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第63話 それぞれの昼休み

 翌週。


 昼休み。


 学食。


「いただきます」


 直人たちはいつもの席に集まっていた。


 結衣。


 葵。


 栞。


 レナ。


 そして直人。


 陽菜の姿がない。


「あれ?」


 結衣が周りを見渡した。


「陽菜先輩がいません」


「珍しいな」


 葵も辺りを見回す。


 その時だった。


「あっ」


 結衣が少し離れた席を指差した。


「あそこ!」


 視線の先。


 陽菜が女子グループと楽しそうに昼食を食べていた。


 笑い声まで聞こえてくる。


「ああ」


 葵が納得したように笑う。


「友達と食べてるのか」


「そうみたいですね」


 栞も頷く。


 陽菜がこちらに気付いた。


 小さく手を振る。


「こんにちは」


 結衣も大きく手を振り返した。


「陽菜先輩ー!」


 陽菜は笑顔で手を振り返す。


 そして。


 首を横に振った。


 今日はそっち。


 そんな仕草だった。


「振られました……」


 結衣が肩を落とす。


「振られてないだろ」


 葵が笑う。


「たまには友達と食べたい日もあるよ」


「そうですよね」


 レナも小さく頷いた。


 一方。


 少し離れたテーブル。


「陽菜」


 友人が笑う。


「最近あっちで食べてなかった?」


「うん」


 陽菜は笑顔で頷く。


「今日はこっち」


「何かあった?」


 少しだけ考える。


 そして。


「うーん」


 照れ笑いを浮かべた。


「ラブステータス」


 友人たちが顔を見合わせる。


「また頑張ろうかなって」


「おっ!」


「いいじゃん!」


「今度こそ彼氏だね!」


 陽菜は笑った。


「うん!」


「今度こそ」


「素敵な人見つける」


 その笑顔は。


 もう前を向いていた。


 直人たちの席。


 結衣が遠くの陽菜を見る。


「陽菜先輩」


「元気そうですね」


「ああ」


 直人も小さく頷いた。


「よかった」


 その一言だけだった。


 昼休みは。


 それぞれの場所で。


 それぞれの時間が流れていた。

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