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【かみはで】神様、うちの巫女達が今日も派手すぎます。〜神社に引き取られた俺を待っていたのは三姉妹ギャル巫女でした〜  作者: 仁波昼海
第1部1章:ハチャメチャストーリーの幕開け

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派手でハチャメチャで

私は未来と一緒に箱を覗きに行った。

確かに私が昨日の朝見たときよりも多くなっている気がする。


一体どういうことだ?


「ねぇちひろ、これ...」


私が考え込んでいた横で、未来が決定的なものを見つけ出した。





「次女も次女で頑張ってるんだな..」


俺は自室に1人座って、頑張る彼女たちのために何か出来ることはないかと考えていた。


料理をつくるとか洗濯物やるとかそういうのでもいいけど、一歩間違えたら罵詈雑言を浴びちゃうからなぁ..

考えれば考えるほど実に悩ましい。

やっぱり、自分とかけ離れた存在に出来ることなんてないのかもしれない。

もう心の奥で次女が合格するのを祈るとかそんなんしか...


祈る?

俺はふと思い出した。


「そうだ、お守りだ!」


俺は立ち上がり、準備に取り掛かった。


「え〜と、材料は..これでいいのか?」


一旦次女が作ったのを見た時に目に入ったものを持ってきた。

折り紙と糊と、中身は五円玉?だよな。


ほんとにとりあえずで持ってきたものだから、これでできるかは分からないが...


「よし、1回見よう見まねでやってみよう」


スマホで調べてやることも出来るが、それだと神秘に欠ける気がしたのでやめておいた。


「...」


五分後。

机の上に置かれているのは、見るも無惨な姿になった折り紙。


「ま、まだまだ!」


でも俺は諦めない。

きっと彼女が御守りを作ろうという気持ちはこんなものじゃない。

これが負けず嫌いだったとしても、まだ辞めたくないことに変わりはなかった。


いつになく真剣な顔つきで試行錯誤する彼の横顔を、どこからか現れた何かが眺めていた。


「ふ〜ん、これが未来の神主くんかあ」


だが、彼は集中していて全く気付かない。


「ま、なしよりのありかな?」


微笑みながら彼を見つめているそれは、巫女装束を着たこの世のものではない雰囲気を纏っていた。


「で、できた!!!」


度重なる格闘の末、30分後、ようやくたくさんの御守りが完成した。

次女の作ったものよりも少し歪で格好悪いけれど、俺にだってできた。


「あとは...あれだな」


俺は御守りを1ヶ所に集めて、手を合わせる。

目を瞑って、心からの祈りを捧げる。


「この小さな結びのなかに、千歳の加護を込めました。どうか、あなたの一歩を照らす光となりますように」


俺は神様を信じていなかった。

迷信で神話で、だからこその神様なんだと、いつだって持論を貫いてきた。


だけど...

人のために願うときに、神様がいてくれればそれほど心強いことはない。

だから迷信でも神話でも、俺は神様がいると信じて、人のために願える。そんな人間になることにした。


今まで16年間持ち続けてきた考えが変わったのは、多分、いや絶対。あの3人のおかげ。

だから家族みたいには接しなくても、俺は自分なりに彼女たちの手伝いをしたいと、そう思った。

ほんのちょっとだが、特別な御守りも作ったしな。





箱の中から引っ張りだしたのは、他の御守りとわざわざ別で入っていた茶色っぽい袋。

もちろん私はこんなの入れた覚えがない。

まだ何が入ってるかすら分からないが...


「ねぇ!なんか御守り入ってる!」


そんなもの関係なしに未来は袋を開ける。

中身は偶然にも御守りだったみたいだ。

でも、ここまで分けられているということは、普通のものではない。

彼女はその御守りの正体確認するため、中から一つ手に取り出した。


すると、不思議そうにその御守りを眺める。


「これ、ウチの名前入ってる...」

「え?」


ほら、と御守りをこちらに向ける未来。

確かに普通は御守りに込められた願いが書かれている所に、「未来」と名前が刻まれていた。


「え〜、後ろには....舞、すごかった!だって..ははは!」


堪えきれずに未来は笑い出す。


「あ!こっちは私の名前入ってる!」


置かれた袋から今度は紗理奈が御守りを取り出した。


「やばあ!英語また教えて!って書いてるう〜」

「それ口で言えよな!」

「ねぇ〜」


それ御守りで書くことか?

みたいな言葉にまた2人は笑う。


2人のお守りがあるなら、残り1つは...

私は二人がお守りを見て笑うのを他所に、袋から残りを取り出す。


そこにはやっぱり私の名前が書かれていた。


「ねえ、千尋は何書いてた?」

「教えてくださいよお〜」


ふたりは私のが気になってこちらを見る。

気になる後ろには..


「君ならできるよ」


...



2人とは少し訳が違うセリフに、私は固まる。


「どうしたん?」

「まさか...告白?!」

「んなわけないっしょ〜って...え!!?」


ふざけたやり取りの中で、急に未来がびっくりした声を上げる。


「どうした?」

「そ、そら!!」


私含め3人とも、一斉に空を見あげた。


満天の星が降り注ぐような今日の夜。

少しずつ夜空の藍色が薄くなっていき、東雲色の光が差し込み始めた。

その柔らかな光は次第に空を包み込み、夜なのに明るい、空想的な状況を作り出す。

まるで神様が地上に降りてくるような、そんな雰囲気を纏った空気感だった。


私は、今きっと布団の上で寝ている彼のことを頭に浮かべる。


「君ならできるよ」


今までならここで、合格できますように。

と願っただろう。


でも、私が今、心から願ったのは。



「彼と私たち三姉妹がうまくやってけますように」



もちろん段階的な話ではある。

いきなり馴れ馴れしくしようなんて、思ってはいない。

だけど、私がこう思ったのは、


「神社に身を置く人間としては、ひとまず合格..だな」


このお守りを見た時に、微笑ましく、こう感じたからだ。






翌日の昼。

居間で食卓を囲んでいる巫女三姉妹加えて俺。

決して仲良くなったと言い切れるほどでもないが、ある程度の話ができるようにはなっていた。



「お守りなんて粋なことするんだねえおに〜さん」

「ほんとびっくりしちゃったよ〜」

「ま、まあな」


ニヤニヤと笑いながら言う長女三女と話していると、開きっぱなしだった襖から声がした。


「仲良くやっているようで何よりですなあ」


「「「爺さん!」」」

「ただいまぁ、遅くなってすまんのお」


目を擦りながら現れたじいさんに、3人が声を揃えていった。

なるほど、これが現宮司さんの東雲千寿しののめせんじゅさんか。


「君が天野蓮くんかね?」

「はい、この度はありがとうございます」


こちらを向いた爺さんに、礼儀正しくお辞儀をする。


「いやあよかったよかった。なんとか打ち解けてくれているようで安心したよ」


「ほな心配なさそうやの」


じいさんはこちらに向かって歩いてくる。

そして断定的に俺たちに聞こえるようにこういった。


「そしたらこれでこの神社の跡取り問題も解決ですな」


空気が一瞬にして固まったような気がした。



「...跡取り?」

「あれ?ウチ言ってなかったっけ。

蓮たんはここの婿養子として迎え入れられたから、神社を継ぐ未来の神主ぃって」


思い出したような、ほんとに覚えていなかったような、とぼけた顔をする長女未来。



「何言ってんだ爺さん!婿養子ってなんだ?」


「俺はただの養子としか聞いてないし、そもそも相手がいないだろ!」


俺は目の前に来たじいさんの肩を持ってそう問いただす。

すると爺さんは困ったように、でもしっかりとこう告げた。


「相手ってそりゃ―――」



「うちのこの巫女さんたちの誰かやね」

「は...?」


これは初めて聞くのか、3人も固まる。




「「「「えええええええええええええええ!」」」」



昼の神社に響き渡る、驚きに包まれた声。


これはギャル巫女三姉妹と俺の紡ぐ、

派手でハチャメチャで、それでいて誰にも掴めない、そんな物語だ。


























































第一章が終わりました。

皆様、読んで頂きありがとうございます。

是非是非励みになりますので、ブックマークや評価の方宜しくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
お守りのチョイスが流石です。 これは3人の好感度がアップしませんか? これからも応援致します。
ここまで読ませていただきました! 主人公が合間合間に見せる男らしさのシーンがより如実に出ていて、読んでいて格好いいなと思いました。こういう描写が丁寧におかれていると、主人公も応援したくなり、とても楽し…
第一章の感想として書かせていただきます。 若さ溢れる勢いのある筆致(ぜんぜん若くなかったらごめんなさい)。おそらく多くの世代が触れてきたであろう「主人公が突然美少女たちと同居することになって…」の文脈…
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