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第11話 勉強

 センスがEになった翌日。


 俺はラブステータスを開いていた。


━━━━━━━━━━━━


東條直人


総合ランク:E


━━━━━━━━━━━━


運動能力 D


頭脳   D


センス  E


ルックス C


経済力  F


━━━━━━━━━━━━


「次は頭脳かな」


 経済力はバイトを続ければいい。


 問題は頭脳だった。


 D。


 悪くはない。


 だが良くもない。


『おすすめ』


『資格取得』


『学習時間増加』


『専門知識習得』


「資格か」


 大学生らしい。


 俺は検索を始めた。


◇◇◇


「何見てんだ?」


 大学。


 隣の席に座った佐藤が覗き込む。


「資格」


「お前が?」


「失礼だな」


「失礼だったな」


 全く反省していない。


「何か取ろうと思ってさ」


「へぇ」


 佐藤が感心したように頷く。


「最近頑張ってるよな」


「そうか?」


「髪切ったし」


「うん」


「服変わったし」


「うん」


「筋肉ついたし」


「そうか?」


「地味にだぞ」


 地味なのか。


 まあ派手についても困る。


「何目指してるんだ?」


 そう聞かれて。


 俺は少し考えた。


「好きな人かな」


 気付けば答えていた。


「うわ」


「うわってなんだ」


「青春してんな」


「してない」


「してる」


 してない。


 たぶん。


◇◇◇


 結局。


 資格はIT系の入門資格を選んだ。


 将来も役立つ。


 難易度もそこまで高くない。


 何より。


 ラブステータスの評価にも繋がりそうだった。


「よし」


 参考書を買う。


 意外と高い。


「また出費か……」


 最近そればっかりだ。


 服。


 ボイトレ。


 参考書。


 金が飛ぶ。


 だが。


 必要な投資だと思うことにした。


◇◇◇


 数週間後。


 バイト。


 勉強。


 ボイトレ。


 大学。


 気付けば忙しい毎日になっていた。


 以前のように動画を見て一日が終わることもない。


 だけど。


 不思議と嫌じゃなかった。


「東條」


「はい」


 引越し作業中。


 山本さんが俺を見る。


「顔つき変わったな」


「そうですか?」


「ああ」


 高橋さんも頷く。


「最初よりいい顔してる」


「そうか?」


 自分では分からない。


 だが。


 少しだけ嬉しかった。


◇◇◇


 帰宅後。


 ラブステータスを確認する。


━━━━━━━━━━━━


東條直人


総合ランク:E


━━━━━━━━━━━━


運動能力 D


頭脳   C


センス  E


ルックス C


経済力  F


━━━━━━━━━━━━


「おっ!」


 思わず声が出た。


 頭脳が上がっている。


『継続的な学習を確認』


『頭脳を再評価しました』


 通知が表示される。


「よし!」


 ガッツポーズする。


 これで。


 Dが二つ。


 Cが二つ。


 Fが一つ。


 あと一歩。


 本当にあと一歩で。


 総合Dが見えてきていた。

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