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第12話 初めてのマッチング

 経済力がEになった翌日。


 俺は何度もラブステータスを確認していた。


━━━━━━━━━━━━


東條直人


総合ランク:D


━━━━━━━━━━━━


運動能力 D


頭脳   C


センス  E


ルックス C


経済力  E


━━━━━━━━━━━━


「Dか……」


 思わず呟く。


 ここまで長かった。


 本当に長かった。


 すると。


 通知が表示された。


『新規メッセージが届いています』


「え?」


 一瞬固まる。


 メッセージ?


 誰から?


 恐る恐る開く。


『はじめまして』


『マッチングありがとうございます』


 女性だった。


 人生初。


 本当に人生初のマッチングメッセージだった。


「うわっ」


 思わず端末を閉じる。


 心臓がうるさい。


 落ち着け。


 ただのメッセージだ。


 別に告白されたわけじゃない。


◇◇◇


 十分後。


 ようやく返信した。


『こちらこそよろしくお願いします』


 送信。


 たったそれだけなのに緊張した。


◇◇◇


 翌日。


「なんだその顔」


 山本さんが笑う。


「顔?」


「ニヤけてる」


「ニヤけてないです」


「嘘つけ」


 高橋さんまで笑っている。


「何かあったな」


「いや……」


 言うか迷う。


 だが。


 この二人には話してもいい気がした。


「マッチングしました」


 沈黙。


 一秒。


 二秒。


 三秒。


「うおおおおおお!」


「ついにか!」


 予想通りだった。


 うるさい。


 とにかくうるさい。


◇◇◇


 それから一週間。


 メッセージのやり取りは続いた。


 普通だった。


 趣味の話。


 大学の話。


 好きな食べ物。


 普通に楽しかった。


 だから。


 会うことになった。


◇◇◇


 待ち合わせ場所。


 俺は少し早めに着いていた。


 緊張している。


 当然だ。


 人生初だぞ。


 すると。


「東條くん?」


 声が聞こえた。


 振り向く。


 そこには。


 金髪。


 派手なメイク。


 大量のピアス。


 想像していた姿と全然違う女性が立っていた。


「え?」


「私だよ?」


 プロフィール写真を見る。


 確かに本人だった。


 面影はある。


 だが。


 写真と今では別人だった。


「びっくりした?」


 女性は笑った。


「少しだけ」


 本当はかなり驚いた。


 だが。


 悪い人ではなさそうだった。


 少なくとも。


 メッセージの印象と同じで明るい。


「とりあえず行こうよ」


「うん」


 俺は頷く。


 ラブステータス。


 思っていたより。


 ずっと奥が深いのかもしれない。


 そんなことを思った。

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