東雲紗理奈と天野蓮の失態
どっからどう見てもそこにいる女は三女なんだが、ふざけて英語で話しやがるので仕返しだ。
はは〜ん?こいつさては俺が英語できないと思ってるのか。
徹底的にやってやろうじゃないか。
「Sigh... Man, the shrine maidens around here are nothing but trouble」
「Oh, so that's how it is?」
「..え?」
市のスピーチ大会で1位を取ったこともあるこの俺
のペラッペラで流暢な英語をドヤ顔しながら言ってやったが、何故かそれらしい返答が返ってきた。
いやまさかね..この俺の英語レベルと同等なんて事はない..はず。
「Wow... You really messed up on the easiest part, didn't you?」
次なる英語を考えていた俺を他所に彼女はゆっくりと隣に座ると、問題を解いたノートを見てここぞとばかりに煽ってくる。問題と俺を交互に見てくるのが余計にいやらしい。
ちなみに結構難しくて間違ったところなんだが..
え、何なのこいつ。この顔で出来んの?
「Oh, by the way, did you know? "The talismans" from this shrine are super popular for warding off evil.」
さっきからずっと呆気を取られている俺に、ついに彼女は己の知識を紹介しだした。
まるでオタクのように人差し指を立ててペラペラ喋る彼女の隣で唯一聞き取れたのはここだけ。
それ以外は某どうぶつの○にでてくるキャラの声にしか聞こえなかった。
恐らく神社の何かについて話しているんだろうが、悔しいことに意味が分からない英単語が使われていて、何を伝えたいのか分からない。
重要な事だったら困るので..聞くしか、無いか..。
「sorry...What is talismans mean?」
俺が悔しそうにそう聞くと、彼女は話すのをやめて、嬉しそうに笑顔を作る。
「えへへぇ、やっと負けを認めたねえおにいさ〜ん♡えいえい♪」
「なんなんだよ..お前」
彼女らしい日本語の煽りでほっぺをツンツンする。
でも正直そんなことはどうでも良くて、彼女の英語力の方が気になっていた。
「実は私さあ英検一級持ちのTOEIC満点なんだよお」
「・・・ん?」
にひぃと擬音が書かれそうな笑いにダブルピースを添える俺の目の前の女。
復唱。エイケンイッキュウモチ、トイツクマンテン...
「それは勝てるわけないじゃん..」
「そりゃ勝たれたらこまるもおん」
とほほ、と力が抜けてく俺に彼女はほら!頑張ろおにいさん!と背中を一生ちょんちょんしてくる。
「いたい、いたいって!」
しょうがない。もう開き直って教えてもらうか。
こうして、季節外れのビキニ巫女とそれに反応しないアホ男の勉強会が始まりました。
「ほらおにいさ〜ん、ここにさっきの単語でてるっしょ?これお守りって意味なんよお」
「へぇ〜、さすが巫女だな。ところで他2人は英語ペラペラなのか?」
「まあみらねえはできるよ、ちひろねえは...まあちょっとね..」
「深くは聞かないでおこうか」
「そだねぇ」
さっきまでうざ苦しいと思っていた三女が俺の隣に腰を下ろして意外に丁寧に教えてくれている。
結構分かりやすく説明してくれるおかげで、姉たちに食われた分は少し巻き返せそうかもしれない。
他愛もない世間話(姉たちの話ばかり)も混ぜながらする勉強は1人よりもためになった気がした。
いやあ、こうやって自分よりできる人。今までいなかったからためになるなぁ....あ?
10ページ終わって一度伸びをする。
時間的にもそろそろご飯だから聞きに行こうかと思ったんだけど・・・
「おいさりな...格好..」
上下が逆さになった俺の世界でその先にいたのは、しゃもじを持ってこちらを見る次女千尋。
格好..?そういえば長女は巫女装束だったが、こいつはスカートだったっけ。まあ言うても変わらな...。
あれ。こいつ教えてくれる前どんなふうに現れたっけ。
ええと、金髪,眼鏡,...水着...ミズギ...ミズ..
すぅーー...
「おのれのれん..さすまたを腹に迎える準備はできているか?」
「い、いやあ...」
「このクズ野郎があああ!」
「ちょ!待っ!!!」
ここで思ったことはおのれのれんって何か言いにくいから繋げられるねってことと、まぁたしかに姉からしたら下着同然の服で居候に何かやってるって結構ヤバいっていう発見です。
この後、どうにか三女が場を宥めてくれました。
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参考程度に英文の訳を⬇
「はぁ全く、ここの巫女は問題児ばかりだね」
「へえ、言うねえ」
「わあ、こんな簡単な問題間違えたんだね?」
「あ、そういえば。うちの神社のお守りは凄いご利益があるって有名なんだ」
「ごめん、お守りの意味って何?」




