第14話 : 現れたファンタジーの極地たるドラゴン!探検隊を揺るがす恐るべき提案とそれに対する答えとは!?
今、この天才古生物学者である小平名香代ちゃんの目の前に、
本物の、ファンタジーのドラゴンが現れました。
「暗黒竜デーギラ!?
何故この島に来た!?!」
「これはこれは、アルトリーシャ伯爵殿!
この度は新たな領地を得られた事、この暗黒竜デーギラ敵ながらもまこと心から祝福と賛辞を申し上げる。
我が身体に傷をつけた憎きかの剛力の勇者が、誰からも差別される様なクズ種族たる飛竜人なままなのは腹が立っていた。
いや、腹が空いていた、の方が良いかな?
我に挑む愚か者の食餐の魔法にはさぞ良い肉となる種族故に……面白いだろう?」
なんて、慇懃無礼な奴!
友達にはなれないな……差別が言葉を吐いてる様な奴は特に!
「よくも顔を出せた物だなデーギラ。
ここで雌雄を決するのもまた運命か」
「おや?
ほほーう……そちらこそよくもまぁ顔を出せた物だな竜狩り未遂のハーヴェスト?
目の前に狩るのを失敗し続けた顔馴染みの竜がいるというのに、顔を出せたとはまた面白い冗談だ。
さて、何度顔を見せるつもりかな?」
「貴様!!」
「抑えてくれハーヴェスト殿!!!
コイツ相手に口喧嘩は分が悪い!!!」
今にも切り掛かる殺気だったハーヴェストさんを、アルトリーシャさんが抑えます。
「ククク……大方、我に勝てぬと見て一度は退けたアルトリーシャへ協力を頼みに来たのだろう。
そう思ってみればコレだ。
良い判断だぞ?弱いものは知恵を使え。
さすれば生き残る確率は上がるというものだ。
まさしく弱き者どもの叡智。素晴らしい」
「……ああ、すまないなアルトリーシャ殿。
コイツは口だけはこの世界で最強であるということを忘れていた……!」
殺気立つ相手に拍手まで添えて、醜悪な笑いを絶やさない漆黒のドラゴン。
「いやそう褒めないでくれ。長く生きている間の手慰みよ。
我は、強すぎた。
ただ捻り潰すだけの何と退屈なことか。
我は、殺す相手の悔しがり、唇を噛み締めこちらを憎しみ見るあの顔が大好きなのだ」
ふと、どこか寂しそうな声音に変わるドラゴン氏。
「それは悠久の時の流れの中の、ほんの小さな楽しみなのだ。
だが知っているだろうか?我は暗黒竜。深淵の力を我が物にした時より最強となった。
故に!!!
ただ殺すだけでは誰もあの、香しく何より面白いあの!!!
あの悔しさが噛み締めた唇に血と共に滲み出るような顔をしないのだ!!!!」
そして、唐突にブチギレたかと思えば近くの家を壊す暗黒竜デーギラ。
その手を家に突っ込んで、中から一人の住人を掴んで引き寄せます。
「ああ、絶望はするだろうとも、深い深い無力感を顔に見せて死ぬだろう。
それは!!最後に見せるべき顔だ!!
その前が見たいというのに、お前らとくれば!!」
唐突に掴んだ頭を、ぎりぎりと力を込めて最後には……!!
「ウッ!」
ブシュウ、と嫌な音と、大きく噴水みたいに噴き出す暗くて見えない色の……残酷な……!
「貴様ッ!!」
「そう言いたいのは我だ。
なんだこやつの最後の顔は?最後まで疑問符ばかりで、理解する間を与えてやったというのに……つまらん」
さっきまで命だったものを、見た目通りボロ雑巾をゴミ箱の捨てるようにそこら辺へ投げ放つ。
そこへ群がる小型恐竜。少し見ていたら、食いつき始めたあたりで唐突に口から黒い炎を出して焼く。
……ああ、コイツには心がない。
慈悲がない、命への敬意がない。
悪、以外の形容詞が、無い。
邪悪以外に何も表現できない。
「そもそも世界をつまらなくしたのはお前だぞ、勇者?
よくも北の魔王を殺してくれたな」
「お前がご主人様に尻尾を振るタイプだったとは意外だな。
ギュスターヴはペットの躾のみ誤ったか」
「ああ、尻尾ぐらい振ってやるとも。
あやつ程の傑物そうはいまい。
せっかく、その繁栄の絶頂の瞬間に我が力で全てを蹂躙しその顔を悔しさに染めてやってから殺そうとしていたというのにな……
まぁ、この我を傷つけ癒す時を必要とするまで追い詰めたお前程の勇者が相手ではな。
そこは、仕方がない」
しかし、と言ってその鋭い爪の人差し指に当たる部分を向ける暗黒竜デーギラ。
「お前との戦いの最後、何だあの醜いまでの笑みは?
不快な顔を見せる戦いをされて、出歯亀で様子を見ていた我は怒りに震えたぞ。
よくもあれほどの傑物を傑物のまま死なせられたものよ。
最低な殺し方をした」
「……やはり、ギュスターヴ殿はペットの躾のみ間違えたようだな」
アルトリーシャさんが、愛用の巨大な大剣を抜きます。
兜を被り、バイザーの部分を下ろして……
「待たれい、勇者アルトリーシャ!!」
ふと、そんな声と共に、ドンとアルトリーシャさんの前に着地する大きな影。
「ダーラム殿!?」
そこにいたのは、巨大な体躯の青肌黒白眼の男性。
魔王四天王『城壁砕き』のダーラムさんでした。
「おぉ、ダーラムか。
お前までいるとはな。姉上は息災かな?」
「なら直接聞いて欲しい物ですね。
あなたの嫌味、嫌いです」
そして、横から同じく黒白眼の青肌な女性こと同じく魔王四天王『紫炎の魔女』ルーナさん登場。
お二人とも、なんだか戦士みたいな鎧姿に魔女っぽい衣装で本気っぽいです。
「元は、コイツの本性を見抜きながら放置した我ら敗戦の将の不始末。
オレ達が戦わずしては、人間に負ける以上の恥」
そうして、鉄塊をハルバードの先端のように加工したみたいな巨大な斧を、両手にそれぞれ短い柄を持って二刀流に構えるダーラムさん。
「どちらにせよ、来てしまった以上は私達も戦いましょう」
何やら紫の光る石の嵌め込まれた杖を持って言うルーナさん。
「戦うのは二度目だが、今度はどんな敗走の仕方をするつもりか知らないが楽しみだ。
苦しむ顔は長引くほど良い……
ああ、おっとそういえば」
そして仰々しい仕草で顎に手を当てて考えてから指を鳴らす動作と共に、何だか地面が光って魔法陣が現れる。
「今回は、より楽しむために部下を連れてきたのを忘れるところだった。
知ってる者も多いだろうが紹介しておこうか」
ドン、と魔法陣から現れた、4つの影。
長身痩躯な白い顎髭に鉄仮面の老人、
そんな隣と同じくらいか、もっと背が高くて手足がすらっとした白に近いブランドヘアーに尖った耳の魔女っぽい女性、
それにまだ子供……?少年かな?
そして、何だか変な雰囲気の鎧の人。
この鎧の人というのが、妙に印象に残ったのがその背負っている剣です。
なにせ、アルトリーシャさんの鉄塊みたいな剣に負けず劣らずのサイズですもの。
「我が右腕、『鮮血の刃』ことアンシール。
そして、ハイエルフの『深淵の魔女』レア。
そこの彼はアンシールが孫にして『天武の剣聖』アリーヤ君に、
かつては、私の命を狙っていた伝説の『剛腕騎士』ユーリアン」
「……この島以外の生きた伝説をこの目で見ることになるとは」
周りの、この世界の人達皆が生唾を飲んだり冷や汗を掻いているのが分かります。
あの人の紹介で、余計に空気が変わったと。
「アルトリーシャさん、あの鎧の人知ってるんですか?」
「こちらの世界では有名だ先生。
御伽話にもなった大英雄。
……そして、世界で最も悲劇的な末路を迎えた偉大なるも悲しい騎士」
「グレートソード、その名を持つ武器を扱う者にて剣の腕で名を馳せたのはこの世界に二人しかいない。
我らが勇者、グレートソードのアルトリーシャ。
そして、100年前にかの暗黒竜に敗れるまで無敗を誇る元祖グレートソード、剛腕騎士のユーリアン……!」
……なるほど、強いことはよくわかる説明です。
「ほっほっほ。
私が幼少の頃よりその名を馳せる英雄と肩を並べていると思えば、実に誇らしい気分となりますな」
「フフフ……♪ユーリアン様も喋る事ができぬ身になってしまったのも残念がっていますでしょうね」
敵の、多分アンシールさんと言う老人とレアさんと言う女のエルフ……ハイエルフ?の人がそう言います。
「それをアンタが言うわけね、レア。
趣味の悪いハイエルフが、そこのバカをお人形にして毎日遊んで楽しそうね?」
その二人に話しかけるよう、フランツェスカさんがそう問いかけます。
「あら、フランツェスカ。ごきげんよう。
もちろん楽しいですわ?だって……あのユーリアン様と共に立てるだなんて」
どことなく、扇状的な手付きで隣のユーリアンさんと言う鎧の方を下から上へ撫で、その身体を預けるように押し付けるレアさんとか言う方。
「共に立てる?
プッ!今の聞いたみんな!?
意思も魂も縛ってる操り人形相手にしておいての傑作ハイエルフジョークよ?
笑ってやりなさいよ!ははははは!!」
「……フン。同い年とはいえ田舎森のエルフの分際で。
まだ色も恋も知らない小娘みたいな身体が生意気をいうものではないわ?」
「同い年の400歳のくせして、どこかの馬の骨とでもネンゴロして身体だけは女になったつもりのお人形大好きな鼻垂れレアちゃんにだけは言われたくないわね?」
「チッ……下等なエルフ風情が……!」
「傲慢なだけの名前負けエルフが偉そうなのよ」
そしてこっちはこっちでバッチバチ!
なんか因縁あるんですか?
「フゥ……話が長いですね、ギーデラ様?
僕飽きちゃいました」
「まぁそう言うなアリーヤ君。
殺し合いの前の様式美だ」
「ほっほ、まぁまだ青いアリーヤには分からんか。敵とはいえ、そこには親愛に似た感情もあるものよ」
とはいえ、とアンシール氏が、腰に携えた剣に左手を添えます。
「そろそろ、はじめるとしましょうか皆の者」
一言で、また剣呑な雰囲気が来ます。
アルトリーシャさんも剣の柄を握って、背中から抜いて構えを取ります。
「逃げてくれ先生。冒険者の皆も付き合う必要はない」
「え?」
ふと、アルトリーシャさんがそう声をかけます。
「け、けど逃してくれるかよこの状況で……!?」
「逃しはしないが、逃げるのはまぁ……別にいいぞ?
我にとって有象無象が絶望しているだけの戦いはつまらん。
後で処理すればいいだけだ」
「…………」
「名香代先生、一緒に行けなくて申し訳ない。
だが、ここで戦わねば、」
「あの、すみません。
古生物学の学術的貴重な調査のためにこちらのアルトリーシャさんを借りたいので、戦闘行為の延期を要請します!」
……………………
『は?』
「いやだから、これから飛竜人の祖先にあたる恐竜を探すのに、この島の詳しいガイドでもあるアルトリーシャさんが必要なんです。
細かい地形、細かい生物分布は私の知識より住んでる人の、なんならアタックした人の経験が重要なんですよ。
ただでさえ初日のアクシデントで、調査期間がやや押されてたりしているのに。
こっちの予定も考えて襲撃してくれませんか?」
私の言葉に、よりにもよって味方側が『何言ってんだコイツ』という顔を見せてきました。
敵側の御老公、アンシールは明らかに笑いを噛み殺してますし、
敵のボスに至っては、
あ、状況が飲み込めていない顔で。
「…………
自分が、何を言っているのか、分かっているのか?」
「もう一度言いますが、生物学的に貴重な学術調査があるので、戦闘行為を延期してください。
こっちは、これから飛竜人と飛竜の祖先を探しに行く所なんですよ?
せめて日の出までには出ないと」
私の言葉に、暗黒竜氏は困ったと言うか……
可哀想な目でこちらを見てきました。
「…………この際、我と勇者とその他の因縁は置いておこう。
だが置いておいたとして、異世界人。
飛竜は、竜の鳴り損ない。劣等な紛いもの。
その祖先なんぞ見つけてどうする?祖先は偉大だったとでも思いたいか?いやそれを思うはそこの飛竜人だろう。
指が3本しかない、魔力が使えない、そんな取るに足らない生き物が、我ら悠久の時を生きた竜を差し置いて先祖を探すは烏滸がましいぞ?」
「……?」
ん?
「ちょっと聞きたいんですけど、今の話、
竜の歴史って一体どれほどの長さで?」
「数千年にも及ぶ悠久の時であるが、恐れ慄いたか?」
「短っ」
思っていた5倍短いですね。
「短っ!?!」
「数千年とか、地質学的には最近ではほぼ一瞬ですよ。
それ以前の進化途中や同じ科、あるいは同じ上科か同じ類の化石は見つかってないんですか?」
「貴様、言うに事欠いて短いだと!?
それになんだ化石とは!あんなものなんになる!?」
「我々、あなた方の言う異世界の人類の歴史は10万年程度と浅い方ですが、人類や猿を含んだ霊長類の歴史は6650万年。
恐竜時代には、既に猿は存在していました。
そして、恐らくそれよりも長い系譜が、今回調べる事になる飛竜人……未知の『ティラノサウルス上科』にあたる生き物を祖先に持つ彼ら彼女らだと私は考えています」
私は事実ではないとは言え、恐らくそうだと思われる事を素直に伝えただけなのに、妙な顔をこの暗黒竜さんとその仲間達は見せます。
「待て貴様、癪な態度だが乗りたくなるような事を言うな?
するとアレか?そこのアルトリーシャを含む元奴隷で食糧の飛竜人が、竜やエルフの数千年の歴史より長い生き物という気か?」
「数千年程度で威張れない長さですよ、予想通りなら。
寿命ではなく、種の繁栄した期間で言えば、まぁあくまで予想ですがこの世界、この星でも最長の可能性があります」
「コイツらが一体どれほどの歴史があると宣う?
数万年か?数十万?数百万とでもいう気か??それとも数千万年も生きながらえ種を続けたとでも言う気か??」
「約1億6830万年です」
アルトリーシャさんがわざわざ兜のバイザーを上げて目を見開き、暗黒竜さんが黙ります。
「…………今なんと?」
「約1億6830万年は、飛竜人を含んだティラノサウルス上科に歴史が存在するんですが?」
「ふざけるのも大概にしろ!!!
最古の竜で記録は約2万年前だぞ!?!
エルフですらその歴史は9000年だ!?!
そうだったな、レア!!」
「諸説ありますがそうです」
「と言うことは、一応は化石調べればどの程度昔から繁栄したかは分かるんでしょうけど、
まぁ、でもまだ暫定・最長の系譜は飛竜人を含むティラノサウルス上科って事になりますね」
「待て待て待て!?
1億!?1億って!?」
「約1億6830万年前。ジュラ紀中期バトニアン。
コエルロサウルス類プロケラトサウルス科のタイプ種、プロケラトサウルスが生まれた年代です。
そして、恐らくですが、飛竜人と飛竜はプロケラトサウルス科に極めて近い『未知の科のティラノサウルス上科』であると睨んでいます。
プロケラトサウルスは上顎とその歯の周りしか見つかっていませんが、その今まで研究者が歯の断面から神経付着部分まで舐め回すように見た結果蓄積した資料の特徴と、極めて近い特徴を飛竜人と飛竜は骨格に有していました。
意外にも飛竜人の方が祖先的特徴が多く、かつ確認された中で確実にティラノサウルス上科最古と言われているグアンロン同様に既に恥骨と坐骨でティラノサウルス上科の共通特徴を確認し、
ついでに、プロケラトサウルス科のキレスクスに確認された腓骨の特徴もやはりありました。
何より、鼻骨から変形して角のように変異した角に似た鶏冠は、プロケラトサウルス科の特徴から派生したものと考えています。
長いからもう一回重要なところだけ言ってあげます。
あなた方本物らしい竜より、エルフより飛竜人達は種としてだいぶ古参です」
言い切った所で、真顔になった暗黒竜氏へ、何か言う前に言ってやる事にしました。
「あなた、随分差別的に嘲笑してましたけど、
あなたが過去傷つけられ恨み、下げずんだ目の前にいる方は、
我々より長く繁栄した恐竜類の中でも、
白亜紀最後に最強となった大型肉食恐竜の仲間であり、
そして恐竜が絶滅して我々が繁栄させていただいている年代である6550万年をはるかに超える長い年月地球で繁栄した成功した種の末裔であり、
同時に知的生命体になった稀少で由緒正しい恐竜類の一種です。
敬意を払いなさい、クソトカゲさん。
歴史の厚みが違う」
まさしく、ブチギレたとい感じで、私に噛みつきを仕掛けてくる。
けどなんでしょうね、分かるんですよね。
昔、フィールドワークで猛獣に殺されかけた時にとか、特にクマに目の前でエンカウントした時感じた事、
逆にブチギレてると感じている時、
そう言う時ほど、安全なんだと。
剣を抜いてガードしようとしたアルトリーシャを止めたタイミングで、相手も震えながら噛み付く顎を直前で止めます。
「……初めてだぞ、あそこまでコケにされたのは?
殺すには最後にしてやろう」
「どうも」
「で?
一体この我に、無駄に長く細く繁栄してた竜モドキのトカゲ人間とその仲間に、
何の、一体どういった敬意をはらえ、
と言う気だ?」
怖い。まさに殺気。
メンツを潰されたが故の……ああ、こりゃあ良くて私は記録だけ残してこの若さで死んじゃうんだな……
「言ったでしょう?
フィールドワークがあるんですよ1週間ぐらい。
邪魔しないで安全なここで、終わって帰るまで観光して待っててくださいと。
そんな難しい事言ってませんよね、数千年生きてる種のあなたなら?」
じゃあ、このぐらい言っても寿命に大差ないですよね?
死なば諸共煽っとけ。
「…………頭にきすぎて、今面白いゲームを思い浮かんだぞ……!?」
怒りに引き攣った笑みで言う暗黒竜さんが、ふとそんな事を言う。
「良いだろう、街ごと焼く戦いの末に貴様らの苦渋を見て楽しむ予定だったが……辞めてやろう。
児戯に等しい言葉選びで、よくもこの我をここまでコケにしたな?
ならば、児戯で返してやろう……
鬼ごっこだ。ルールは分かるだろう10万年続いている異世界人とやら?
数刻ほど待ってやるから、さっさとどこにでも行くといい。
こちらも遅れて追いかけて貴様らを狩ってやる。
これが、我なりの『敬意』だ弱者共。
逃げ回って無様に生きる術を探すがいい……!!」
「おぉ!それこそ『進化』の道」
やったですよ、延命した!
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいましょうよ皆さん。
ほら行きましょ?」
『いや本当にいくヤツがあるか!?!』
言って良いって言ってるのに、何言ってるんでしょうね。
「ああ、それと暗黒竜のデーギラさん。
私の提案を飲んでいただいたので私も敬意を見せましょう」
「何?」
「お仲間の船、浅瀬まで持ってこないと全滅しますよ」
直後、遠くの明かりがついた船が大きく動きました。
やっぱりと言うか、確か夜も昼も関係なかったはずのティロサウルスが、船に襲いかかっています。
「何!?!」
「ようこそメソゾイク島へ。
日の出までに私達捕まえないともっと酷い目に遭いますよ」
夜間に来て、この島の洗礼を受けずに済んでなんて甘い考えを砕かれてる中、私は踵を返して進んでいきます。
「…………先生、あなた……大物だよ」
「いやー、怖かったー。
とりあえずこれで今はみんな延命できましたね」
「待ってくれ名香代殿!
この後どうするつもりだ?」
「確かに。プランあるんですか先生?
このままじゃどのみち追いつかれて死ぬんじゃ?」
ハーヴェストさんと佐藤さんも心配な顔で言います。
……ふむ
「あるっちゃありますよ、プラン。
名付けるなら『どのみち死ぬなら地獄へ道連れ作戦』って言うんですけど」
「……嫌な予感がするが何を考えている?」
とりあえずみんなに、にっこり微笑み返して……作戦内容を言います。
「今から、行っちゃいけないルート全部通って目的地目指します」
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