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【かみはで】神様、うちの巫女達が今日も派手すぎます。〜神社に引き取られた俺を待っていたのは三姉妹ギャル巫女でした〜  作者: 仁波昼海
第1部1章:ハチャメチャストーリーの幕開け

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私は未熟

僅かに開いていた襖の間から中を覗くと..


「右、左、横!」

「そこ左手ださないと〜」

「はい!」


「...」


川の字に並べられた敷布団の上に、今日見た舞を必死に練習する次女、座ってそれを指導する二人がいた。この時間だからか、巫女装束ではなくパジャマで。


そういえば爺さんがなんとか会とか言ってたもんな…

神主不在であの舞してたんだ。


俺は呆れと尊敬を同時に感じながら三人を見続ける。

てっきり合格しなきゃ!という強い意志に狩られて殺伐とした雰囲気なのかと思ったが、全くそんなことないらしい。

真剣な顔つきではあるものの緊張ガッチガチとかではなく、軽く教えて気楽に覚えていこうみたいな姿勢が見守る2人から溢れ出ているから、次女は見た感じ楽しくやってるみたいだ。

多分そっちのほうが、覚えることが苦手な次女でも変にプレッシャーがかからないし、姉妹たちも配慮してやってるのかもしれない。


でも、こうやって楽しい雰囲気で進めてる中にも結局は裏に隠れているものがあるんじゃないだろうか。とも俺は思う。

汗を光らせながら踊る彼女は、自分だけ選ばれなかったという事実を真摯に受け止めていて、

それに向き合った彼女を姉妹たちは心から受け入れてるとか。

「私だけ出来てないから..」とか、「3人で踊りたいな」みたいな想いが奥の方に詰まっているとか。

決して口には出さないけど、私が○○しなければ..という責任感や熱い気持ちが彼女たちを動かしているとか。

ずっしりと重い。それでいて難しい。

俺には到底理解できない、姉妹ならではの考え方。

もしかしたら今言ったのは俺の妄想にすぎず、ほんとに単純な気持ちでやっているかもしれない。

だがそれもまた姉妹ならでは。


まだ分かりやすい例を1つ目にしただけだが、共助の精神とはこういうことを言うのかもしれない。

思っていても口に出さないのが気遣いなんじゃなくて、そんなことを思わせない仲にしていこうという気持ちやスタンスが一番の気遣いなんだと思う。


俺は見るのをやめ、廊下の壁にもたれかかった。

壁越しに聞こえてくるのは拍を取る長女の声と、励ます三女の声。

幼稚な例えかもしれないが、小さな子供が自転車に初めて挑戦する時のようだ。


踊る時は一人で当たり前のようにしなければならない。

だからそれまでは家族の支えに優しく包まれながら過ごしていく。


今ここは俺がいる場所ではないな。

勉強の息抜きには丁度いいかもしれない。

俺は彼女の頑張る姿に狩られ、信じずにいた神という存在を拝むときがきたようだ。



「...あれ?」

「どうしたのみらねえ」

「人があっちにいたかもしんない」


長女は僅かに開いている襖を指す。


「誰もいないよー?」


怖いのが苦手なのか、少し怯えている長女を他所に、三女が見に行く。

襖の先の廊下を右左1回ずつ見たが、人影はなかったようだ。


「ほんとビビりだねえみらねえちゃんは」

「はいはい!そういうことにしとくね」

「あ!みとめた!」


「ちょっと。まだやってる最中なんだけど?」


「「は〜い」」


次女は指をさしていちゃもんを付ける三女と、大人っぽく振舞ってるが全然そんなことない長女の軽い言い合いを制止する。

こうして彼が追いかけられることはなかった。






「はあ〜疲れた」

「お疲れ〜」

「お疲れちひろねえ」


時刻は始めてから1時間半ほど経ったところ。

冷房を途中からつけていたけど、やっぱり暑い。

普段ならすぐ寝る時間なんだけど、

今日は寝る前にまだしなければならないことがある。


「お守り回収しに行くよ?」

「「は〜い」」


なんで教えてる方が疲れてんだか。

だるそうに返事するもんだね。


眠そうに返事する2人を立たせて、外へと向かう。

お守りに授けた加護は一日で無くなるものではないが、今日は舞があったからもう一度祈りを捧げなければならない。


それは、別の祈りを捧げているのに二日連続で神様を呼んでしまっては、御守りの加護が上書きされてしまうという考え方が浸透しているから。

タイミングが上手く把握できて無かったからこういう羽目になったんだが、面倒くさいと思ったことは無いから、別に大丈夫。


「えっと、deal withは...なるほど」


私は道中では英語の勉強をする。

たまに未来とか紗理奈に問題をだして貰ったりもするが、このままでは行けないと自分を戒めるつもりでやっている。

あいつにも言われたが、未熟なのは確かだ。

明らかに私だけが姉妹の中で劣っているということを自覚しなければならない。


この自作の御守りも、私がちょっとでも役に立ちたいと思って始めたことだからな。

外に着いて紗理奈がお守りを回収しにいく。

私と未来は後ろで英語の勉強をしていた。



「あれ..おかしいなあ」



その最中に耳に伝わるのは困惑する紗理奈の声。

何度もお守りを見ては、不思議そうに立ち止まっている。

ちなみに、外国の方にこそ手渡ししたが、普段は「ご自由にお取りください」とセルフの形にしている。

全然減らなくて、私が悲しくなることも多々あるが、逆に私の力を感じられるといっても過言ではないからな。


「どうしたのー?さりなー」


遠くから見ていた未来が気になって声を張る。


「これさー、お守り多くない?」


「「え?」」


本に目を落としていた私も隣にいる未来と思わず目を合わせた。

変わってないならまだしも、多くなっている?









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