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44話 本陣突入

僕達3人を先頭に敵中央と左翼の間を進んで行くが、ほとんど抵抗なく突破した。

そのまま敵本陣に接近する途中でケッセリングから《通信球》(新型は鹵獲の危険があるので今回は使わない)で、


『陛下、左翼の無力化が完了しました』

との報告が入り、あまりの早さに思わず

『もう完了したのですか、早いですね?』

と、聞き返した。


『左翼の残っていた兵はほとんどが農奴兵でしたので、僅かに残っていた寄親寄子を斃せば命令を出す者が居なくなり動けなくなるのです』

なるほど、さすがケッセリングさんは王国軍の欠点を的確に突いた様だね。


『では後は主に農奴兵の救護をお願いします。こちら側になりそうな寄親寄子が生きていましたらそれも救護で』

『承知しました』

通信が終わり、魔法が撃ち終わっていたので陣形を変更せずにそのまま敵本陣に突入する。


リーチ差もあり、接近する敵兵をまずは姉上が薙ぎ払うため(刃を向けずに吹き飛ばしているのが姉上らしい)、手持ち無沙汰気味な僕は取りこぼしをアルに任せて少し下がり、再編中の敵軍に向けて【(最上級魔法)シャイニング・スコール】を無詠唱で放つ。


隊列を組み直してこちらに当たろうとしていた部隊の上に魔法陣が展開し、そこから無数の光が降り注ぐ!


威力は最上級にしては低めのため(と人間族よりだいぶ頑健な者達なので)死者は少ないが、ほとんどの者が大小の傷を負って組織的行動が不可能になった。


そして後詰がいなくなり耐える事が不可能になった本陣前衛を突破し、残っていた竜車に乗るなどして後退しようとしていたバルド王子以下首脳部を視界に捉える。

僅かに残っていた供回りが決死の表情でこちらに向かったり、魔法を放とうとするのを制圧し、動き出した竜車はアースドラゴンに【(上級魔法)スタンライトニング】を撃って気絶させると動かなくなった。


すかさず近衛達が竜車を囲み、完全に逃げ場が無くなる。

「中の人達、出てきてもらえますか?嫌なら無理矢理出しますよ?」

そう呼びかけるが、返事がないので近衛に引きずり出してもらった。


そして先ずは一応手当てがされているが、普通に歩くのにも支障がある様子のバルド王子に向かって、

「バルド王子、武器を捨てて降伏する様に自軍に言ってください。そうすればここでは命は保証しますよ」

と勧告した。



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