まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。