51話 フランブルグ包囲戦①
その後の協議の結果、ケッセリング麾下の農奴兵達およそ8千を戦闘正面(予定)に置き、左翼に元公爵の兵およそ4千5百、右翼に近衛3千を配置して迎撃を行い、残りで包囲を継続することが決まった。
とは言えフランブルグからあまり離れた所で迎撃すると、守備隊が援軍が撃破された事に気付かないかも知れないので、フランブルグ南の近郊を流れる河に架かる橋から少し離れた所に戦場を設定する。
フランブルグ包囲の翌日の朝、布陣を終えた我が軍の前に第二王子派の軍が姿を現した。
そしてあまり幅の広くない橋を渡り、我が軍と対峙する。
そしてその中から中年の男を中心に数名が進み出て来た。
「カイテル将軍です。将としては凡庸ですが、忠誠心はとても篤いですね」
農奴兵達の部隊の先頭に居る僕達に、ケッセリングが説明する。
「そこに居るのはケッセリングではないか、久しいな。
どうだ、もし戻って来るというなら儂から陛下に口を利いても良いぞ」
「お断り致します。私の忠誠は陛下方に捧げておりますので」
僕達を恭しく見ながらケッセリングが拒絶する。
その動きに怪訝な表情を浮かべたカイテルは僕達を見やり、
「…よもやその者達が新しい国主なのかね?話には聞いていたが本当に子供なのだな…」
なんとも言えない表情で独語する様に言った。
「初めまして、カイテル将軍。僕が『鉱石と闘技の国』の国主、セラ・フレデリックです。
カイテル将軍こそ、今大人しく降伏されましたらそれなりの地位を保証しますから降伏されませんか?」
僕は一歩進み出て、意趣返しも兼ねて呼びかける。
「フッ、吐かせ!我が忠誠は陛下だけのもの。間違っても小僧に向けるものではないわ!」
鼻で笑いながら拒絶したカイテルは悠然と軍に戻り、「かかれ!」の号令と共に右手を振り下ろした。




