予知夢
今日もまた、学校の終わりに図書館へと向かう。
今日は神田だけではなく、藤島もこのメンバーに加わっていた。
「よぉ、久しぶりだな。神田。」
「一週間前に駅であっただろ。なぁ!翔。」
「しらないよ、僕にふられても。」
僕と藤島は中学校2年生の時に出会い、そこからずっと仲が良い。
だが、神田と藤島は小学校から同じで、同じチームでプレーしていた事もあるらしい。
藤島は、バレーの推薦で地元の強豪校に入った。
身長は170cmと僕達とあまり差はないが、磨かれた筋肉の肉体美が、彼をより一層デカく感じさせる。
「はぁ、せっかくのオフが勉強に潰れるのか……。」
藤島はそう嘆きながら、カバンから教科書を取り出す。
「そっちも今テスト週間?」
「まぁ一応な。部活は休みにならないからいつもと同じだけど。」
「悲しいな〜。」
そこから僕達は、久々の談笑に花を咲かせ、勉強に全く手をつけないまま時間が過ぎていった。
その時、ふと見た本棚の近くから、一冊の本が落ちているのを見つけた。
(昨日もあの本落ちて無かったか?)
気になった僕は、トイレと言って席を外し、その本を読む事にした。
内容は、主にヨーロッパの地図や郷土料理、人々の生活について書かれた普通の書物だった。
資料集のような見た目を裏切らない中身に、少しガッカリしている自分は、そっと本を戻す。
神田は、その様子を密かに見ていた。
今日も、それ以外は特に何と言った事はなく、いつも通り帰宅した。
今日の夢は、海外が舞台で、観光中にギャングの抗争に巻き込まれて銃に撃たれる夢を見た。
バンッ!!
その情景はあまりに現実的で、銃声と共に目が覚めた時は、夢と分かってほっとした。
その日、朝のニュースでこんなことが取り上げられていた。
”日本人留学生3人が、アメリカに滞在中銃に撃たれ二名が死亡、一人重症を負う。”
その時を境に、僕は自分のこと能力を知る事となる。
他の何でもない、”予知夢”を見ている事について。




