表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【かみはで】神様、うちの巫女達が今日も派手すぎます。〜神社に引き取られた俺を待っていたのは三姉妹ギャル巫女でした〜  作者: 仁波昼海
第1部第3章:私はあなたの妹

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/40

人を巻き込む才能


ゲートをくぐった瞬間だった。


「よーし!」


紗理奈が勢いよく少し駆けて、バッと両手を上げる。


「遊ぶぞぉー!」


周囲の視線が少しだけ集まる中、俺はもらったパンフレットを片手に平然を装って話しかける。隣にならぶと自然と姿勢が下向きになってしまうのが痛いところだな。


「お前羞恥心とかないのか?」

「何言ってんの、夢の国だからないでしょ」

「あぁ…そういう」


嗜めるような顔で突っ込まれる俺。

え、俺の感性間違ってたのかな…。もしかして入り口で叫ぶのって普通なのか??

謎に自信のある発言だっただけに、俺は三女に少し置いてかれそうになった。

小走りで左後ろに追いつく。


「まず何乗るぅ?」

「お前が決めるんじゃなかったのか」

「聞いただけだってぇキレ症だなあ」


せっかく頼りにしてるというのに役に立たない。

俺は案内マップを見る。

正直こういう場所に来た経験がほとんどないため、何が面白いのかもよく分からなかった。


「ふぅむ」


その横から紗理奈も覗き込む。


「決まったか?」

「おにーさんさぁ」

「ん?」

「絶対こういうとこ来ないタイプだよね」

「来ないな」

「即答じゃん」


だろうねぇ、と本人も納得していた。


「じゃあ今日という日をこの紗理奈ちゃんが良い経験にしてあげよう!」

「ここまで先が不安になったのは初めてだ」

「大丈夫大丈夫」


彼女は宣言するように人差し指をピンと立てて言う。

全然大丈夫そうな顔じゃないな、既に何か企んでいるっぽい。

呆れてため息をつくと、紗理奈が不意に俺の袖を引っ張った。


「ほらほらおにーさん」

「なんだ」


指差された先を見る。


「……」

でかい。

「……」

高い。

「……」

嫌な予感しかしない。


「ジェットコースターだねぇ」

「見れば分かる」

「乗ろっか」

「却下」


即答だった。

すると紗理奈は目を丸くする。


「え、なんで?」

「なんでじゃないだろ」


どう見ても怖い。

レールは空高く伸びているし。

時折聞こえてくる悲鳴も全く安心材料になっていない。


「あれ乗るのか?」

「乗るために来たまである」


意味が分からない。

もうちょいオブラートに包もうとか思わなかったのか。


「高いとこ平気って言ったじゃん」

「平気と好きは別だ」

「あー」


紗理奈は納得したように頷いた。


「怖いんだ」

「違う」

「怖いんだ」

「違う」

「怖いんだぁ」

「違う」


三回言わせるな。

紗理奈は堪えきれなくなったように笑い始める。


「にひひ」

「笑うな」

「だってぇ」


肩を震わせながら続ける。


「おにーさんにも苦手なものあるんだねぇ」

「んなの誰にでもあるだろ」

「えぇてっきり無敵かと思ってたぁ」

「俺も人間なんだよ」


俺の周りはむしろ苦手なものだらけ。ギャルだって元はその部類だと言うのに。

冗談だってぇとほのめかし、彼女はケラケラ笑う。あぁ〜お腹痛いとか幸せそうに言っちゃって。

観覧車の時の未来もそうだったが、この姉妹はよく顔に出る。


「ほら、行くよ」


また袖を引っ張られる。


「待て」

「だーいじょうぶだって」

「根拠は?」

「私がいること?」


疑問符がついてる時点で根拠になってない。

なっていないのだが。


「ほらほら〜」


ぐいぐい引っ張る紗理奈の背中を見る。

こいつは多分、自分が楽しいと思ったものを誰かと共有したいタイプなんだろう。


未来が誰かの面倒を見る人なら。

紗理奈は誰かを巻き込む人間だ。

良くも悪くも。


「おーにーいーさーん」

「引っ張るな」

「置いてくよぉ?」

「勝手に行け」

「行かないけど」


だったら脅すな。

そんなやり取りをしているうちに、気付けば列の最後尾まで連れて来られていた。


「……」


「……」


俺は前を見る。

ジェットコースター。

俺は後ろを見る。

満面の笑みの紗理奈。


「帰りたい」

「もう並んだから無理〜」


終わった。

皆様、いつも拝読ありがとうございます。

是非ブクマ、評価の方してないよって方はお待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ